かつおさんのチョンボはもう一つ。

先日、綿子さんが左脇を打撲し、炊事が出来ないと言い出した時から宅配弁当を月～金の夕食を２個づつ配達してもらっていた。それまでは茂造さん用に１個だけ配達してもらっていた。
以前は「あれは美味ないからわたしはいらん」と言って綿子さんは弁当を取るのを拒否していたのだがこの機会に半ば強引に二人分の弁当を取ることにしたのだ。
すると食べ続けているうちに思ったより美味しい事に気付いたのか、いらないと言わなくなった。
それに以前はご飯無しのおかずのみの弁当を取っていたのだが見た目がしょぼかった。
けどケガをして弱っていたので「ご飯を炊くのもしんどいやろ」とご飯付きの弁当に変更した。
すると見栄えが格段に良くなった。
それも一因ではないかと思う。
そうか単純に楽だからなのかも知れない。
理由は何であれ宅配弁当を拒否らなくなったのでわたしたちもずいぶん楽になった。
買い物の頻度も減るしお惣菜を買って来てと頼まれることも減ったのだ。

かつおさんはこの機会に土曜日も宅配弁当を取ろうと言い出した。

か「ばあさんには事後報告でええんや。土曜も弁当が来たら初めはブツブツ言うかも知れんけど楽な方がええはずや！」

と言って７月から土曜日も配達してくれるように手配した。
がしかし、どうも土曜日に届いてないようなのだ。
綿子さんに「土曜日、弁当来た？」と尋ねても「いや、来てない」と言う。
かつおさんは

か「そんなことないやろが」

綿「いや、来てないと思うわ」

か「どうせ忘れとんやろ」

そう言っていたのだが次の週も同じだった。
綿子さんも自分の記憶に自信がないのか「たぶん来てないと思う」といった感じなのだ。

弁当屋さんに確認した方がいいのでは？
そこで次の土曜日の朝に「今日配達してくれますよね」と確認の電話を入れたのだった。
すると「そちらは月～金の夕食２個で注文を受けています」との返答だった。
かつおさんは土曜も配達してくれるよう注文を入れたつもりだったのだ！

ヤバイ！！

かつおさんは「来週からは土曜も配達してください」とお願いして電話を切ると急いで弁当を作り始めた。
前日の弁当の容器を納屋から取って来てそこに前日の我が家の夕食の残り物や冷食をチンして詰め、なんとか見栄えのする弁当を作り、しれっと納屋の保冷箱に入れたのだった。


ナイスリカバリー！

それにしても綿子さんのことをボケ扱いしていたが一番のボケはかつおさんじゃないか！
しかもそれを隠して謝らないのもどうなんだ？


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