かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

2024年10月

いぶきの森に着き、受付カードを記入しているとホールに綿子さんが居るのが見えた。
スタッフさんがわたし達に気付いたようだ。
綿子さんに声をかけている。
綿子さんはこちらを見て驚いていた。
いつもなら面会は大抵日曜日だし、麦さんも一緒だから驚くのも無理もない。
その上大好きなゆうくんも連れてきていたので早速顔を手で覆っている(笑)

綿「来てくれたんか~」

みんなでホール横のロビーのテーブルについて話をした。

「綿ちゃん元気~。久しぶりやなぁ~」

綿「よう来てくれたのぉ。ありがとなぁ」

「かつおちゃんが誘ってくれたんや」

綿「ほうか。なんか今日は皆が来るんでないかと思とったんや~」

なんだか調子のいい事言っている。

「ゆうくん大きんなったなぁ。ひ孫に会うんが楽しみやろ~」

綿「そうなんや~。こうやってよう連れてきてくれてなぁ。いっぺん抱いてこの辺を歩いてみたいと思いよるんやけど」

「それはムリやわ」

その通り!
そんな恐ろしい事できません。
歩行器に掴まって歩いているのに赤ちゃんを抱いて杖もなしで歩くなんで無謀だ。
転んでゆうくんがケガをしたらどうする。
けどこの間から何度もこんなことを言っているのだ。
麦さんがハッキリ「ムリ!」と言ってくれてちょっとスカッとした。

その後も和やかに会話が続き、ひと段落したところで麦さん特製の栗おこわを出した。

「綿ちゃんに食べてもらおうと思うて作ってきたんや~」

綿「うわ~美味しそうや~」

「食べて、食べて!」

一口食べると

綿「美味しいわ~」

と涙ぐむ。
麦さんは以前もよく栗おこわを作って持って来てくれていた。
なので懐かしい味でもあると思う。

「栗は皮剥くのが大変やろ」

「いいや、私、栗の皮剥くのが趣味なんや。食べるのはどっちでもええんや。とにかく剥くのが大好きなんや」

「へぇ~~」

変わった趣味だ…。
けどそのおかげで栗おこわを頂けるんだからありがたい(笑)

綿子さんは分分くらい食べると「あとは置いとこうか」と言い出した。

「いやいや、今食べてしまってよ。残ったら持って帰るから。もう食べれんの?」

昼食後であまりお腹が減ってないのかな?

綿「いや、食べれん訳ではないんや。美味しいから明日も食べたいなぁと思うて」

「それはダメなんや」

綿「そうな。そしたら食べてしまおうか」

また食べ始めた。
そして残り3分の1くらいになると

綿「ここで出るご飯はいつもこれくらいなんや」

と言った。
そう言えば前にも「ごはんが少ないんや。3口で無くなるんや」って言ってたっけ。
とにかく食べ物に飢えている感じだ。
ちゃんとカロリー計算された食事が出ているはずだが、今まで好きなものを好きなだけ食べていた人にとってはかなり少なくてひもじく感じるのかな。
結局綿子さんは栗おこわを完食した。

綿「ほんま美味しかったわ~」

麦さん、またお願いします!
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9月21日 土曜日

木曜日、麦さんから「土曜日にお米を取りに行きたいんだけどいいかな?」と連絡があった。
もちろん!
「もしよかったら一緒に綿子さんの面会に行く?」と誘ったら、二つ返事で「行く!行く!」と言ってくれた。
という事で午後1時過ぎに麦さんがやって来た。
綿子さんと茂造さんに食べさせたいと麦さん特製の栗おこわを持って来てくれた。
が、かなり量が多い。
一応、木曜日に「栗おこわを持って行っていいか?」と尋ねられたので「少しなら」と返事していたのだが明らかに多い。

「麦さんこれちょっと多いわ。悪いけど減らしてもええかな?」

「ありゃ~これでも多いんな?」

「面会中に食べきれる量でないといかんのや」

「ホンマな。そら、これはいっぺんに食べきるのは無理やな」

「ごめんな」

麦さんには悪いがお茶椀1杯程度をタッパーに詰め直した。
やはり皆、美味しいものをたくさん持って行ってあげたくなる。
そうそう頻繁には行けないのもあるし。
けど食べきれる量にしておかないと危険だという事も分かる。
傷んでもいけないし、他の入所者にあげたりしてもいけない。
やはり目が届く範囲でしか食べさせられない。

さあ、準備できたから行こうか。

「ところでかつおさん、綿子さん何時ごろお風呂に入るって言うとった?」

「あっ!電話するの忘れとった!」

マジか!
今日は綿子さん達4階フロアの入所者さん達の入浴日だ。
入浴日は11時頃から1階のホールに降りてきて過ごすことになっている。
まず昼食を食べ、その後順番にお風呂に入るのだ。
30人近くいるので早い人は1時前からお風呂に入るし遅い人は3時過ぎになる。
なので前もって何時頃お風呂に入るのか聞いといてとかつおさんに頼んでいたのだ。
相変わらずボケボケのかつおさんは連絡するのを忘れていたらしい。

「今から電話かけるわ」

急いで電話をかけていた。

「まだ風呂入ってないって。今からすぐ行きますって言うといたわ」

慌てていぶきの森へ向かったのだった。
ほんまちゃんとしろよ!
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9月19日 木曜日

今日はかつおさんがいぶきの森へ洗濯物の回収に行った。
まずは4階の綿子さんのもとへ。
今日は残業をしたためいつもより遅い時間になったそうだ。
そのため食事はとっくに終わっていて、綿子さんは部屋のベッドで横になってテレビを見ていたそうだ。
片耳のイヤホンなのだがかつおさんが来たことに全然気づかなかったそうだ。
なので先に用事を済まそうと洗濯物を入れ替えた後で声をかけた。

「おう、ばあさん」

綿子さんはビクッとして驚いたそうだ。
テレビに夢中だったのか?
やはり耳が悪くなっているのか?
聴覚に限らずいろんなものが鈍くなってきているようだ。

綿「来てくれたんか~。いつもすまんのぉ~」

「おう。ほなの」

あっさりした会話を交わし、さっさと部屋を出たそうだ。
そうそう、あいかわらずテレビは付けている時間でお金をとられると思っているようで仕切りのカーテンで覆って隠すようにしていたそうだ。
やはり思いこみの訂正は難しいようだ。

その後2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんも部屋で横になっていたそうだ。
この時間、スタッフさんも割と手が空いているのか一緒に部屋に入ってきて茂造さんに声をかけたそうだ。

ス「茂造さん、息子さんが来てくれたで」

かつおさんは内心『いや、声かけてくれんでええのに』と思ったそうだが仕方ない。

「おお~秀夫か」

ガクッ!
また秀夫かい!

「かつおや。洗濯物を取りに来たんや」

「ほうか」

「じいさんは寝とったらええぞ。ほなの」

さっさと洗濯物を入れ替えて部屋を出たそうだ。
すると茂造さんは起き上がり、おしっこのバッグが入ったカゴを手に持ちついてきたそうだ。
そしてガラス扉の所まで来て「気をつけて帰れよ」と言ってくれたそうだ。
マジ⁈
やるやん茂造さん!
かつおさんは一緒に家に帰ると言い出すのではと思い、どうしようとグルグル考えていたのでびっくりしたそうだ。
その分、気遣いの言葉が嬉しかったようだ。
帰って来たかつおさんはとても嬉しそうに話してくれた。
いつもこんなだったらいいのにね。
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昨日の続き

その後、テレビの話に。

「綿子さん、テレビはよう見よるん?」

綿「いや、一日一時間以内にしようと思うとんや。夜になったらここの人がテレビ見よるかチェックしに来るんや。ついとったらお金とられるやろ。だから8時前には消すようにしよんや。そこのカーテンのところからこそっと見るんやがな」

何を訳の分からないことを!!
いぶきの森ではテレビに限らず電化製品を持ち込んだら1ヶ月1000円の電気代を徴収されることになっている。
何時間テレビをつけていようが1000円だ。
テレビを持って来た当初、説明したじゃないか。
1000円とは伝えてないけど。
それよりテレビが付いているかスタッフがチェックしてお金を請求してくるってなんやねんそのシステム!!
こんなアホなことを本気で思いこんでいるところが悲しい。

「いや、料金は1カ月単位やから一日中付けっぱなしでも金額は一緒やから。だから好きなだけ見たらええんやで」

綿「ホンマな⁉いや~まだ見たいなぁと思うてもここの人に見つかったらようけお金とられると思うて消しよったんや。え~ホンマな?」

「ホンマや」

「だからしっかり見たらええで」

ちゃんと理解しただろうか?
明日になったら忘れているかも知れないなぁ。
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昨日の続き

おやつを食べ終わるとまたグチが始まった。

綿「私の手押し車がまだ出てこんのや。ここの人が探しとくわって言うたんやけどあれからあったとも無かったとも言うて来んのや。ほんまに探してくれよるんやろか?私もウロウロ歩いて見て回ったりしたんやけど無いんやが。もう出てこんかもしれんわ。そしたらかつおにまた買うてきてもらわないかんと思うとんや。ナンボするんか知らんけど、結構高いかも知れんけど無いと困るが」

シルバーカーの件は落ち着いたのかと思ったがまだこだわっていたようだ。

「いやいや、そんなに心配せんでも名前も書いとるからそのうち出てくるわ。それに今は歩行器を貸してくれとるんやから手押し車が無くてもええやん。手押し車より歩行器の方が楽やろ」

「そうやん。歩行器の方が高さもあって、もたれて歩けるからええやん」

綿「そうや。こっちの方が楽なんや。けどお金が要るやろが」

ハァ?
歩行器を使うと料金が発生すると思っているのか?

綿「これはここのやから、これを使うとったらお金とられるやろ?」

「いやいや、これはお金要らんのやで。そやから貸してくれとる間はこれを使ったらええんやで」

綿「そうなん?」

「そうそう!」

まさかお金の心配をしていたとは!
びっくりした。
けど説明したからこれからは文句を言わずに歩行器を使ってくれるかな?
そうなりますように。
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