かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

5月18日 月曜日

今日はわたしが洗濯物の回収に行った。
月曜日は茂造さんのだけだから楽勝だ。

今日も茂造さんはベッドに寝転んで独り言の真っ最中だった。

「ほこりは除けてくれよるようや。」

「キレイに畳んで持って来てくれよる」

「歩いて家にける言うたらいかんって言われたが…」

「ほこり取るのにたらいに入れて手で洗いよる。洗濯機使ったら楽やのに…」

なんだ、なんだ?
誰も手洗いなんかしてませんよ。
話は飛ぶし、妄想入ってるし相変わらず面白い。
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ようやく理解したようでホッとしたのも束の間、今度はわたしに向かって「あんた誰な?」と言い出した。

「好子や」

「えっ?」

「好子や」

「えっ?」

好子というワードが頭に無いから何度言っても分からない。

「かつおさんの嫁や」

「何いうんな?」

「好子や」

「えっ?」

もうええやん。
勘弁してくれー!

結局このターンは延々10回ぐらい繰り返し続いた。
そしてようやく

「そっちにおるんはわしの息子か?」

「そやで。名前分かる?」

「秀夫やの!」

「違うで。かつおやで」

「そうか!かつおか!」

「そう、そう」

「わしの息子は二人おるんや。秀夫とかつおや」

もうええ。
それでいいよ。
訂正しても無駄だ。

そしてまた

「あんた誰な?」

綿「綿子や」

「綿子いうたらわしの嫁さんぞ」

綿「そうや」

「こんなん違う」

「違わん!」

「ほなどこから来たんや?」

「病院や」

「ほれやっぱり違うやないか。わしの嫁はクスミから来たんや」

それフネさんの里やん!
それ先週も言うとったやん。
まだ間違ったままなのね。

「それならニゲタや」

「ニゲタ?クスミ違うんか?」

「ニゲタ!光三さんの嫁の米さんもニゲタ!ばあさんの姉さんや」

「おう!そうや!」

やっと思い出せたようだ。

「米さんや光三さんは元気か?」

「もう死んだ」

「嘘言え!こないだ会うたが!」

そんな訳あるかい!
しかし茂造さんはこないだ会うたの一点張り。
きっと夢で会ったんでしょ。

とにかく茂造さんは今日もよく喋った。
その茂造さんを見ながら綿子さんは終始笑顔だった。
以前は自分の事が分からなくなっているという事を認めたくない様だったが、茂造さんがかなりボケてしまっていることを理解したらすんなり認める気になったのかな。
そして安心したように思う。
顔を見ても分からないし、4階まで押しかけて来ることは絶対ないとようやく理解したようだ。

茂造さんと別れ4階に向かっていると

綿「漫才見よるようやったわ~」

と笑っていた。
楽しかったようでなにより。
けどわたしは疲れました。

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5月16日 土曜日

今日もかつおさんと二人で茂&綿の面会へ。
いぶきの森に向かいながら

「今日も綿子さん、茂造さんに会いに行くっていうかな?」

「もう言わんやろ~」

「とりあえず今日も会いに行く?って聞いてみようで」

「そやな」

綿子さんが茂造さんに会いに行ってくれたら面会が一度で済むのでわたし達としては有難い。

早速、4階綿子さんのもとへ。
淡~い期待を抱きながら

「今日も茂造さんに会いに行く?」

綿「そやなぁ。行こうか」

ええっ!
マジで!
いや~ビックリだ。
けどラッキー!
早速2階へ向かった。

今日も4階のスタッフさん達並びに2階のスタッフさん達がビックリしながらも喜んでくれた。
特に畑田さんがたいそう喜んでくれた。
大井さんは先週いなかったのでこの光景を見るのは初めて。
「いや~どうしたん!けどいい事や~」
みんな同じ気持ちだと思う。

今日は茂造さんはデイルームの指定席にいた。

畑「茂造さん、今日も奥さんが来てくれたよ」

「違う。こんなんと違う」

本人の目の前で失礼極まりない。
とりあえず部屋に行っておやつ食べよう。
ぞろぞろと部屋に移動した。

今日のおやつは酒蒸し饅頭。
一口サイズのお饅頭が8個入り。

「美味いのぉ~」

食べるスピードが速い!
あっという間に4個食べてしまった。
残りを狙っているが

「これはばあさんのや」

と言うとあっさり聞き入れた。
優秀じゃん(笑)
そして綿子さんをまじまじと見ながら「綿子と違う」と言う。

「違うことないで綿子さんやで。綿ちゃんやで」

「違う。こんなん違う」

茂造さんの中の綿子さんはもっともっと若いのだ。

「違う事ないで」

綿「私、分からんの?」

「・・・・」

しばらく考えていたようだ。

「ほんまか?ほんまに綿子か?」

綿「そうや」

「ほうか。年取ったのお」

「そりゃそうや、じいさんやって93やろ。ばあさんやって90やが」

「ほうか~。頭が白いとこと黒いとこがあるのぉ」

どした?
急に観察を始めた。
よく分からないが一応綿子さんだと理解したようだ。
やれやれ。
1週間前とほぼ同じやり取りやん。
ちゃんと憶えといてよね。
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