ひき続き27日のこと

綿子さんと別れた後、2階で茂造さんの洗濯物を回収し、またエレベーターに乗った。

エレベーターの中にはスタッフさんが乗っていた。
初めて見る方だったけど、向こうはわたしのことが分かるようで
「いつもご苦労様です。まめにお世話されてすごいわぁ」
と声をかけてくれた。
荷物を見て茂&綿の家の者だと分かったのかな?

「とんでもないです。二人がお世話になりましてありがとうございます」

ス「いちいち部屋まで行かないといけなくなったから大変ですね」

「そうなんです。でも茂造さんはわたしのこと分からないんでさっさと洗濯物だけ取って帰れますから」

ス「あら娘さんのことも分からないんですか?」

「まあ、義理ですからね」

ス「えっ!義理なんですか⁈いや実の親子だと思ってました」

「いえいえ、義理ですよ!主人の親なんです」

ス「いや~綿子さんと似てるからてっきり実の親子だと思ってました」

「ええ~!似てます?」

マジか!
そんなこと言われたの初めてなんだけど。

ス「なんとなく雰囲気が似てるからそう思ってました」

「いえいえ、義理なんですよ!」

しっかり強調した。
ここに来るときはマスクをつけているし顔が似てるとかではなく雰囲気が似てると思ったという事ね。
けどなんか複雑な気分だ。

ス「いや義理なのによくお世話されて偉いですね~」

「主人は出張が多くていないことが多いんでねぇ。しょうがないんです(笑)今は田んぼも忙しくって」

ス「田植えですか?」

「そうです」

ス「そういえば去年の6月頃は茂造さんが「田植えせないかんから家に帰らないかんのや!」ってよく言ってました。ボケてもそういう事は体に染みついてて忘れないものなんですねぇ」

「へぇ~~。その節はご迷惑をおかけしました」

昨年の6月頃は「家に帰るんや!」としょっちゅう大騒ぎしていた頃だ。
マネージャーの畑田さんから「次の入所先は見つかりましたか?」って催促されてたっけ。
あれからもう1年もたったのか。
はやいものだ。
茂造さんはだんだん家には帰れないことを理解して大騒ぎしなくなったので退所しなくてすんだのだ。
本当に良かった。

ス「今は落ち着いてますよ。今でも「いつ家に帰れるんや?」とは言いますけどこれはもう挨拶みたいなものですからね(笑)」

なかなか話のしやすい方だ。
なのでいろいろ気になっていたことを聞いてみた。

続く
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