かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2024年01月

昨日の続き

「ところで近いうちに綿子さんのお家を見せていただきたいのですが」

「はあ」

「お家に戻った時に危ない箇所の確認などをして計画書を作るんです」

そう言えば茂造さんが入所した時も同じように見に来られたっけ。

「ああ、以前もじいさんの時に来られましたね。家に戻るかどうかは分からなくても建前としてやらないといけないやつですね」

「まあ、そうです。綿子さんは家に戻ることは考えて無いんですか?」

「はい。もう一人にしておけないから入所することにしたんです。月曜から金曜はそちらのさくら苑さんにデイサービスに行っていたから良かったんですが、土日が問題でして。ボケているんで何をするか分からないんです。今回入院したのも日曜日に一人で買い物に行って転んでケガしたからなんです。
シルバーカーを押してビッグまで買い物に行って、帰りに足がもつれて転んだんです」

「ええっ!ビッグですか?かなり遠いでしょう?」

「そうなんです!片道1.5㎞もあるんですよ。ビックリでしょう!しかも前日に食料品を届けてあったから絶対必要なものがあった訳ではないんです。もうやりたいと思ったら止まらないんです」

「それでケガして病院に連れて行ってくれとか言うから困るんです。それでケガをした時はいつもみどり整形へ連れて行ってたんです。そこで入院させてもらってたんですけど、今回みどり整形に入院を断られまして。多分、言う事を聞かないんで嫌われたんだと思います。それで本当に困ったんです。仕方ないんでケアマネにショートステイをお願いしてみたんですけど、前もってじゃなくて急にだとショートステイも預かってもらえなくて。結局こちらの佐藤先生が入院させてくれたので本当に助かりました」

「ばあさんはちょっと痛みが引いたらすぐ動き回るんです。養生するってことが出来ないんです。それに何回転んでケガをしても用心するってことができませんし、なので一人にしておけませんので、いくら元気でも家に帰る選択肢はありません!」

この話はこの間から色々な人に何度も話したので草野さんの耳にも入っているかもしれないが、直接言っておかないと。
これが切実な気持ちなのだ。
しっかり理解してもらわないと。
ここぞとばかりに必死で訴えた。

「はあ、分かりました。けれど一度お家は見させていただかないと」

「はい。え~と来週は出張なんで1週間居りませんが、次の週なら大丈夫です」

「それではリハビリ担当の者も一緒に伺わせてもらいますので日程が決まったらご連絡しますね」

「はい」

ちゃんと草野さんに伝わっただろうか?
伝わったと信じたい。
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引き続き1月20日のこと

佐藤病院で田中先生との面談を終えるとまたいぶきの森へ戻った。
しばらく待つと綿子さんの担当になったという草野マネージャーがやってきた。
草野マネージャーは4階フロアの担当マネージャーなんだそうだ。
そう、いぶきの森では各フロアごとに担当マネージャーが居るシステムなんだそうだ。
茂造さんの担当の畑田マネージャーは2階フロアの担当ということだ。
ということで綿子さんは4階に入所することになったようだ。
草野マネージャーも茂造さんが2階に入所していることは知っていて

「もうご存じだと思いますのでザッと説明させてもらいますね」

と言って、入所の契約にあたっての説明を始めた。
ほとんど分かっていることばかりなので特に質問もなくスムーズに進んでいった。
一通り説明が終わると次は草野マネージャーから色々質問を受けた。

「2階にご主人がいらっしゃいますが時々面会する機会を設けましょうか?」

「いえ、会いたがらないと思います。なので別のフロアにしていただいたくらいですから。本人はじいさんと同じ施設は絶対嫌やってずっと言ってましたから」

「そうですか。では、本人が希望したらということにしましょうか」

「そうですね。希望することは無いと思いますが」

「綿子さんが嫌がらなければ2階に入ってもらえればこちらも良かったんですけどね。2階には実の姉の米さんもいますし」

「そうですね。米さんには会わせた方がいいですか?」

「茂造さんには会わないようにして、米さんにだけ会うなんて事出来るんですか?」

「出来ますよ」

「なら、ぜひお願いします」

「米さんも喜ばれると思います。以前は姉妹で同室の方もいらっしゃったことがあるんですよ。また夫婦で別の階って方もちょこちょこおられます」

なるほど夫婦で別の階を希望するのはうちだけじゃないようだ。
長年一緒にいたら色々あるよね。
けれど子供からするとできれば仲良くしてほしい。
じゃないと面倒な用が倍増する。

続く
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1月20日 土曜日

午前11時前、かつおさんといぶきの森へ向かった。
実は昨日、いぶきの森からもう一つ連絡事項があった。
いぶきの森ではやっと毎月の利用料の支払いを口座振替で対応することになったそうだ。
なのでその手続きにお越しくださいという連絡があったのだ。
今までは受付で現金で支払わなければならなかった。
受付が開いているのは平日は9時から5時まで、土曜日は午前中のみなので、土曜日に支払いに行くしかなかった。
これからは口座に入金しとけば済むのでいつでもできる。断然楽だ。
とってもありがたい。
口座振替の口座は年金が振り込まれる口座を設定してくださいとの事だった。
その口座の通帳と印鑑を持って手続きに来てくださいと連絡を受けた。
なので11時30分の先生との面談の前にいぶきの森へ行った。
そして事務員さんの説明を聞き、口座振替の依頼書を一人につき2部、計4部記入した。
介護費用と、医療の費用は別々に引き落としになるそうだ。
ロビーで用紙を記入していると次々と人が来て事務員さんは大忙しだった。
みんなわたし達と同じ用件で来ていたようだ。
やはり土曜日じゃないと来られない人が大勢いたのだろう。
みんなも口座振替になってホッとしているだろう。

その後、佐藤病院へ向かった。
綿子の息子ですと伝えると、直ぐに診察室へ案内された。
そこにいたのは佐藤先生ではなく、副院長の田中先生だった。
そういえば茂造さんも入所してすぐおしっこが出なくなり導尿の管を入れたと聞いた時も担当の先生は佐藤先生ではなく違う先生になっていた。
佐藤先生は外来専門なのかな?
この田中先生も物腰の柔らかい先生だった。
そして丁寧に説明してくださった。
先生の前には胸部のレントゲン写真が2枚貼ってあった。

先生「こちらが正常な人のレントゲン写真で、こちらが綿子さんの物です。ここに映っているのが心臓ですが綿子さんのものは少し横に広がっています。でもこれは年相応のもので特に問題はないと思います。で、ここに黒い影がポツポツとあるのですが、これがちょっと気になるんです。なのでCT検査を受けていただきたいんです」

佐藤病院にCTの機械はない。
なので近くの大きな病院へ行って撮ってくるのだ。

先生「たぶん大丈夫だとは思うんですがレントゲンではよく分からないんです。CTならこれが何かハッキリすると思いますので一度撮りに行ってくださいませんか」

「分かりました」

先方の病院とも打ち合わせ、30日にCTを撮りに行くことに決まった。
明日から一週間、かつおさんは出張で不在なのでその次の週にしてもらったのだ。

結局、まだよく分からないが仕方ない。
変なものでなければいいなと思う。

それにしても相変わらずかつおさんは話をちゃんと聞いて無いじゃないか。
超音波検査なんかしてないじゃん。
もうちょっとしっかりしてよ。
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1月19日 金曜日

午前中、かつおさんからLINEが届いた。
見ると「ばあさん1月24日(水)いぶきの森に入所。付き添いは要らない。(行けないと説明)明日20日12時にいぶきの森に契約に行く、その時に準備物等の説明がある」と書いてあった。
とうとう決まったのか。
これで一安心だ。
先日のソーシャルワーカーとの話し合いの様子を聞いて以降、なんとなく大丈夫な気もしていたが、一抹の不安があった。
だが、これで本当に安心だ。

ホッとしていたら2時間後、またもかつおさんからLINEが届いた。
「また明日11時30分より佐藤病院でばあさんの受けた超音波検査で影があったので、先生よりその説明があるとか」

は?
マジ?
えっどうなるんだ?
入所は延期か?

急に暗雲が立ち込めてきた。

仕事から戻るとすぐかつおさんに詳しいことを聞いた。

「超音波検査で影ってどこ?おなか?」

「どこやったっけ?なんか言うとったけど忘れたわ」

相変わらず役に立たない。

「それで入所は延びるん?」

「いや、24日に移るのは決定や。朝から何回も電話がかかってきたんやけど取れんでな。やっと取ったら「24日にいぶきの森に移ります。で、来れますか?」って言われたんや。日曜から1週間出張なんですって言うたら「ならいいです」って。なんでよっちゃんも行かんでええで」

別に休みを取ってまで行くつもりはない。
どうせ行ったところで部屋には入れないのだから特に用も無いはずだ。

「それはええけど、影があるのに病院に居らんでええの?」

「いや、ばあさんが元気になって退屈でおれんって言うとるようなんや」

「そりゃ病院はすること無いからな。施設なら色々レクリエーションがあるもんな」

「向こうの人が言うには「本当は2月の頭から移ってもらおうと考えてたんですが、綿子さんが暇を持て余しているようなので24日から移ってもらうことにしたんです」やって」

「目に浮かぶようや」

「とにかく明日行って先生の話聞いたら分かるやろ」

「そやな。そしたら明日はわたしも一緒に行くわ」

「そうしてくれる?」

「いぶきの森で女の人はどんな服を着とるのかとか教えてもらいたいしな」

「おう、それがええ。わしでは分からん」

なんだか落ち着かないが明日になればハッキリするだろう。
ホントすんなり行かないものだ。
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1月15日 月曜日

昨日の日曜日、かつおさんは旧友と日帰り旅行に出かけた。
この旧友のカンちゃんはかつおさんの中学の頃からの親友で、とても気が合う友人だ。
お互い結婚して家庭を持ってからも毎年1回は機会を作って二人で遊びに行っている。
ただしコロナの間は控えていたので今回は久しぶりだ。
朝早くから出かけ、戻って来たのは日付が変わった夜中の2時過ぎだった。
とてもはずんだのだろう。
わたしはとても付き合いきれないので寝ていたので、今日の夕飯時に旅行での話を聞いた。

二人は九州まで足をのばしていたそうだ。
そして福岡でガンダムを見たそうだ。
が、二人がどこへ行って何をしたかはあまり興味がないので後は覚えていない。
それより面白かったのが、カンちゃんも介護で大変だったという話だ。

かつおさんはカンちゃんに再会して一番に「いや~やっと落ち着いたんや~。実はじいさんが入所して、ばあさんも今入院しとるからやっと自由に出かけられるようになったんや~」と言ったそうだ。

「二人ともボケて大変やったんや~」

カン「オレもや!」

「えっ⁉」

カンちゃんのお母さんも昨年施設に入所したそうだ。
お互いコロナで会えなかった間に親の介護と直面していたのだ。
カンちゃんのお父さんは早くに亡くなり、お母さんだけだ。
そしてカンちゃんは実家から少し離れた場所で奥さんと奥さんのお母さんと住んでいる。
こちらのお母さんはお元気だそうだ。
カンちゃんのお母さんは娘さん、カンちゃんの妹さんと一緒に暮らしていたが数年前から痴呆の症状が出て、デイサービスを利用したりして頑張ってきたが痴呆が進み、とうとう入所させたそうだ。
ケアマネや施設とのやり取りや介護保険の手続き等は主にカンちゃんがやっていたそうだ。
わたしはカンちゃんのお母さんに会ったのは一度きりなのでよく知らないが、かつおさんによると昔は看護婦さんをしていてしっかりした人だったそうだ。
だけど痴呆になるとどんどんわがままになり、人格が変わったそうだ。
そんな人でも痴呆には勝てないのか。
本当に残酷な病気だ。

そしてカンちゃんのお母さんは「かえで荘」というグループホームに入所しているそうだ。

「かえで荘ってあのかえで荘?」

「そうや。さくら荘の隣のあのかえで荘や。デイサービスはさくら荘に通っとったんやって」

「ええっ!!マジ?」

「ビックリやろ。世間は狭いわ」

さくら荘は茂造さんが入所するまで通っていたデイサービス施設だ。
痴呆の人ばかりのところだ。
カンちゃんのお母さんも昨年までそこに週3回通っていたそうだ。
茂造さんは週4回だったからきっとご一緒した日もあったに違いない。
そして今はさくら苑の系列のグループホームのかえで荘に入ったという事なんだそうだ。
茂造さんだって急に体調を崩さなければひょっとするとかえで荘にお世話になることになっていたかもしれない。
ま、かえで荘は利用料が高いからできれば避けたかったのだが。

それにしてもまさかニアミスしていたとは!
とにかく旅の最初から介護の話題で盛り上がったそうだ。
お互い似たような境遇だったことを知り、一体感が生まれたようだ。
今回の旅行はとてもいい息抜きになったようだ。
それにしても世間は狭い。
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