昨日の続き

持って来たおやつのスイカを出した。
綿子さんは「うわ~~!」ととても喜んだ。
寝たままでは食べずらいだろう。
ベッドを起こそうとスイッチを探したがない。
このベッドリクライニング機能はあるが電動ではなく手動タイプのものだった。
足元にレバーがあってそれをぐるぐる回すと上がったり下がったりする。
とりあえずゆっくり回してベッドを起こした。
けれど30度くらい起こすとイタタと言い出した。
これが限界のようだ。
これじゃやっぱり食べずらい。
つーかこれが限界

「かつおさん、食べさせてあげなよ」

「おう。ばあさん、わしが食べさせてやるわ」

かつおさんがスイカをフォークに刺して綿子さんの口元に運ぶ。

綿「うわ~これ美味しいわ~」

「そうやろが~」

綿「えっ?これお前が作ったんか?」

「そうや!わしの肥えがかかっとるから美味いやろが!」

綿「ほんまか!美味しいわ~!」

おいおい、冗談もほどほどにしないと真に受けてるじゃないか。
そしてスイカを食べながら綿子さんが言った。

綿「今度じいさんの誕生日に家に帰って皆でご飯食べるときに・・・」

おいおい!この状態で家に帰る気か⁉
無理でしょ!

「そんなん無理やろが」

綿「いやじいさんの誕生日は末やろが。それまでには」

「そしたらそれまでに治るようにがんばろな」

数くんナイス!

「ちゃんとここの人の言う事聞いてじっとしときなよ。勝手に動いとったらなかなか治らんで」

綿「そやな~」

目標があれば言う事を聞いてじっと出来るかもしれない。
数くんのおかげで話をうまく持っていけた。

綿「今日もゆうくんに会えるとは思ってなかったわ~。ありがとな~」

色々話をしながら食べるので結構時間がかかったがしっかり全部食べ切った。
食欲は落ちてないようで一安心だ。
食べ終わったのでベッドをもとに戻す。
かつおさんがハンドルをぐるぐる回した。
このベッド、手元にスイッチが無いから綿子さんが自分で角度を変えることができないじゃないか。
これではちょっと起き上がってお茶を飲んだりしたくてもできない。
不便だ。
けれど勝手に動かして事故があったらいけないからわざと足元にあるタイプなのかもしれない。
きっとそういう事なのだろう。

続く

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