昨日の続き

あいかわらず嬉しくて泣いている綿子さんに

「また外出がOKになったら赤ちゃんにも会えるからな」

そう言っていると、そばにいたスタッフさんが「もう外出も外泊もOKになってますよ」と言った。

えっ⁉なんだって!
そんな事聞いてないで!
昨日、ゴールデンウイークの面会予約の件で電話した時もそんなこと一言も言ってなかったのに。
もうずいぶん前から時々「まだ外出許可は下りませんか?」と尋ねていた。
その度に「まだなんです。許可が下りたらこちらからお伝えしますから」と言われていたので、こちらから何度も聞くのも躊躇われ、聞かないようにしていたのだ。
OKになったのなら早く言ってよ!!

そして面会時に外へ散歩に連れ出すのもOKになっていた。
それだって前もって聞いていたら、今日だっておやつを持って来たのに。
仕方がないので散歩をしながら自動販売機がある所まで行き、桃のジュースを買った。
綿子さんは「うわ~~嬉しい~!」と目を輝かせた。
いぶきの森ではこういった甘いものはほとんど口に出来ないのだ。
シルバーカーを椅子代わりにして腰掛け、ジュースを飲んでもらった。
「美味しいわ~~」
本当に嬉しそうだ。

そしてまたハルちゃんや赤ちゃんの話題となった。

「ハルちゃんは妊娠初期からつわりが酷くてな、10㎏以上も痩せたんや。それで入院したりもしたんや。そんなかったから赤ちゃんもどうなるか分からんで、なかなか言えんかったんや。ゴメンな」

すると綿子さんは

綿「お前の時もそうやったんや」

かつおさんを見ながらそう言った。

綿「わたしもかつおの時も典夫の時もつわりが酷うてなぁ。ず~っと吐いとったんや」

「そうやったんか」

綿「ハルちゃんもしんどかったやろなぁ」

しみじみと言った。

綿「ところでかつお、私いつ家に帰ろうかの?」

「えっ?家に帰っても一人やったら怖いんやろが。それにわしらもしばらくは忙しいからのぉ」

綿「ほうか」

「さぁそろそろ戻らんと。面会時間とっくに過ぎとるわ」

まあまあ上手くかわせた気がする。

いぶきの森に戻っていると

綿「私の年金からハルちゃんにお祝いを渡しといてくれるんな」

「いくら渡したらええ?」

綿「好子さんが決めてくれたらええから」

「そしたらわしに10万で、よっちゃんに10万で、ハルちゃんに・・・・」

綿「5万渡しといてくれ」

被せるように言った。
かつおさんが要らんでええ事を言うから5万に決定したのだった。

続く
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