17日、火曜日。
茂造さんは今日もデイサービスへ。
そして昨日、今日と二日連続で入浴していた。
人間らしい生活を送っている。
いいことだ。
一方、綿子さんは相変わらずストライプのセーターを着たままだ。
かつおさんが「いい加減着替えたらどうや」と言っているのだが全く意に介さない。
いつまでこの記録を伸ばすのだろう?

そしてこの日の6時過ぎ、またも我が家へやってきた。

「何の用や?」

綿「ちょっと来てくれ」

出た!恐怖のワードだ。

「だから何の用や?」

先に用件を言ってくれ。
じゃないと先日の惨状が目に浮かぶ。

綿「とにかく来てくれ!」

かつおさんは諦めてしぶしぶ綿子さんについて行った。
で、今回の用件はまたもテレビが映らないから直してくれという事だった。
それもなんてことはない、番組表ボタンを押したため番組表の画面が映っているだけの事だった。

「こんなつまらん用でいちいち来んなよ!テレビや捨ててしまえ!」

人の言う事は全然聞かないくせに、自分が用がある時はこちらの都合などお構いなしで頼ってくるなんていい加減にしてほしい。
今日の件だってテレビが映らなかったら他のテレビを見ればいいだけの事で今すぐ対応しなくてもいいじゃないか。
テレビは3台もあるんだから。
それにちょっとは我慢しろよ。
「ちょっとテレビの調子が悪いから、時間がある時に見てくれんやろか?」って電話してくるのなら、こちらも気持ちよく対応しようという気にもなるが、今のような態度では何もしたくなくなる。
ウンザリだ。

綿子さんちから戻ったかつおさんは寝るまでに10回は「はぁ~~~~~」と大きなため息をついていた。
ゴキブリで110番する奴と同じ


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