5月4日の水曜日、激しくやりあったかつおさんと綿子さん。
5日、6日はほとんど顔を合わすことなく過ごした。
茂造さんのデイサービスに持って行っているカバンのチェック(入浴していたら洗濯物を出し、新しい着替えを入れる。綿子さんはやらない)は夜遅くに行き、綿子さんと会わないようにしていた。
そして迎えた7日の土曜日。
いつもなら土曜日は買い物デーだ。
しかしかつおさんは

「向こうから買い物に連れて行ってくれんかって言うてくるまで放っとくんや。こっちから声はかけん!」

と言っていた。
わたしはその日は仕事だったのでどうなることやらと思いながらもかつおさんに任せた。

そして仕事から帰り、かつおさんに「今日、買い物に行ったん?」と尋ねると「行ってない」とのこと。
綿子さんはなんだかんだと用事を作って何度もうちにやって来たが買い物に連れて行ってくれとは言わなかったそうだ。
言いたそうにしているが「こないだは悪かった」と言うまではこちらからは断固として買い物に誘わないと心に決めていたそうだ。

そして翌8日の日曜日、わたしもかつおさんも用事があり出かけていて家に戻ったのは夕方だった。
わたしが庭の植木に水やりをしていると綿子さんがやって来た。

綿「今から買い物に乗せて行ってって言うてもいかんわなぁ」

かつおさんに言えないからわたしに頼みに来たようだ。

「こないだかつおさんにお前に迷惑かけてない。今度から自分で買い物に行くって言うたんやろ。ちゃんと仲直りしてくれんと私も乗せて行くわけにいかんのや」

綿「あんときはホンマに腹が立ったんや!」

「それでも二人が和解してくれんと勝手なことするわけにいかんから、かつおさんに言うてみて」

綿子さんは仕方なく我が家の玄関へ行きピンポンを押した。
出てきたかつおさんに

綿買い物に連れて行ってくれ言うてもいかんのやろが!

ケンカ口調だ。それが人にものを頼む態度か?
それはさすがに草

「おう。自分で行くって言うたやないか」

交渉決裂だ。
和解する気はないようだ。

すると綿子さん、私のそばを通りながらさっきとは打って変わったか細い声で

綿はぁ~しょうがない。明日、カート押して自分で買い物に行くしかないなぁ

とつぶやく。
わたしもかつおさんの気持ちが分かるのでスルーして助け舟は出さなかった。

明日はデイサービスの日やのに買い物に行く暇ないやん。
さっさと謝って仲直りせえよ。


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