かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2022年01月

屋根の修理をした時の話がこちら



屋根の修理をする2日前のこと。
茂造さんが時々、小便をする家の横のドブに波板が落ちているのを見つけた。
ちょっと前から風が吹くと上でバタバタと音がしていたのでヤバいなと思っていたんだけど、修理する前に割れて飛んでしまったらしい。
茂造さんからも「あそこに波板が落ちとるから拾ってくれ」と言われていた。
けれど、そう言ってるそばから波板の上に小便をしている。
拾わなくてはとは思っていたが、そんなところに入りたくない。
後回しにしていた。

すると屋根の修理をしている間に綿子さんがドブに入り回収していた。

私たちが屋根の修理を無事終えて庭に戻ると、向こうからゾンビの様な綿子さんがやって来る。

「どないしたん?大丈夫?」

綿「波板がドブに落ちとったきん、じいさんに「拾ってくれって」言うたんやけど拾ってくれんきん私が拾ったんや」

「ええっ!!」

綿「かつお、悪いけどドブの上にあげとるきに回収してくれ」

「後で拾おうと思っとったのに、何でいらんでええことするんや」

綿「じいさんがせんきに」

「二人ともせんでええんや。わしがするのに」

かつおさんが早よせんきんやん。
後回しにしたらこうなることは予測できるやん。


と思ったが言うのを我慢した。

綿「あーえら。(疲れた)もう寝るわ」

と、家の中へ入っていった。
愚か者

きっとあの服のまま布団に入るんやろなー。
茂造さんのションベン臭いドブに入った服で....


↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


先日の休みの日、かつおさんと二人で茂造さんちの屋根の修理を行った。

茂造さんちは前にも書いたとおり田舎の古民家だ。
母屋は立派な大黒柱や梁があってとてもいいものなんだろうなと思う。
亡くなったフネさんが「この家を建てたとき、100年は持つと言われたんや」といつも言っていた。
しっかりした造りの家だ。
しかし、裏に増築した部分はとてもちゃちな造りなのだ。
近所の宮大工の方に建ててもらったとかで、断熱材など皆無。木もあまり上等なものを使っていない。
なのでそこら中、床がポコポコしていて危ない。
そしてその増築部分と母屋の間に廊下を作って屋根をつけている。
しかし塞いでしまうと暗くなってしまうので明り取りの天窓がある。
天窓といってもガラスとかでなく、ガラス繊維を挟み込んだ塩ビの波板だ。

前置きが長くなってしまったが今回この波板の劣化が原因で廊下に雨漏りするようになってしまったので修理を行ったのだ。

ちゃんとしたプロに頼むと高くつきそうだし、すぐに来てくれるか分からない。
それに増築部分&廊下はいずれ潰すつもりなのでできるだけお金をかけずに直したいのだ。

ということで二人で屋根に上り波板を張り替えた。

天窓は2箇所ある。昨年、西側の天窓から雨漏りし、その時も二人で修理していた。
今回は東側の天窓の修理なのだが、こちらは前回の天窓の倍の大きさがある。
前回、こちらもどうせ時間の問題だろうから一緒に直そうかと思ったが、1つ直すだけで丸一日かかって大変だったので手をつけることができなかった。
しかし、今回は経験があるからか速かった。
バンバン釘を抜いて古い波板を外していく。
しかしその下から現れた土台の木がかなり傷んでいた。これは.....

どうする?

二人ともやりたくない。
けれど今、交換しないとまた修理することになったら大変だ。

仕方なくサイズを測って木材を買いに走った。

そんなこんなで大変だったがなんとか夕方までに修理を終えた。
これでもう雨漏りしませんように。
次、雨がふるのが楽しみだ。

IMG_7918
そしてこの修理中、茂造さん&綿子さんの様子はというと
もし物を落としたりしたら危ないし、埃が立っているのでココ(天窓の下)は通らないでと言っておいたのだが、全然平気で通るし、
いつも掃除なんかしないくせに、ホウキを持ってきてやたら掃いてみる。
でも上でカンカン釘を打つのでどうしても埃が落ちる。
二人が代わる代わる掃いているが丸っきりムダなのだ。
最後に掃けばそれでいいのに。
言っても聞かないから放っておいたけど....
非効率


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ
にほんブログ村




昨日の続き



かつおさんは弱気になりつつ、グチをこぼしながら冷めた晩御飯を温めなおして、また食べ始めた
ところ、
ピンポーン

「げっ!今度は何や!
  メシぐらい食べさせてくれよー」

ブツブツ言いながら玄関へ。

綿「米が全然無いんや。3合でええきん、分けてくれ」

昨日、リハビリ野郎に米を渡すとき、初めは3㎏ぐらい用意していたのだが

綿「これでは少ないきん足すわ」

と台所から自分たちが食べる用に精米していた米まで追加してリハビリ野郎に渡してしまっていた。

そりゃ無いに決まっとるやん。

で、うちに貰いに来るぐらいなら全部渡すなよ。
あれだけ反対しても自分の意見を通したんだから自分で何とかせえよと思う。
けど言っても理解できないだろう。

「今、晩御飯食べよるとこなんや。ゆっくり食べさせてくれよ。
  食べてすんだら持って行くわ」

と綿子さんを帰らせた。

食事中、ずーーーーっとブツブツとグチが止まらない。

「なんか食べた気がせえへん!」

1時間ほどすると大分落ち着いてきた。
やはり時間を置くということは大事だ。

「米、持って行ってくるわ」

きっちり3合だけ持って行った。
すぐ帰って来るのかと思っていたら1時間ぐらい帰ってこなかった。

「何しとったん?」

「廊下の元スイッチにカバーをして押せんようにしたり、部屋の電気のリモコンのチャンネル部分も触れんようにカバーしたんや」

やるじゃん!

「それからIHの使い方を30分ぐらいずーーっと教えよったんや」

「綿子さん覚えられた?」

「何回も、何回も繰り返しやったら大分覚えたみたいや。
  本人も覚えたいみたいで、ヤル気になっとったし」

「へぇー」

「上手いこと出来たら「よろしい!」とか「やったら出来るやん!」とか言うて褒めてやったらむっちゃ喜んでな。デイに見学に行って体操しよった時みたいに目を輝かせとんや」

「へぇーー」

「やっぱり褒められたら嬉しいんやなぁ」

なんだか綿子さんに接するコツを掴んだようだ。
何歳になってもやっぱり嬉しいよね

やっと笑顔になったかつおさん。
たぶん綿子さんも今頃笑顔だろう。
良かった、良かった。


↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


今日は会社帰りに買い物に寄ったのでかつおさんの方が先に帰宅していた。

「今日は何事も無かった?」

このところ毎日、何かしらトラブルというかちょっとした事件が起きている。

「今日は何も無いわ。というか今日は向こうに行ってない」

「1回は覗かんでええの?」

「もう、ええやろ。そうでないとこっちが先にまいってしまうわー」

かつおさんはかなりストレスが溜まっているようだ。
とりあえず今日は放っておいて様子をみよう。

さぁ、晩御飯にしようと食べ始めた時だった。
ピンポーン

「げっ!来た!」
妖怪ピンポン婆

どうせ綿子さんだろう。
しぶしぶ玄関に向かうかつおさん。
なんだかまた頼み事をしに来たようだ。
そのまま二人で出て行った。

30分ほどしてかつおさんが戻って来た。
いつになく神妙な顔で

「もう、あかんかもしれん。無茶苦茶ボケが進んどる」

「えっ⁈ 何があったん?」

かつおさんの話によると綿子さんが来た訳は
・廊下の電気が点かないから見てくれ
・部屋の電気が点かないから見てくれ
ということだった。

廊下の電気は紐を引っ張っても点かなかったのだが、元のスイッチを切ってあったからだった。
部屋の電気はリモコンで点けたり消したりできるようにしていたのだが、リモコンのチャンネル部分をさわっていたので反応しなくなっていた。
どちらもずっと前から使えていたのに急にできなくなってしまった。
廊下の電気に関しては、実は昨日も同じことを言ってきて、紐を引っ張って点かない時は元のスイッチを入れるんやでと教えたばかりだった。

「じいさんよりばあさんの方がボケが進んどるみたいや。
  もう施設に入れんと無理かも知れん」

むっちゃ弱気になっている。

「IHの使い方も、もう一度教えてくれって言うきん、教えよったんやけど、グリルの引き出し開けたら魚が出てきたんや。それって二日前にグリルで魚の焼き方教えた時のなんやで。
 こうするんやって教えて、焼けたら取り出せよって言うとったのに。魚を焼いとることすら忘れとったんやで。重症やろ」

「あらま~。でもあれだけ施設には行きとうないって言いよんやし、もうちょっと頑張ってみたら?もうすぐデイにも通うようになるし。デイに行きだしたらちょっとはマシになるかも知れんし」

「そやな。せっかくIHにしたり、通路作ったしなぁ」

「そやろ」

でもIHは無理かも知れない。
やはり新しいことを覚えるのは難しいのか?
けどガスコンロのままではそのうち火事を出していただろう。
家に居たいならIHの使い方を覚えるか、料理はせずに宅配弁当を食べるかしてもらうしかない。
もう少し早く、何年か前に変えていたら覚えられたんじゃないかと悔やまれる。
とにかくもう少し頑張ってみようよかつおさん。


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ
にほんブログ村



かつおさんの話には続きがあった。
それによると

デイサービスの見学から戻ると、綿子さんがみどり整形に連れて行けと言い出したそうだ。

「何しに行くんや?」

綿「薬もらうんや」

「薬やったらまだたくさんあるし、その薬は佐藤病院でもらわな」

佐藤病院が元々の主治医で、いつもはそこで高血圧や糖尿病等の薬を出してもらっていた。

綿子さんは仕方なく本当の目的を言った。

綿「リハビリの先生に米渡すんや」

「そんなん渡さんでええ!
  渡す方もおかしいし、もらう方もおかしいわ」

綿「行くんじゃ!」

「行かんでええ!」

すると綿子さんが豹変した。

綿「行く言うたら行くんじゃーー!!」

長生きの代償

まるで小さい子供がおもちゃを買ってくれと駄々をこねる様に両手を振り回しながら叫んだそうだ。
かつおさんは「あかん、これ普通の人でないわ」と絶望したそうだ。
手がつけられないので仕方なくみどり整形に向かった。

病院に着き、取りあえず米は車内に置いたままリハビリ野郎のいるリハビリ室へ行ったそうだ。
綿子さんはリハビリ野郎の顔を見るなり

綿「入院中はほんまに世話になったなぁ。ありがとなぁ~~」

と涙を流したそうだ。
かつおさんはドン引きである。
これが本当に自分の母親なのか?
かなりショックを受けたらしい。
小さな世界

で、結局、米を持ってきたと伝えたが、病院内では受け取りづらいのか、夕方、仕事帰りに家まで取りに行くからということになったそうだ。
そして夕方、きっちり取りに来た。

やっぱりありえねぇ!!!
この2人!!


それにしても老いとは本当に恐ろしい。
綿子さんの名誉のためにも言うが、こんな人では無かった。
優しくて、忍耐強くて、分別のある、周りに気配りのできる人だった。

今は自分のやりたいことに正直で、それが良いことか悪いことかの判断ができない。
特にかつおさんの気持ちを思いやることができない。
老いとは残酷だ...


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ
にほんブログ村



↑このページのトップヘ