かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2023年05月

昨日からの続き

なんだかどっと疲れた。
家に戻りちょっと休憩しよう。
かつおさんは来週、不燃ごみの回収日があるからゴミ出しの準備をするわと言って車庫へ出かけて行った。
先週、納屋の片付けをして出た大量のゴミを処分するためだ。
ご苦労様。

かつおさんと別れ、家に戻り、ホッとしたのも束の間、綿子さんがやって来た。
ピーンポーン
玄関を開けると「テレビのチャンネルが変わらんのや」と言う。
仕方ない。
綿子さんちに向かった。

「綿子さん、こんな事やったらわざわざ言いに来んと電話しなよ。転んだら大変やがな。来週、退院できんようになるで」

綿「いや、居るかどうか分からんかったから」

居らんかったら諦めるしかないんだから、電話でも一緒やん!
なんでわざわざ言いに来る必要があるん?
心の中でつぶやいた。

そして納屋を通り抜けながら言った。

「今、ツバメが来よるから、扉は開けといてな」

綿「来よるん知っとるで。ほんだから扉は開けといたで」

「いや、さっき閉まっとったって翔ちゃんが言うとったで。ツバメが納屋に閉じ込められて困っとったって」

綿「えっ⁉そうなん?じいさんも居らんのに誰が閉めたんやろか?」

あんたしか居らんやん!!
綿子さんが入院中、納屋の扉はいつも開けてましたから。
言っても無駄なので何も言わない。
ぐっとこらえる。
犯人はいつもひとつ

気を取り直して綿子さんちの中へ。

「ところでどのテレビのチャンネルが変わらんの?」

綿「台所と私の部屋のテレビや」

「えっ⁉二つとも?」

確認すると台所のテレビはチャンネルが変わらなかった。
このリモコンはまだ買って半年も経ってないはず。
早くも壊れたのだろうか?
いろいろボタンを押していたら、数字ボタンは反応しなが⇧上⇩下ボタンは反応することが分かった。

「ココを押したら変わるみたいや。面倒くさいけどココを押してな」

綿「分かった。あ~良かった~。それから私の部屋のも見てくれる?」

「はいはい」

綿子さんの部屋のチャンネルは全く問題なく変わった。

綿「あれ~?さっきは変わらんかったのに」

どうせ台所のリモコンを押していたのだろう。
とにかく解決した。
帰り際にもう一度言う。

「用事があったら電話しなよ。お試し中に怪我したらどうするん?」

もう何回言わせるんだ!


↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村




昨日の続き

とりあえず典さんからのプレゼントを届けに行かなくては。
翔ちゃんも誘ったが「さっき会うたからもうええ」と断れたので、かつおさんと二人で綿子さんちへ行った。

綿子さんに荷物を渡し「典さんからやで」と伝えた。
そしてかつおさんが典さんに電話をかけ、綿子さんに代わった。
綿子さんはとても喜んで典さんにお礼を言っていた。
かつおさんと喋る時とは違う、高い声だ。
かつおさんは「よそ行きの声出してから」とブツブツ言っている。
綿子さんは「また帰って来てくれのぉ」と言っていた。
典さん、わたし達からもお願いします。
綿子さんが帰ってきてまだ数時間ですが、早くもギブしそうです。

電話が終わると、かつおさんが
「ばあさん、ウロウロしたらイカンやろが!こけたらどうするんや!」
と言った。

綿「ウロウロやしてないわ」

「ウソ言え畑の中に入っとったやろが」

綿「畑や行ってないわ」

「翔ちゃんが見たって言うとったぞ」

綿「おう、さっき翔ちゃんに会うたんや。初めかつおかと思うたら翔ちゃんやっての。嬉しかったんや!だからギュッってしたんや~」

満面の笑みだ。

「ほれみ、ウロウロしとったやないか」

綿「・・・・・」

「綿子さんが退院してくるのを待っとったら、遅いかなと思うて、見様見真似で植えてみたんや」

綿「きゅうりとトマトとなすととうもろこしが植わっとったな」

先週、苗を植えたばかりで、苗には肥料袋で覆いをしてあった。
真上から覗かないと何を植えてあるのか分からないのだ。
自ら畑に入ったと白状したようなものだ。

「ほれみ、畑に行っとるやないか。ほんで秀樹ちゃんとこ行って話したんやろが」

綿「秀樹ちゃん?会うてないぞ?」

きょとんとしている。本気で言っているようだ。

「ウソ言え!空マメ貰ったんやろが」

すると綿子さん「あっ!」と思いだしたようだ。

綿「空マメようけ貰ったんや。好子さん、半分持って帰って」

こっち来てと台所に連れていかれた。
話の辻褄が合わない事には考えが及ばないようだ。
全く気にしていない。
これぞ『痴呆』なのか?

「いや、わたしもかつさんも豆はあんまり好きでないんや。綿子さんが食べたらええがな」

綿「こんなにようけあるのに」

「そしたら炊いて冷凍したらええがな」

綿「そうしようか」

なんとか空マメは断ることが出来た。

「ところで」
綿子さんが切り出した。

綿「屋敷の田んぼは何か植えるんな?米でも....」

「何も植えんで。米は無理や。去年、担当の田んぼを8枚に減らしてもらったけど、それでもヒーヒー言うたからな。やっぱり会社勤めしとる間はようけは出来んわ。だからあそこは何も植えんで」

綿「まあな。仕事を持っとったら大変やわな。でも....」

そう言いかけたところでかつおさんがもの凄い剣幕で話に割って入ってきた。

「アホ言うな!!絶対、何も植えんからの!米や以ての外や!」

鬼の形相だ。

「いつまで口出しするんや!自分は出来んのやから言うな!」

綿子さんは口をへの字にして黙ってしまった。

かつおさんがブリブリ怒りながら去っていくと

綿「私、みどり整形にまだ荷物置いたままになっとんや。取ってこないかん」

「いやいや、今日と明日だけのお試し帰宅やから、明日の夕方にはみどり整形に戻るんやで。荷物は置いたままでええんやで」

綿「えっ⁉そうなん?」

聞きつけたかつおさんがすっ飛んできて

「何回も言うとるやろが!!今日はお試しや!!」

綿「ほうな」

やれやれ、以前にもましてボケっぷりがヤバいじゃないか。
などと自供しており


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


昨日の続き

その後、郵便局へ寄った。
不在票を見ると荷物は典さんからで、綿子さん宛てのものだった。
多分母の日のプレゼントだろう。
なので再配達を頼まず、局まで取りに行った。
そのついでにゆうパックは転送届の適用外なのかを尋ねたら、適用になるとの事だった。
今回は、配達員のミスだという事だった。
しっかりしてくださいよ。

そして家に戻ると翔ちゃんが

「やっぱりばあさんは凄いわ!俺が居るの察知したんか、おかんらが出かけた後すぐ来たわ。雨が降っとるのに傘もささんと」

「さすがやの!」

「俺は車をいじっとったんやけど、俺やと分かったらむっちゃ驚いた顔して駆け寄ってきて抱きつかれたんや。ほんま最悪や」
出禁で

「お疲れ!(笑)」

「そのあと、ばあさん畑に入っていったり、隣の秀樹さんが居るの見つけて、そこのあぜ道通って寄っていっとったわ。それで秀樹さんから空マメ貰いよったで」

「マジか⁉」

「ばあさん、むっちゃ元気やん」

じっとしとけと言われたからといって、じっとしていられる人ではないことは分かっていたが、ここまでとは。
帰宅早々、飛ばし過ぎやで。


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村




引き続き5月13日のこと

そして慌ただしくかつおさんといぶきの森へ向かった。
翔ちゃんはその間に車の修理をしてくれるそうで、一緒に行かなかった。

いぶきの森へはなんとか1時5分前に着いた。
タンスが運ばれてくるのを待っていると、ちょうど畑田さん(茂造さんの担当マネージャー)が通りかかった。
私服に着替えていたので、退勤したところのようだ。
畑田さんはわたし達に気づくとそばに寄ってきて、茂造さんの様子を話してくれた。
茂造さんは今、絶賛『帰りたい病』を発症中で「家に帰るんや!なんで帰らせてくれんのや!」と怒鳴り散らしたり、かと思えば「これをしたら家に帰らせてくださいね」と穏やかに要求してくるそうだ。
それからおしっこはやっぱり自力で出ないそうで、管を入れたままにしているそうだ。

「勝手に除けたりしないですか?」

畑「それはないですね。少々引っ張っても抜けないような仕組みになってるんですって。無理に引っ張ると痛いそうですよ」

「うんこの袋は大丈夫ですか?」

畑「そちらは相変わらず勝手に除けています。なので数が足りなくなってしまって。この間は無理を言ってすいませんでした」

「とんでもない!こちらこそ申し訳ありません」

「このところ便汚染の洗濯物がなかったので落ち着いたのかと思ってました」

畑「いえいえ、勝手に除けるので凄いことになってます」

「申し訳ないです」

そして畑田さんは今後のことを相談していきたいと言った。
茂造さんのようにストーマを持つオストメイトで、その上おしっこの管理が必要な要介護者を受け入れてくれる施設はあまりないそうだ。
特に医療行為を行えるところはかなり少ないのだとか。
そして特養に入るには、今の介護度が②なので変更申請をして③にあげる必要があるが、茂造さんは自分で歩くことが出来るので③が認められるかは、微妙なところなのだそうだ。
畑田さんは茂造さんにとってベストな方向を各所に相談しながら探していきたいと思いますと言ってくれた。
本当にありがたいことだ。
お前の席ねえから!

そしてタンスが運ばれてきたので畑田さんと別れ、衣替えを行った。
てっきりタンスと言っても衣装ケースに毛が生えたような物かと思っていたが、なかなかしっかりした棚だった。
下にキャスターが付いているのでエレベーターに乗せ1階に運んでこれるようだ。

秋・冬の衣類をどんどん取り出し、除菌シートで棚を拭き、春・夏物を入れていく。
収納力はたっぷりだ。
入所した当初、着替えを多めに用意してほしいと言われたので、大量に持って来ていた。
ズボンやズボン下や靴下はそれぞれ10は用意した。
それら全てタンスに収まっていた。
けれど水筒やコップは持ってきた時のまま、ナイロン袋に入ったままで、使った形跡がなかった。
とりあえず入れ替えが終わったので近くにいたスタッフさんに声をかけた。
水筒やコップは必要ないそうだ。
持ち物リストには載っていたから用意したのだが要らないのなら持って帰ろう。
リストが古いのだろう。

ところでこのスタッフさん、先日、茂造さんのおしっこのことで話しかけてきた方だった。
看護師の資格を持つ方のようだ。
今日も茂造さんのおしっこについての話をしてくれた。
「いつもありがとうございます。父が無理ばっかり言ってるようですいません」
と伝えると、驚く返事が返ってきた。

ス「茂造さんはここのアイドルなんですよ」

ええっ!耳を疑った。

ス「たまに難しい時がありますが、普段は温厚で可愛らしいんですよ。なのでみんなのアイドルなんですよ」

たしかに憎めない、お茶目で可愛いところはあるが、それを帳消しにするぐらいのことをやらかすじゃないか。
でもそう言っていただけて本当にありがたい。
これからも茂造さんをどうかよろしくお願いします。



↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


昨日の続き

綿子さんちから戻ると12時前だった。
急いで昼ご飯を食べなくては。
1時までにいぶきの森へ行かなくてはいけない。
茂造さんの衣替えをするためだ。

バタバタしているところに翔ちゃんがやってきた。
明日は母の日なので今晩、ごちそうを食べに連れて行ってくれるそうだ。
そのついでにわたしの車の修理をしようと思って早めに来たそうだ。
ハッチが壊れているのを直してくれるそうだ。
なんてありがたい。
そして

「ばあさん、帰ってきたんやろ?どんなん?じいさんが居らんことで何か言うた?」

翔ちゃんも心配していたのだ。

「むっちゃ喜んどるわ」

「やっぱりか」

綿子さんはさっきベッドに横になったばかりなので、あとで顔を出すことにした。

三人で慌ただしくお昼ご飯を食べ、出かける用意をした。
わたしがちょっと納屋まで物を取りに行っていると、綿子さんがやってきた。
杖もつかず、フラフラしている。

「どしたん?杖つかんと危ないで」

綿「これがポストに入っとったからかつおに持って行こうと思うて」

見るとゆうパックの不在票を持っている。

綿「これかつおに渡しといてくれるんな」

「わかった。気をつけて帰りなよ」

綿「頼むわな」

フラフラと家に戻って行った。
ついさっき痛いから寝るわと言っていたのに。
まだ1時間も経っていない。
相変わらずじっとしていられないようだ。

それにしてもなんでゆうパックの不在票が綿子さんちのポストに入ってるんだ?
転送届を出しているので郵便物はうちに届いている。
ゆうパックは適用外なのか?
確認しなくては。
間違えられたかな


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


↑このページのトップヘ