かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2024年09月

9月16日 月曜日

この週末は3連休。
日曜日はパスして今日面会に行った。
今日はかつおさんも一緒だ。

午後1時過ぎいぶきの森に着くと、いつもとなんだか様子が違う。
1階のホールにたくさん人がいた。
なんで?
よく見ると茂造さんがいる。
2階の入居者さんが入浴のために1階に降りてきているようだ。

いぶきの森では基本、祝日は入浴は中止で翌日とかに振替になる。
なので今日は入浴はないと思っていたのでちょっと驚いた。

茂造さんはテーブルに新聞をひろげて読んでいた。
夢中になっているようでスタッフさんが「ひ孫ちゃん達が来てくれたよ」と声をかけてくれたのだが、なかなか立ち上がらない。
何かに集中していると話が入って行かないようだ。
4、5回声をかけてようやく「えっ?そっち行くんか?」と言いながら立ち上がった。
スタッフさんに連れられロビーまで来るとかつおさんに気付いた。

「おお~かつおか!」

おっ⁉今日は調子がいいのか?
そしてゆうくんを見て「お~ゆうき来たんか~」
絶好調じゃないか!

ロビーのソファーに座り話をしたり、おやつを食べさせたりした。
明日は中秋の名月。
なので月見団子を持ってこようかと思ったが団子は危険かも?と思い、秋らしく栗の入ったカップケーキを持って来た。

「これは美味い!!」

かなりお気に召したようでなめるようにキレイに食べてくれた。
そうしてしばらく一緒にいるとだんだん怪しくなってきた。
またわたしやハルちゃんの名前の確認が始まる。
そしてかつおさんの名前もまた『秀夫』になってしまった。
来た時はちゃんと「かつお」って言っていたのに。
ほんの10分前のことなのに。
けどやっぱりゆうくんだけは分かる。
なんとも不思議な事だ。
ブログアイコン
↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村




9月12日 木曜日

今日も仕事の帰りにいぶきの森へ洗濯物の回収に行った。
前回、6時前に行くと食事が終わっていたのでその辺りを狙って行ってみた。
綿子さんのいる4階の方が食事が出るのが遅い。
なので前回と同じくらいならちょうど食事中かもと思ったのだ。
予想は見事的中!
綿子さんは正に食事中だった。
完全に背を向けている。
ラッキー!!
そそくさと部屋へ行き洗濯物を取り、着替えをタンスにしまった。
デイルームに戻るとまだ食事をしていた。
よしよし!
今日はこのまま帰ろう。
そして2階の茂造さんのところへ。
茂造さんは食事は終わっていたが歯磨きの最中だった。
茂造さんの横を素通りし部屋に入る。
そして洗濯物を回収しようとしたのだが洗濯物がない。
スタッフさんに「洗濯物がないんですけど今日は入浴しなかったんですか?」と尋ねてみた。

ス「あれ?いえ今日は入浴したはずです。間違えてあっちに持って行ったのかな?見て来ます」

しばらく待っていると「ありました」と戻って来た。

やはり間違えて物置で保管していたそうだ。
以前は相部屋の方が茂造さんの荷物を触ってどこかに持って行ってしまうからと物置で保管してくれていたのだが、その方が亡くなったので今は他の人と同じように部屋のタンスの上に置くようになっていた。
うっかり前のようにしてしまったのだろう。

ス「すいません」

「いえいえ」

そうだ。ちょうどいい。
気になっていたことを聞いてみよう。

「前に相部屋の方が茂造さんの物を触るから洗濯物を別で保管したりタンスを壁側に向けてるってお聞きしてたんですが、相部屋の方が代わって洗濯物はタンスの上に置くようになったんですが、タンスの向きは変わってないのはなぜなんですか?」

ス「あ~あれちょっと面倒ですよね。あれは茂造さんが時々便を漏らして、その便が付いた手で服を触ったりしないためなんですよ~」

なるほど、そういう事か!
便が漏れて服が汚れた時に着替えようと自分で服を取り出そうとしたら被害が拡大する恐れがあるという事なのね。
きっと何回かやったことがあるのだろう。
ひえ~~~、申し訳ない。
でもやっぱり聞いてみるものだ。
こんな理由とは全く思いもよらなかった。

「そうなんですね。色々申し訳ありません。よろしくお願いします」

疑問も解消されたし、さあ帰ろうと思ったらちょうど歯磨きを終えた茂造さんが立ち上がった。
部屋に戻ろうとしている。
スタッフさんが茂造さんに声をかけた。

ス「美味しかった?」

茂造さんはニコッと笑って

「美味かったーー!!」

と答えた。
こんなところが茂造さんが好かれるゆえんなのだと思う。

部屋へ向かって歩き始めた茂造さんにスタッフさんが

ス「あっ、ちょっと待って!入れ歯!」

すると茂造さんは立ち止まり「あ~」と大きな口を開けた。
スタッフさんが口に手を突っ込み入れ歯を回収した。

ス「はい。もうええよ」

「ありがとう」

やっぱり茂造さんは素直で可愛い。
ブログアイコン

↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村



9月9日 月曜日

今日も仕事の帰りにいぶきの森へ。
今日は茂造さんの洗濯物を回収するだけなのでとっても気が楽だ。
途中、ちょっと買い物に寄ったのでいぶきの森に着いたのは6時前だった。
2階に上がるともう食事は終わったようでデイルームは人がまばらだった。
茂造さんの姿は無かった。
もう部屋に戻ったんだろう。
ガラス扉を開けて中に入ると茂造さんの声が聞こえてきた。
姿は見えないが声が大きいのですぐわかる。
部屋に入ると照明をつけていないので薄暗い。
茂造さんはベッドで横になっていたがひたすら喋っていた。

「残さんと全部食べないかんのや。あとで腹が減ってもなんも食べられんのやから。ある時に食べとかな。ほぜくりかえしたもんもや。茶碗にの中をほぜくりかえしたのもちゃんと食べないかん。ズボンの上に落ちたのも拾って食べるんや。あ~~腹減ったの~~」

腹減ったってついさっき夕食食べたとこでしょうが。
今日のテーマは食事のようだ。
とにかく延々としゃべり続けている。
聞いていると面白くて吹き出しそうになる(笑)
隣のベッドの人は口を開けて寝ていた。
よくこんなうるさいところで寝られるもんだ。
やっぱり耳が遠いのだろう。

部屋を出るとスタッフさんが「いつもありがとうございます」と声をかけてくれた。

「いえいえ、こちらこそお世話になってありがとうございます。茂造さん、ひたすら喋ってますねぇ」

ス「そうなんです。この間、私が夜勤の時も一晩中喋ってたんですよ。あの日は寝てないんじゃないかな(笑)」

「どうもすいません」

ス「いえいえ、大丈夫ですよ」

「けど相部屋の方に悪くって」

ス「それは大丈夫です!」

スタッフさんはきっぱりと言い切った。
やはり耳が遠いのだろう。
そうじゃなきゃ寝れないよね。
ブログアイコン

↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村



昨日の続き

エレベーターで4階に上るといつもの席に綿子さんが座っているのが見えた。
相変わらず前ではなく横向きに座ってこちらが見えるように座っている。
なのですぐわたし達に気付いた。
すくっと立ってこちらに歩き始めた。
はやっ!!
するとスタッフさんがすかさずわたし達に声をかけてきた。

ス「綿子さん、この間歩行器からお自身のシルバーカーに替えたんですけど、やっぱりふらつきもあって危ないという事でまた歩行器に戻したんです。けれど本人さんが納得しなくって。「シルバーカーでええ」って言ってきかなくって。それで今日入浴している間に歩行器と入れ替えたんです。シルバーカーはそばに置いておくとそちらを使おうとするのでこちらで預からせていただきました」

「あら~そうなんですね。分かりました」

ス「それで今もの凄く機嫌が悪いんです。すみません」

「そうですか。こちらこそ申し訳ありません」

こうしてスタッフさんと話をしている間、綿子さんは近寄ってこなかった。
部屋へ行く廊下の途中で立ち止まってこちらをにらむような目で見ていた。
なるほどこのせいなのね。
かなり機嫌が悪そうだ。
みんなで部屋へ移動中、ゆうくんを見てやっと顔がほころんだ。
「来てくれたんか~」
しかし部屋に入ると途端にブツブツ文句を言い始めた

綿「もう嫌になるわ!!ほんまに!!私のいつも押しとるあの手押し車が無しんなったんや!」

「へぇ~。ま、でも名前書いてあるからそのうち出てくるやろ」

まともに相手はしない。
のらりくらりスルーだ。

綿「だけど✕✕✕✕✕✕・・・・」

ひたすらスタッフさん達の文句を言う。

綿「もうほんまにここが嫌になったわ。もう家に帰ろうかしら」

何をアホなことを!

綿「家に帰ったら毎日ゆうくんにも会えるし」

ハァ?
ありえんけど家に戻ったらゆうくんと会う頻度は減ると思うで。
ここにおるから来るんやん。
ここならこちらのペースで来れるからなんとか来れとんやん。
決して喜んで来ている訳じゃないんだから。
家で一人で生活できるんならしょっちゅう会いになんか行きませんて。
一人で家に居たらゆうくんのことで頭が一杯で、押しかけて来るようになるだろう。
そしたら嫌われて避けられるようになるのが目に見えている。
ゆうくんがいない頃でも何かとつまらない用を作って我が家に来てたもの。
間違いないだろう。
こう想像するだけでゾッとする。
想像するのも嫌だ。

「家に帰っても一人で生活出来んやろ。こんな歩きかねとるのにどうやって生活するん!」

つい強い口調で言ってしまう。

「そうやで。あんな段差だらけの家で生活出来んやろ」

ハルちゃんも追い打ちをかける。

綿「けど、ほんまに…」

まだ反論しようとしていた時だった。
ベッドに下ろしていたゆうくんがくるっと寝返りを披露した。

綿「うわ!今、寝返りしたで!」

「そうなんや。一昨日くらいから寝返りするようになったんや」

綿「うわ~凄いなぁ~」
ナイスだ

ゆうくんはうつぶせになり顔をあげて足をバタつかせている。
最近は「ぶーぶー」とよくしゃべる。
今日もぶーぶー言いながらよだれをボタボタ垂らしている。
綿子さんのベッドによだれのシミができている。

「あらあらベッドが濡れよるわ。ごめんな」

ハンカチで拭くが間に合わない。

綿「いやいや構わんで。ゆうくんのよだれがついたベッドで寝られるんなら嬉しいわ~」

綿子さんはすっかりご機嫌になっていた。
その後、シャインマスカットを食べさせ、かなり長い時間滞在したので大分落ち着いたと思う。
帰り際、エレベーターの前までついて来たのでその後のことは分からないが、来た時よりはマシになったんじゃないかと思う。
そうであって欲しい。

それにしても綿子さんも歳を取ってずい分頑固で人の言う事に耳を貸さなくなったなと思う。
今回のことも一度シルバーカーにしたもののやっぱり危ないからまたしばらくは歩行器を使いましょうと言うスタッフさんの言葉を素直に聞き入れれば何の問題も無かったことじゃないか。
それなのに「いや大丈夫や!こっちがええ!」と頑固な態度をとるから騙し討ちのようなことをせざるを得なかったんじゃないか。
それも綿子さんがまた転ばないようにと思ってしたことなのに。
ホント困ったもんだ。

それにしてもゆうくんはお手柄だ!
文句たらたら険悪な雰囲気の中、絶妙なタイミングで寝がえりを披露してくれて。
あれで一気に和やかなムードに変わった。
綿子さんの喜びようといったら。
またも「私の年金からこの子に何か買うてやってえくれの」を繰り返していた(笑)

そうそう和やかなムードの時、綿子さんがふと「かつおは?」と言った。

「かつおさんは熱が出て調子悪いんや。もう熱は下がったんやけど今週は来れんのや」

綿「そうな」

「ま、ゆうくんさえ来たらええやろ?」

綿「そうや」

どこまでもひ孫LOVEな綿子さんだった(笑)

↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


9月7日 土曜日

今日は夕方4時前にハルちゃんとゆうくんと三人で茂&綿の面会へ行った。
かつおさんは今週出張で不在だったのだが昨日帰宅した。
が、月曜から水曜まで熱が出ていたそうだ。
そして今も倦怠感が残っているということで自ら「わし隣で寝るわ」としばらく茂造さんちで過ごすことにしたのだった。
そのため二人の面会も行けないのだ。

今日は綿子さんが入浴する日だ。
下のホールにいればロビーで面会したらいいし、部屋への移動中でバタバタしていたら先に茂造さんの面会に行こうと考えていた。
いぶきの森に着くとホールは電気が消え誰も居なかった。
もう4階に移動してしまったのだろう。
けど時間的に4階に戻ったばかりで落ち着いていないかもしれないなと思い、やはり先に茂造さんを訪問することにした。

2階のガラス扉を開けるとスタッフさんが「こんにちは。茂造さん、今、部屋に戻ったところです」と声をかけてくれた。
部屋から茂造さんの声が聞こえる。
相変わらず独り言を言っているようだ。
部屋に入ると茂造さんはベッドで横になっているが何やらずーーっと喋っていた。

「茂造さん、こんにちは。ひ孫連れて来たで」

「え!!何?」

「ひ孫が会いに来たで」

「ゆうきか!」

「そうや」

「ほな起きようか」

ベッドに腰かけてベビーカーに乗ったゆうくんを眺めたが、ちょっと見にくい。
なのでゆうくんを降ろし茂造さんのベッドにおいた。
すると茂造さんは嬉しそうに「おお~大きんなったのぉ~」と手を握ったり足をなでたりした。

「今日はおやつにブドウ持って来たで。シャインマスカットや。食べる?」

「おう」

一粒口に入れると

「歯がないが」

と言った。
そうだった。
茂造さんは総入れ歯なんだけど普段は入れ歯を外していて、食事の時だけ入れるようにしているのだ。
施設の方針なのだが、なぜなのかは分からない。
4階の綿子さんも総入れ歯だがいつも入れ歯は入っている。
人によって対応が違うのか、フロアによって違うのか?
とにかく茂造さんは入れ歯が入ってないのでおやつを持って来た時はスタッフさんに入れ歯を持って来てもらわないといけない。
なのでなるべく歯がなくても食べられるもの、例えばプリンや桃などを持ってくるようにはしているのだがやっぱり旬の美味しいものも食べさせてあげたい。
シャインマスカットは歯がないと食べられないのに入れ歯を出してもらうのをすっかり忘れていた。
急いで入れ歯を取りに行こうとしたら気の利くスタッフさんが持って来てくれた。
「歯がないが」と言ったのが聞こえたようだ。
即、持って来てくれたのだ。
さすが!!
茂造さんは入れ歯を入れてしっかりシャインマスカットを食べた。

「美味い!!」

それは良かった。
さあ、次は綿子さんのところだ。

続く
ブログアイコン

↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村



↑このページのトップヘ