今朝もかつおさんは茂造さんの様子を見に行った。

茂造さんはもう起きていて朝ごはんを食べていた。

「綿子がおらんが」

「昨日、入院したって言うたやろが」

「おー、そうやったわ。
  どこが悪いんや?またケガか?」

「あたまや」

「ほうかー。
  ほんだら綿子も長ないのぉ」

かつおさんは吹き出したそうだ。

茂造さん朝から笑いをありがとう!
(本人は笑わそうとして言っているわけではないが)

同じこと言われてああ(笑)

そして夕方わたしとかつおさんは揃ってケアマネの川上さんのいる老健施設へ出向いた。
川上さんに先日退院してからの綿子さんの様子を伝えてもう入所させた方がいいかどうか相談するためだ。

退院してからの綿子さんのエピソードを次々と話すと川上さんもかなり驚いていた。

「いやー、大分、痴呆がすすんでますね」

「そうなんです。なんかもう凄くて」

「でもね、今は多分、急性期だと思うんです。
  なのでもう少ししたら多少落ち着くんじゃないかとは思うんです。
  認知症が進むと意欲も落ちますしね。
  今はいわゆるまだらボケの段階じゃないですかね」

とおっしゃった。

「やはり痴呆症の専門医に見せた方がいいですかね?」

「その方がいいと思います。治療もしてもらえますし」

「それでもう施設に入れた方がいいですかね?」

「う~ん、難しいところですね。
  入所するとやっぱり出来ることがどんどん減っていきますからね。
  でも火は怖いですね」

「そうなんですよ。人の言う事全然聞かないんでね。
  ずーっと付いて回る訳にもいかないし」

「そうですよね。ところでみどり整形はいつまで入院する予定なんですか?」

「一応、3カ月は居てもいいそうです」

「そしたらとりあえず何ヵ所かの施設に入所の申込みだけでもされておいたらいかがですか?」

​か「そうですね」

そして川上さんは老健施設とグループホームの違いなどを詳しく教えてくれた。
どちらにせよ直ぐに空きがあって入所できるわけではない。
とりあえず3カ月の猶予があるので申込みだけはしておいて、ゆっくり考えましょうという事になった。

さすが川上さん。やっぱりプロだなぁ。
ここ最近の綿子さんの様子を身近な人に話すと皆、口を揃えて
「それはもう入れないかんで」と言うのだが、川上さんははっきりとは言わない。
今はいっぱいいっぱいで思い詰めているかつおさんを見て一旦、時間をとってゆっくり考えようと言ってくれたように思う。
でも申込みをするだけで少し安心できる。
さすがだ。


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