2月5日、日曜日。

かつおさんは久しぶりに営農集団の仕事の声がかかり、朝から出かけていた。
家にはわたし一人だ。
綿子さんが来たらやだなと思っていたが、この日は一度もやって来ることは無かった。
なのでのんびり過ごすことが出来た。

夕方、かつおさんが戻ってきた。

「おかえりー」

「しーーーーっ」

「はぁ?」

「家のすぐ裏にばあさんが居るんや。見つからんように帰って来たんや」

「綿子さん、裏で何をしよるん?」

「草、抜いとったわ」

「まぁ元気やなぁ」

「ほんま、じっとできん人や」

かつおさんは見つかったらまた何か用事を言われるんじゃないかと隠れるようにして帰って来たのだった。

かつおさんはその後、一時間ほどして回覧板を届けに出て行った。
納屋を抜けていこうとしたら軒下に『もどき』が居たそうだ。
『もどき』というのは近所の野良猫or外飼い猫で、うちの『ひじき』とそっくりな黒猫のことだ。
ひーちゃん

あまりにも似ているので庭で見かけるとひじきが脱走したのかとドキッとするぐらいだ。
なので『ひじきもどき』で『もどき』と呼んでいる。

そのもどきの横に白いレジ袋が落ちていて、何かを食べている。
てっきりゴミ袋を漁っているのかと思ったそうだが違っていた。
もどきはかつおさんに気づくと逃げて行ったそうだ。
そこには食パンの袋が落ちていて猫にかじられた跡があった。
レジ袋の中には菓子パンやお惣菜が入っていたそうだ。
なんでここにこんなものがあるんだ?
かつおさんはとりあえず全部拾って綿子さんちに持って行った。

綿子さんは「あ~外に忘れとったんか~。なんかようけ買うたはずやのに、食べるもんが無いなぁと思いよったんや」と言ったそうだ。
昼間にシルバーカーを押して買い物に行ったそうだ。
そして買ってきたものをシルバーカーに乗せたまま忘れて放置していたのだった。

「昨日あんなに大量に買い物しとったのになんで今日も買い物に行ったんやろか?それで買うたん忘れて外にほったらかしやで。もどきが食べよったわ。やっぱりボケが進んどんやろな」

今日は比較的暖かかったし、体の方は絶好調みたいだからじっとしていられなかったのだろう。

「買い物は趣味やし、勝手にさせとこ。言うても無駄や」

そうだ、そうだ!
そのおかげで今日は襲来も無くゆっくりできたじゃないか。
お互いWin-Winだ。


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