昨日の続き

では、茂造さんのもとに参りますか。

茂造さんはデイルームにいた。
向かいの席の方はこの間までの人と違っていた。
普通の車椅子を使っているおばあさんだった。
また代わったのね。

「茂造さんこんにちは。さあ部屋に行こう」

「へえ」

茂造さんを部屋へ誘導していると向かいの席のおばあさんが「あんた、飴一つくれんやろか」と言い出した。
「いや~、持ってないわ」と言うと「持ってないんな」と不服そうだ。
おいおい!持っとったとしても渡すわけないやろ。
多分この人も痴呆が進んでるんだろう。
そうじゃなきゃよく知らない人に「飴くれ」なんて言わないでしょ。
ホントわたしは歳をとっても痴呆にだけはなりたくないとつくづく思う。

部屋に移動し、持って来たおやつを渡す。
今日のおやつはミカンとバナナだ。
茂造さんは嬉しそうに食べ始めた。
が、とにかく食べ方が汚い。
とくにミカンは汁はこぼすし、白い薄皮をペッペッと吐き出すし、かつおさんが慌ててタオルを持たせていた。
ミカンは二度と持って行かないようにしよう。

今日もゆうくんはどんぐりを持参していた。
先週同様、ペットボトルに入れたりコップに移したりして遊ぶ。
茂造さんはそれを見て目を細めていたのだが、急に「一つくれ」と言い出した。
えっ⁉
なんか嫌な予感が…。
でもまさかね。
ゆうくんは茂造さんにあげたくないようだ。
渡そうとしなかった。
すると

「一つくらいくれたってええやないか!!」

大人気なく大声を出した。
本気で怒っている。
マジか⁉
急いでゆうくんのコップから一つ取って茂造さんに渡した。
すると次の瞬間「パクッ」またも口に放り込んだではないか!
ガリッ!
マジかーー!!
先週と全くおんなじやん!
全く覚えてないのね。

「食べたらいかんで、それどんぐりやで。食べられんで」

茂造さんがペッと吐き出した。
それを素手で受け取ってしまった。
最悪…。
かつおさんは「また熊が出たのぉ」と笑っている。
笑いごとやないで!!
もうどんぐりを持って行くのは止めよう。
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