昨日の続き

綿子さんがドーナツを食べている間に洗濯物をチェックした。
やっぱり濡れたタオルが入っている。
バスタオルも使っているのでやっぱりお風呂に入ったのだろう。
そしてタンスの棚には先日見た瀬戸内寂聴の本が置いてあった。
もう読んでしまったのだろうか?

「綿子さん、この本読んでしもたん?」

綿「それなぁ、ここの人が退屈なやろって持って来てくれたんやけど読む気にならんのや。もう返そうと思っとるんや」

やっぱりか。
こうなるような気はしてたよね。

「ところで綿子さん、ここに濡れたタオルが入っとるからやっぱりお風呂に入ったんと違う?」

綿「そうやったんかなぁ」

そういえば昨日かつおさんが言ってたっけ。

「ばあさん、コルセットが痛いからか勝手に除けてしまうんやってスタッフの人が言うとったわ。見つけたら除けたらいかんでって言うて付け直してくれとるんやって。けどばあさんは自分が除けたこと憶えてないんやって。スタッフさんが言うには昨日のことなんかほとんど忘れとるんやって」

そんな事を言っていた。
やっぱりボケが進んでいるのかな。
今日だって昨日か今日、着替えたことを憶えていない。

昨日かつおさんからその話を聞いた時は

「へぇ~、でもかえってええんと違う。綿子さんがボケとるってスタッフさん達がしっかり認識してくれて。それなら要支援に戻る心配も無くなるやん」

そう言ったのだった。
実は綿子さん、いぶきの森の入所者さんの中では優等生で、たまにボケボケ言う事はあるが足腰もしっかりしてスタッフさんのお手伝いができるので次回の介護認定では要支援になるかも知れないと言われていたのだ。
要支援になったらここを出なくてはならない。
それは非常に困る!!
そんなことになったらどうしようと思っていたのだ。
なので今回、結構ボケてることが皆に伝わって良かったと思ったのだが、もしかすると以前よりかなり進行したのかもしれない。
退所の心配はなくなったがこれはこれで心配だ。
ランクダウンすると困るのだ


帰りにスタッフさんに確認したらやっぱり昨日お風呂に入っていた。
ヤバいなぁ。

綿「ずっとテレビつけとるのもあれやからなるべく消すようにしとるんや」

イヤイヤ、しっかりテレビを見て刺激を受けてくれ!

「どれだけ見ても料金は一緒やからな。我慢せんでええで!」

頼むからテレビを見てください!!


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