かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2023年12月

今日は大晦日。
これまでを振り返ってみたいと思います。

このブログを始めたのが2021年の10月。
とうとう2年を越えました。
始めた頃はこんなに続くと思っていませんでした。
始めたきっかけは、綿子さんがしょっちゅうケガをして入退院を繰り返し、それが1年も続いたので『こんな人、他に居らんやろ!』と誰かに聞いて欲しくなったからでした。
まさかこんなに色々ネタが降って来るとは思いませんでした(笑)
バタバタとあっという間の2年、いや、入院を始めた2020年からすると、3年でした。

そしてこの年末年始は二人とも家に居ません。
久しぶりにゆっくりできそうです。

ブログを読んでくださった皆様、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いします。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
来年も介護との闘い


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昨日の続き

そろそろかつおさんは額の傷を診てもらいに病院へ行かなければいけない。
カワハギの煮付けを半身残した。

「どしたん?」

「せっかくの美味い魚やのにゆっくり食べたいが。晩に取っとくんや」

普段、カワハギなんかめったに買わない。
だって高いもの。
今日は茂造さんのために張り込んだのだ。
かつおさんは半身が残ったお皿に大事そうにラップをかけていた。
それを見た茂造さんが

「それ要らんのやったらくれ!」

「要らんのと違うわ!これはわしのや!」

似た者親子だ(笑)

茂造さんは食後しばらくおしゃべりしていたが、ずっと座っているのもしんどいというのでベッドへ連れて行った。
やれやれ、やっと一息つける。
が、茂造さんは寝たわけではない。
ベッドで横になっただけで、また独り言が延々続いていた。
寝てないうちは気をつけないと起きてくるかも知れない。
一人で動いて転んだらいけないので注意が必要だ。
なんてったってこの家は段差が多いから。

洗い物をしていたら水の音で茂造さんの声がかき消されてしまうので、リビングで一息つくことにした。
リビングにいても扉を開けておけば茂造さんの声が聞こえてくる。
結局30分以上独り言が続いていたが、その後やっと静かになった。
今のうちに綿子さんの入院用品の準備だ。
持って行くもの全てに名前を付けないと。
今後、いぶきの森へ移っても大丈夫なようにしておこう。
いぶきの森では持ち物にちゃんと名前を付けておかないと、誰のものか分からなくなって困るそうだ。
痴呆の人が多いので、本人にも分からない。
その上、手癖の悪いボケ老人もいて、他人のタンスを勝手に開けて、取っていく人がいるそうだ。
なので普段タンスは壁に向けて置いてあるそうだ。
そんなわけで名前は必須なのだ。

続く
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昨日の続き

綿子さんの入院用品を集め、お昼ご飯の準備をしているとハルちゃんと数くんが来てくれた。
もう11時が迫っていた。
そこで茂造さんの迎えはハルちゃん達にお願いし、わたしはお昼の準備を続けることにした。
ご飯は炊飯器ごと綿子さんちの台所へ運ぶ。
粕汁の入ったお鍋も、カワハギの煮付けが入ったフライパンもそのまま運んだ。
その方が温めやすくていい。
けど一度に運べないので何度も往復した。
食器は綿子さんちの物を使うことにしたのだが、一度洗い直さないといけない。
綿子さんや茂造さんが使うだけなら洗い直さなくてもいいが、ハルちゃん達が使う分には洗い直さないと、気持ち悪くて使えない。
茶椀や汁椀、小皿やお箸など探していたら茂造さんが帰って来た。
なんとか綿子さんの入院手続きも終わったそうでかつおさんも一緒に帰って来た。
茂造さんは早速「腹が減ったが-」と言っている。
椅子に座らせ、急いで食器を洗った。
そしてとりあえず茂造さんにお昼ご飯を出した。
すると「みんな揃うまで待つわ」と言った。
そんな常識人のようなことを言うなんて!
ビックリした。
今までそんなことを言ったことも、待ったこともないのに。
施設の暮らしで出来るようになったのだろうか。
が、そうは言ったものの30秒後には勝手に食べ始めていた。
やっぱりかよ。
茂造さんはカワハギの煮付けが気に入ったようで一心不乱に食べていた。
が、その様子を見て後悔した。
骨を外してあげればよかった。
のどに骨が刺さったら大変だ。
きっと施設では骨のないものしか出なかっただろう。
骨のある魚を食べるのは久しぶりな気がする。
急いでかつおさんに身をほぐしてあげてと頼んだ。
幸い骨が刺さったりはしなかったのでホッとした。

茂造さんは煮魚や粕汁を残すことなくしっかり食べた。
「あ~旨かった~。腹がいっぱいや~」
満足そうだった。
良かった~。
喜んでくれてなによりだ。

そして食事が終わるとまた他人の名前が気になり始めたようだ。

「お前は秀夫か?」

「かつおや」

「あんたは誰な?」

「好子や」

「・・・・・。分からんが~」

そしてハルちゃんに向かって

「うめちゃんか?」

「チョコやで」

ハルちゃんは前回と同じトレーナーを着ていた。
が、茂造さんはちんぷんかんな顔をしている。
そりゃ前回のことを覚えているわけがない。

「ハルちゃんや」

「おお、ハルちゃんか!」

そして数くんに向かって

「お宅は誰かな?」

「ハルちゃんの夫です」

「お~ハルちゃんの旦那か!」

「あんた誰かな?」

「ハルや!」

また前回同様のループが始まった。
しかし一度も「綿子は?」とは言わない。
茂造さんの口から出てくるのは「秀夫」「うめちゃん」「為五郎」「フネ」だけだ。
やはり子供の頃の記憶が一番強く残っているのだろうか。
「かつお」どころか「綿子」も出てこないとは。
ちょっと悲しい。

続く
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昨日の続き

「それで月曜から入院したらええって言われたんやけど、よっちゃん月曜に連れてこれる?」

「えっ?月曜?」

そうなのだ。
かつおさんはまた明日から出張なのだ。
なので月曜日はいない。
いつも入院や退院時はかつおさんが対応していた。
いろんな書類を書いたりしないといけないし、実の息子の方が何かといい。
それに私も月曜はムリだ。

「急に月曜は休めんわ。外せん、仕事があるんや。明日ではダメなん?」

「分かった。聞いてみるわ」

「明日の午後から出張なんで月曜はムリなんですって頼んでみてよ」

「そう言うてみるわ」

一旦、電話を切り折り返しを待った。
しばらくしてまたかかってきた。

「日曜はスタッフが少ないから受入れが難しいんやって。けど今日だったら受入れしますって言うてくれて、このまま入院することになったわ」

「あー良かったー!さすが佐藤先生やな。ありがたいなぁ」

「それで今ばあさんが点滴しよるんやけどそれが終わったら病棟に移るんやって。なのでしばらく帰れんのや。じいさんの方はどうしようか?」

「急に連れて帰るのを中止したら向こうも困るやろ。お昼ご飯は止めてもらっとるやろうし。私が迎えに行くわ」

「そしたら頼むわ」

茂造さんの迎えなんかお安い御用だ。
月曜に仕事の段取りをつけて早退し、綿子さんを病院へ連れて行き、入院手続きをするのに比べたら雲泥の差だ。

両親に綿子さんが入院することになったんでと伝え、即行で家に送り届け、自宅に戻って来た。
茂造さんを迎えに行くならついでに綿子さんの入院用品を届けようかと思ったが、もうあまり時間がない。
早く迎えに行かないと施設のお昼ご飯の時間になってしまう。

ハルちゃんに電話をかけた。

「綿子さんが入院することになったんや。それでバタバタしとるんで悪いけど早めにこっち来てくれん?」

「ええよ」

良かったーーー!!!

茂造さんが帰宅するので顔を見に来てくれることにはなっていたのだが、2時過ぎの予定だった。
急きょ昼前から来てと言ったのだが、快く引き受けてくれた。
本当にありがたい。

続く
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12月9日 土曜日

今日はとても忙しくなりそうだ。
なので早めに起きて自分ちの用事をさっさと済ませようと朝からバタバタしていた。
2回目の洗濯物を干していると綿子さんがヨロヨロとやって来た。

「どしたんやばあさん!痛いんと違うんか?」

綿「そうや。痛うて、痛うて、トイレに行くのもつらいんや。だからお前にみどり整形に連れて行ってもらおうと思うて言いに来たんや」

「みどりに行ったって無駄やで。何もしてくれへんわ。それより今日は佐藤病院に行くぞ。薬もらいに行かな、もう薬が無くなるからの。9時になったら行くからの」

綿「そうか、佐藤さんに行くんか」

「そうや。痛み止めも佐藤さんで出してくれるわ。それまで寝とけ。フラフラやないか。家までついて行ってやるわ」

かつおさんは綿子さんを家まで送って行った。
やはり痛みが酷くなっているようだ。
そこでわたしは今回の経緯をレポート用紙に書きだした。
11月26日にシルバーカーを押して買い物に行き、帰り道で転倒したこと。
当日と翌朝はいつも通りに歩いていたが、夕方から痛みが酷くなったようで歩きかねるようになったこと。
なので翌、火曜日にみどり整形を受診し、MRIも撮ったが骨折は無かったこと。
歩きかねているので入院をお願いしたら「夜は付き添いを」と体よく断られたこと。
仕方ないのでケアマネにショートステイをお願いしたら「急にはムリ」と断られ、デイサービスで様子を見てもらうことになったこと。
普段、月~金の週5回だが土、日も受け入れてもらったこと。
今週月曜くらいから大分マシになっていたのだが、昨日からまた調子が悪そうなこと。
以上のことを書いておいた。
かつおさんの説明能力の低さは折り紙付きだ。
ちゃんと順を追って正確に伝えられるとは思えないのでこうして紙に書いたのだ。
「これを見ながら説明するなり、直接先生に読んでもらうなりして」とかつおさんに渡した。

そしてわたしは実家へ向かった。
両親には「今日は11時までには家に戻りたいからさっさと買い物してな」とお願いし、スーパーへ向かった。
買い物をしているとかつおさんから電話がかかってきた。
あのメモを佐藤先生に見せたそうだ。
すると先生が「この様子では家に居るのは大変でしょう。施設に入れるまで、うちに入院したらいいですよ」と言ってくださったそうだ。
やはり佐藤先生は神だ!!
神は佐藤先生だった

続く


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