昨日の続き

綿子さんがなんで大北氏が来ることを知ってるんだ?
もしかしてハガキを見たのかも?
そういえばハガキに転送シールが貼ってなかった。
綿子家宛ての郵便物はうちに届くように郵便局に転送届を出してある。
転送になった郵便物には転送シールが貼ってあるんだけど、今回届いたハガキにはシールが無かった。
番地は綿子家のものだったが宛名がかつおになっていたからうちに届いたのかと思っていたが、そうではなかったようだ。
きっと綿子さんちのポストに届いていたのだろう。
そして宛名がかつおだったので綿子さんがうちのポストに入れたんじゃなかろうか。
そのときに読んだんだと思う。
で、土曜日に来ると書いてあったのだが、月曜日に来ると思い違いをしたのだろう。
たぶんそういうことだろう。
郵便局は時々こうやってチョンボをする。
一番チョンボをしないで欲しい時に限ってチョンボをするなんて。
しっかりしてくれ!

それよりどうやってごまかそうか。
かつおさんはあきらかに動揺している。

「えっ?大北?えっ?えっ?来るんか?」

目が泳いでいる。

「誰が大北が来るって言うたんや?誰に聞いたんや?」

綿「えっ?いや~~~~。ま、ま、前に来た時に言うとったが」

前に来た時って約1年前やん。
綿子さんも動揺している。
ハガキを見たとは言えないようだ。

「前に来た時っていったい何時のことや?それでなんで明日来るって分かるんや?」

おい!明日って言うな!
綿子さんは月曜と思い込んでいるのに!
幸い、綿子さんに明日?と突っ込まれることはなかった。

綿「お前、聞いてないんか?」

「何のことや?オカンは何で来ると思ったんや?」

綿「いや、前に来た時に言うとったが」

だから!いったい何時の事やねん!
もうちょっとマシな嘘をつけよ。

動揺した二人の間抜けなやりとりが続いた。
お互い隠し事があるのでごまかすのに必死だ。
かつおさんはすがるような目でわたしを見てくる。
しゃあないなぁ。
あまり口を挟みたくなかったんだが。

「前に来た時に言うとったんやったら、1年前の事やん。それやったらホントに月曜日に来るかどうか分からんやん。来るかどうか分からんのにデイサービス休むことないやん。それに前から「いつまで来るんや!」って言うとったぐらいやのにわざわざ休まんでもええやん」

「そうや!デイサービス休むことないが」

綿「ほうか~」

綿子さんの言葉を逆手にとって強引に話を終わらせた。
ふぅ~~~~。

まさか綿子さんがあのハガキを読んでいたとは夢にも思ってなかったのでかなり焦ったが、なんとかごまかせた。
かな?
これで大北氏が土曜日に来なかったらこの件は終わる。
来ないことを祈るばかりだ。
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