その後も和気あいあいとおしゃべりが続いた。

「姉さんは元気?時々会うたりしよんやろ?」

綿「そやなぁ。たまにかっちゃんが姉さん連れて会いに来てくれるんや」

「ねえさんどんなん?元気なん?」

綿「いや、会うてもほとんど喋らんのや」

「やっぱりそうなんや」

なんだかしんみりしてきた。

「もう兄弟は女4人だけになってしもうたな」

綿「ほうかのぉ」

「そやで。みな死んでしもたがな」

綿子さんは男3人、女5人の8人兄弟の上から3番目だ。
8人のうち4人が亡くなってしまった。
お兄さんはもう20年くらい前に亡くなっていたが他の3人はここ数年でバタバタと亡くなってしまった。
綿子さんはケガをして入院を繰り返していた頃で、いつも入院中のため葬儀には出ていない。
麦さんは元気で兄弟のとりまとめ的なことをやってくれていたので皆の葬儀に出ていた。

「明ちゃんはボケてしもうてなぁ。長いこと大変やったんやけど、エミちゃんは脳梗塞で倒れて入院して2週間後に亡くなったんや。あれはお金も使わんし周りに迷惑かけんと上手に死んだわ。孝志はあれは体を大事にせんとムチャクチャしよったから早よ死んでしもた。がんでもうあと1ヶ月持つかどうかってお医者さんが言うから最後は家で居らしてやりたいって連れて帰ったんや。そしたらそこから1年くらい死なんかって家のもんは大変やったんや」

綿「ほうかぁ」

どんどんしんみりしてきた。

ところで結構時間経ったんじゃない?
なんだかスタッフさんがこちらをチラチラ見ているような気がする。
時計を見るともう3時を回っていた。
1時間以上話し込んでいたという事か。
そろそろ切り上げないと入浴時間が終わってしまう。

「あら、もう3時過ぎとるわ。綿子さんお風呂入らんと」

綿「あらほんま」

なんとか重い空気を破ることができた。

「綿ちゃん、また来るわ。元気で頑張りよ!」

綿「ありがとなぁ~」

また泣く。

綿子さんをホールに送って行った。

「すいません。すっかり遅くなってしまって」

ス「さあ、綿子さんお風呂行こう!」

即行でお風呂に連れていかれていたのだった。
ホント申し訳ありません。

あとでスタッフさんから教えてもらったのだが、入浴は1時からスタートでまず人数の少ない男の人から入るそうだ。女の人はその後なのだそうだ。それが基本パターンなんだけど、前もって連絡しておけば一番に入浴させるなど対応してくれるそうだ。
やはり昨日の内に電話しておけばよかったのだ。
次からは忘れないでよかつおさん!
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