そろそろ茂造さんのところへ行こうとエレベーターを待っていたら大井さんに会った。
丁度いい、茂造さんの「陰」の結果を聞いてみよう。

 ※肺に影が見つかった時の話はこちら
 

好「茂造さんの結果はどうでしたか?」

大「まだ結果が帰ってきてないんですよ。混んでるんでしょうね。長い時は3カ月くらいかかることもあるんですよ」

3カ月!!
それは長すぎでしょ!
若い人だと手遅れになるかもしれないではないか。
あっ、若い人を優先してみるから90オーバーの高齢者が後回しなのか?
とにかく待つしかないようだ。

大「けど、どっちにしても治療する気はないでしょう?」

好「はい、そうですね」

肺に影があったから外部の先生に診てもらっていると聞いた時に、かつおさんとは軽く話し合った。
高齢なので治療はもうええんとちゃうという結論だった。

大「もし悪いものだったとして治療するとなったらうちでは対応できないので大きい病院に行くことになるんです。けど、茂造さんの場合、93歳と高齢ですし、胃がん、大腸がんもやってるので受け入れてくれるところはないんじゃないかなと思います。治療は本人さんの負担も大きいですしね」

か「もうええんちゃうかなと思ってます」

大「高齢なので進行も遅いでしょうし、癌が大きくなって悪さをしてくるのが先か、寿命が先かと言ったところになると思いますねぇ。治療は出来ませんが看取りはうちでも出来るんです。痛み止めを出したりは出来ますよ」

か「それでいいです。こちらでずっとお願いしたいと思っています」

大「あと、いよいよとなってきた時、要は口から食べ物が食べられなくなった時にどうするかですね。栄養を管で入れたり、点滴で水分などを入れたりするのか、それとも何もせずにおくのかですね。それをお家の方で話し合っておいてほしいんです」

か「何もしなくていいです」

大「それがやっぱりいいと思います。無理矢理栄養や点滴を入れても本人がしんどいと思います。花が咲いて自然に散って土にかえるように、人間らしく自然に任せて行くのがいいかと思います。けど、こればっかりはご家族様の意向も聞かないとね。色んな考えの方がいらっしゃいますから」

好「わたし達はそれでいいと思いますがお兄さんたちにも聞いてみます」

大「急ぎませんのでおいおい、話し合っておいてください」

ここで何人もの方を見送ってきた看護師さんが感じてきたことをアドバイスしてくれたのだろう。
わたしとかつおさんも自然にっていうのが一番いいと思っている。
しんどい思いをして少々寿命が延びてもあまり意味がないように思う。
けれどこんな重要な決断を二人だけで決めるのはダメだと思う。
やはり典さんの意見も聞かなくては。

ところで大井さんとこの話をしている時、綿子さんはすぐ傍にいたんだけど、何を話しているのか全く分かっていない様子だった。
茂造というワードが出ても反応は無かった。
やはり耳がかなり悪くなっているようだ。
そして相変わらず茂造さんには会いたくないようなので綿子さんには相談しなくてもいいかなと思っている。
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