1月1日 水曜日

今日は令和7年1月1日元日。
久しぶりに茂造さんが家に戻る。
綿子さんは残念ながらコロナの感染対策のため今回は我慢してもらった。

ハルちゃん&ゆうくんそして翔ちゃんも駆けつけてくれた。
翔ちゃんは帰宅するのは茂造さんだけと聞いて「何やじいさんだけか。それならわざわざ来るんじゃなかった」とぼやいた。
年末に急きょ予定変更になったので翔ちゃんには綿子さんが帰って来ないことが伝わってなかったのだ。
けどそんな事を言うとは思ってなかったのでわざわざ伝えなくてもいいかと思っていた。
でも翔ちゃんもひろ子さんと一緒で茂造さんに会うのはもういいかという心境なのだろう。
そりゃ自分のことを忘れてしまっている人に会ってもしょうがないよね。
気持ちは分かる。
だってわたしも同じだもの。
茂造さんの中にわたしの存在はない。
だからといって面倒を見ないという事はできないが。

朝、10時過ぎかつおさんがいぶきの森から茂造さんを連れて戻ってきた。
帰ってきた途端、賑やかだ。
「ここわしの家か?」「あっここは覚えとる!」「こんなんやったかのぉ?」「やっと帰ってこれたがー!!」
ずーっと喋っている。

一旦ソファーに座らせると「あんた誰な?」と点呼が始まった。
答えてもすぐ忘れてエンドレスなので疲れる。

一休みしたら仏壇へ連れて行った。

「おーこれは覚えとるぞ!なんか思い出してきた!!」

それは何より。
それより早くお昼ご飯の用意をしなくては。
そうしないと無限ループが終わらない。

かつおさんとわたしとハルちゃんとで準備をした。
その間翔ちゃんが茂造さんの相手を務めた。
一人じゃ大変だろう。
急がないと。

とりあえず茂造さんの分は用意できたので食卓へ案内した。
今日のメインはウナギだ。
ウナギはフライパンで温めるのだけど一度に全部はできない。
温まったものから先に食べてもらう。
茂造さんの前にうな丼を出した。

「ウナギか!おお~こらええ!!」

全く躊躇なく食べ始めた。
前に家に戻った時は「皆が揃うのを待たないかんのや」と言って皆を驚かせたのに、やっぱり元の茂造さんだった(笑)
他の人の事は気にも留めず一人バクバク食べた。

「美味いのぉー!!」

それは良かった。
ウナギの他にもお正月っぽく数の子やなますや黒豆、あと茶碗蒸しも出したがペロッと食べてしまった。
凄い食欲だ。
食べすぎるとおなかが痛いと言い出すので全て茂造さんの分として小皿に盛って出している。
大皿で出すのは厳禁なのだ。
しかしまだ物足りないようだ。
第二段で温め終わったウナギを物欲しそうに眺める。

「おかわりいる?」

「おう!くれ!」

「そしたらちょっとだけで」

2切れほどをお皿に取ってあげるとても嬉しそうに食べた。

「まだそこにあるのぉ」

「あれはダメやで。あれはかつおさんの分やで」

「ほうか~」

あっさり引きさがった。
ホッ。

続く
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