黒田さんと話をしていたら畑田さんが書類を手にまたやって来た。

畑「今、綿子さんの記録を見たんだけど入所してから1㎏しか減ってないですね。なので極小でも栄養的には足りてるってことかな」

「やっぱりか!いえね、ここに入ってから全然痩せんなぁと思ってたんです。ここ数年、骨折して入院を何度も繰り返してたんですけど、入院したら痩せて戻ってきてたんですよ。それで家に戻ったら好き放題食べてぶくぶく太ってを繰り返してまして。なのでここに入る前は結構肥えてたんです。けど入ったらまた痩せると思ってたんですけどちっとも痩せんなぁと」

「けどご飯の量かなり少ないのに何で痩せんのやろ?」

「おかんの体が飢餓状態やと認識して栄養を取り込もうと必死で働いとるんやろか」

「毎週甘いものを持って来るのも良くないですかね?」

畑「いやいや、それは楽しみにしてるでしょうから止めないであげてくださいね」

「そうですね。とにかく食べ物への執着は凄く感じるんです。それこそ毎回のようにご飯は3口やって言うし、おやつも半分残して明日の楽しみに取っとくって言うし。このところ面会した時に外に散歩に行ってるんですけど、あの近くのコンビニに連れて行ってるんです。そこで好きなの買いなって。自分で選ぶのもいいかなって。それで近くの公園で食べさせるんですけど必ず半分残してここに持って帰るって言うんです」

畑「いやいやそれはダメです」

「そうでしょう。だからそれはダメだって言って聞かせるんですけど毎回言うんです。あっそれとコンビニで買い物してたら飴を買ってくれって。それを他人に配るつもりなんです。それは絶対にダメだって言うんですけど「いつも皆に貰っとるから返さないかんのや」って言うんですよ」

畑「そうなんですよ!食べ物を置いて帰るのは絶対に止めてくださいって何回も言ってるのにこそっと布団の下に隠したりして置いて帰る人がいるんですよ。飴なんか以ての外なのに。隠れて食べるからベッドで寝転んで食べるでしょ。危ない、危ない。ホント事故の元なのに。絶対に止めてくださいね」

「そうでしょ!ここ最近、食べ物を置いて帰らないでって貼り紙増えましたもんね。綿子さんには絶対ダメって言ってるんですけど毎回「置いとく」とか「貰ったから返さな」って言うんです」

畑「貰ってばかりでお返しをしなくてはって言うのは分かるんです。それって大事なことだし、いい事だとは思うんですけどやっぱり食べ物は危ないからダメなのよ」

要は一番悪いのは深く考えず食べ物を置いて帰る面会者ってことね。
やはりこれは徹底しないと!!

それにしてもご飯3口って嘘じゃなかったんだ…。
可哀そうに。
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