土曜日の午後、わたしは庭の草抜きをしていた。
このところ茂造さんちの剪定やら祖母の畑の草刈りやらで自宅の庭は後回しになっていた。
かなり雑草が生えている。
早く抜かないと種が飛んでまた大量に草が生えるじゃないか。
せっせと草抜きに精を出していると綿子さんが通りかかった。

綿「足が弱ったらいかんから散歩しようと思うてな」

「行くのはええけど杖か押し車押して行きなよ。転んだらいかんからな」

綿「いつも散歩のときは何も持たんのや」

得意そうに言う。
他人の忠告は全く耳に入らないようでさっさと行ってしまった。

「転んだらいかんから杖は絶えず持っときなよ」とケアマネやさくら苑の職員さんにいつも言われているのでデイサービスに行くときは杖を持って行くのだが、それ以外の時はちっとも持とうとしない。
困ったもんだ。

今朝も腰が痛いとか言うとったのは何やったんやと思うぐらい元気にスタスタと手ぶらで散歩に行ってしまった。
やはりスイッチが入っているのだろう。
その状態の綿子さんは凄い。
そのくせうちに上がり込んでいろいろ用事を頼んだ帰りはいつもよろけて見せる。
なんなんだ一体!
スイッチオン

綿子さんは2時間ぐらいたって無事帰ってきた。
そして近所の人に野菜の苗を貰ったそうで畑でクワをふり、苗を植え始めた。
2時間以上も歩いた後、それだけ動けて、しゃがんだりもできるなら、家の拭き掃除も余裕でできるやろと思う。
それにこんなに元気なら1.5㎞先のスーパーに買い物に行くのだって余裕では?
でも明日はしんどいって寝込むような気がする....


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