かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2024年10月

2階でエレベーターを降りるとここでも演歌が流れていた。
そしてこちらも4階と同様にデイルームに人が大勢いた。
同じタイミングで同じDVDが流れているようだ。

茂造さんは演歌にあまり興味が無いようでテレビ画面に背を向けて座っていた。

「茂造さん、こんにちは」

「おっ!ゆうきか!」

良かった。今日は調子良さそうだ。

「わし、写真持っとるんや。見るか?」

ズボンのポケットからゆうくんのアルバムを取り出した。

「あら、ほんま。いつもこれ見よん?」

「おう。こうやって見よるんや」

やっぱり今日は調子いいいじゃないか。
ホッとした。

「すいません、一つお願いがあるんです」

振り返ると看護スタッフの大井さんが立っていた。

「なんでしょう?」

大井「茂造さんが使っているそのカゴなんですけど、長く使っているのでもうボロボロになっっちゃってて。新しいものを用意してほしいんです」

茂造さんは自力でおしっこが出なくなって以来、ずっと導尿の管を入れていてその尿が溜まるバッグをカゴに入れている。
そして移動するときはいつもそのカゴを手に持って移動しているのだ。

大井「今のカゴは施設のをお貸ししていたんですけど、ずっと使うものですし、次はご家族様の方で用意していただきたいんです。100円均一のもので大丈夫ですのでお願いできますか?」

「わかりました。次までに買ってきます」

大井「よろしくお願いします」

明日にでも適当なものを買って来なくては。

大井「茂造さん、ひ孫ちゃん来てくれて良かったなぁ」

「へえ。けど今日は抱かん!」

はいはい、けど結局は抱くくせに。
いつもとりあえず拒否るのはなんでだろう?
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さあ次は2階の茂造さんのところだ。
実は翔ちゃんは茂造さんの面会は渋っていた。

「ばあさんは俺のこと分かるからええけど、じいさんは行っても俺のこと分からんのに行ってもしゃあないやん。行く意味ある?」

そりゃそうだ。
面会に行って喜んでくれるなら行く気ににもなるが誰か分からないし、翔ちゃんだと説明しても1分後には忘れるものね。
けどいつもお腹を空かせている茂造さんにおやつを食べさせたいから行くんです!

そうそう先日、茂造さんがおかしかったことを翔ちゃんに話した。

「へぇ~じいさんってそっちの方は全く興味ないんやと思っとったわ。そんなエロ話とかも一回も聞いたことないし」

そういえばそうだ。
茂造さんが下ネタやエロ話をしてるのを見たことも聞いたこともなかった。
だからこそこの間は本当にびっくりした。

「ほんま、ボケるって怖いなぁ。俺、長生きはしたいけどボケるのは絶対にイヤや!」

同感です。
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昨日の続き

その後は綿子さんの相手はかつおさんと翔ちゃんとゆうくんに任せ、わたしは昨日の靴のことをスタッフさんに聞きに行った。
部屋を出るとちょうどスタッフさんが立っていた。
綿子さんの部屋のすぐ斜め前にトイレがある。
そこを利用する入所者さんに付き添って来ていたのだ。
用を足して出てくるまで廊下で待機していたのだった。
ちょうどいい

「すいません、ちょっとお聞きしたいんですけど、昨日持ち帰った洗濯物の袋を開けたら中に靴が入ってたんです。先日まで履いていた靴が。スタッフさんの方で替えてくれたんですかね?以前、靴の交換は家族でやってくれって、それで交換したら報告してくれってお聞きしてたんですけど、変わったんですか?」

ス「えっ?そうなんですか?いえ、やり方は変わってません。ご家族様に交換してもらうことになってます。あれ?ちょっと確認してきます」

「いえいえ、そしたら詰め所の方で聞いてみます」

このスタッフさんがここを離れるのは良くないだろう。
結局詰め所にいたスタッフさんにもう一度同じ質問をしてみた。
するとやっぱり同じ回答で靴の交換は家族がする事になっているそうだ。
交換したと報告を受けたら交換日を記入する表があるのでそれを確認してくれた。

ス「昨日、交換したみたいです。あれ?なんでだろう?間違えたのかな?混乱させてしまってごめんなさいね」

「ではまた来月は私どもが交換したらいいんですね」

ス「はい、お願いします」

家族が頻繁に面会に来れない家は洗濯を業者に依頼しているそうだ。
靴も業者に頼むそうだ。
そういう人の靴はスタッフが交換する。
綿子さんの靴も業者に出すと勘違いして交換してしまったが、そうじゃないと気付いてタンスの上に置いていたという事かな?
多分そういう事だろう。
なのでタンスの上にナイロン袋が2つあったのね。
水曜日の洗濯物は綿子さんが勝手にタンスの中に入れてしまっていたという事のようだ。
綿子さんは綿子さんでこれまた勝手なことをするから混乱するじゃないか。
みんな決まったルール通りにしてくれよ!
とにかく疑問は解決した。

さあ次は茂造さんのところへ行こう。
別れ際、いつものようにエレベーターの前まで見送りにきた綿子さんは今回も窓際まで進み、翔ちゃんに花を見せていた。

綿「これ私が植えたんや」

「キレイやな」

綿「どれがばあちゃんが植えた花か分かるか?」

「右から2番目やろ」

綿「なんで知っとんや?」

「名前があるやん」

綿「あっほんまや」

コントかよ!(笑)
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昨日の続き

その後、持って来た柿を出した。
柿は綿子さんの大好物だ。
1個を剥いて茂造さんと半分こだ。
タッパーには4切入っていた。
綿子さんは柿を見ると「うわ~柿か~私大好きなんや~」と喜んだ。
1切食べると「うわ~美味しいわ~」と感激している。
そして

綿「あとはみんなと食べるわ。いやな、隣の部屋の人に世話になっとるんや」

また始まった。

「だから!他の人に食べ物は絶対にあげたらいかんのやって!綿子さんも貰ったことないやろ」

綿「ほうな」

とても残念そうな顔をする。
困ったもんだ。

「もう食べんの?」

綿「そしたらもう一つ食べようか」

そして残りは2切。

綿「これ置いといて明日食べるわ」

「いや、それは」

綿「今、全部食べてしまうのはもったいないわ。明日の楽しみに置いとくんや。ここはこんなん全然出んから」

結局今回も2切の柿を置いて帰った。
隣の部屋の仲良しさんにあげたりしないだろうか?
一抹の不安が残ったが仕方ない。
今度からもっと少ない量にしよう。

「ところで綿子さん、手押し車出てきたんやな」

綿「えっ?」

「ほら、これ綿子さんのやつやろ」

綿「ああこれな。どこにあったんか知らんけど出てきたんや」

「良かったな」

綿子さんはシルバーカーが出てきて喜んでいるというより、なかなか見つからなかったことが不服な様子だった。
ま、何はともあれ元通りになったんだからしばらく無かったことは忘れて欲しい。
スタッフに対する不信感も忘れて欲しい。
けどこういうことは忘れないのよねぇ。
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10月12日 土曜日

今日は翔ちゃんがやって来た。
久しぶりに茂&綿に顔を見せに行くためだ。
という事で3時くらいから翔ちゃんとかつおさんとゆうくんと4人で面会に行った。
綿子さんは昨日入浴したそうなので時間を気にせず訪問できた。

まずは4階の綿子さんのもとへ。
エレベーターを降りると結構なボリュームで演歌が流れていた。
デイルームには人がいっぱいだ。
テレビの画面に演歌歌手が映っていた。
みなさんやっぱり演歌が好きなのね。
綿子さんも大好きだ。
歌うのも好きで昔は歌を習いに行ったりもしていた。
なので結構上手い。

せっかく楽しんでいるところだったのに悪いなぁ。
けど綿子さんはゆうくんに気づくとすぐ立ち上がり嬉しそうに寄って来た。

綿「来てくれたんか~」

そして翔ちゃんに気づくと「翔ちゃんも来てくれたんか~」と大喜びだ。
と、そこで気付いたのだが綿子さんが手にしていたのはシルバーカーだった。
とうとう歩行器は卒業したようだ。

それからみんなで部屋へ移動した。
今日は部屋は空だったので気兼ねせずにゆっくり話せた。
いつものようにゆうくんをベッドに乗せると、すぐさま寝返りをする。
綿子さんは「素早くなったなぁ」と目を細めていた。
そして翔ちゃんに向かって

綿「まさか翔ちゃんに会えると思わなんだわ。ありがとのぉ」

と言った。
そしてかつおさんに

綿「この子に私に年金から少しでも小遣いを」

と言いかけたところで

「おれ、この間誕生日やったんや」

綿「ああそうか。10月やの。そしたら私の年金から1万やっといてくれ、かつお」

「ありがとう!」

翔ちゃんさてはこれが目的やったな!

「ハルちゃんも先月誕生日やったんや。それにおかんももうすぐ誕生日や」

綿「そしたらハルちゃんと好子さんにも1万ずつ渡してくれ」

「ありがとう」

あら、翔ちゃんのおかげで思わぬ臨時収入だ。
サンキュー!翔ちゃん。

「わしは6月が誕生日やったんや」

綿「・・・・」

華麗にスルーされたのだった(笑)

綿「翔ちゃん、なんぼになったん?」

「31や」

綿「もう早よ結婚せな!付き合いよる人はおるんか?」

「今はおらん。まあちょっと待ってくれ!2~3年の内には結婚するから~」

1万円の代償は痛かったようだ(笑)
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