引き続き2月22日のこと

かつおさんはとりあえず茂造さんに
「おかんは入院したから、しばらく帰って来んからな」
と伝え、病院へ向かった。
夜間入り口で看護師さんに荷物を渡して、お願いしてきたそうだ。
まだまだ病棟には入れない。

そして家に戻ってきたので二人で茂造さんちに向かった。
今日から一人になる茂造さんが心配だ。
今年に入ってからストーマ袋の穴を閉じ忘れたり、生肉を食べたりと問題行動が増えてきたので、茂造さんの部屋にも見守りカメラを設置しようと思って、先日もう一台買ってきていた。
それを早く設置しよう。

茂造さんはもうベッドで寝ていた。
悪いけど照明をつけさせてもらう。
茂造さんは気付かないようで寝ていた。
静かにカメラを設置し、Wi-Fiの設定などを行っていたら茂造さんがガバッと起き上がった。
わたし達のことは気にも留めず、いつものようにチンチンを出しながらトイレへ向かう。
しばらくすると戻ってきた。
しかし5分もするとまた同じ様にしてトイレへ向かう。

「ションベンが出ると思うのにトイレに行ったらちょっとしか出んのや。ほんで寝よったらすぐジョンベンに行きとうなるんや」

本当に何度もトイレとベッドを行ったり来たりしている。

「そこの扉開けといてくれ。いちいち開けるのが面倒くさいが」

「開けっ放しにしたら寒いやろが」

「そらしゃあないやろが、我慢するわ」

いっそトイレの横にベッドを置こうかしら。

そしてようやくカメラの設置が終わったので茂造さんに声をかけた。

「茂造さん、綿子さん入院したからな。しばらくは帰って来れんのやで」

「えーーっ!!どうしたんや?どこが悪いんや?」

「病気でなくてケガや!肋骨が折れとるんやって」

「ほうか」

「だから入院したんや。今日から茂造さん一人やからな。晩ごはんは宅配弁当が納屋に届くから、前みたいに自分で取りに行きなよ。新聞も自分で取りに行くんやで。朝ごはんは持ってくるし、洗濯はしてあげるからな。頑張りよ!」

「はい!頑張ります!!」

ムッチャいいお返事が返ってきた。
返事だけは超優等生だ。
やれんのか?

一昨年は宅配弁当を納屋から取ってくることも、朝、新聞を取ることも出来ていた。
けれど昨年、綿子さんが退院して家に居るようになると、全部綿子さんがやっていたので、ここ一年、茂造さんはこういった事をやっていなかった。
ブランクがある。
ちゃんとできるだろう?
とにかくなんとか頑張って欲しい。


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