「ところで車の乗り降りは問題なかったん?」

「いや~何とかって感じや」

「やっぱり一人では無理なんやろ?」

「そうや。それに自分の気がのってない時のいつものパターンや。あいたたたって顔しかめて。ま、ちょっと手を貸したらなんとかなる」

良かった。
車の乗り降りが出来れば外出の選択肢も増える。
ま、家に帰るのは無理だけど。

「ところで洗濯物二袋あったやん。上も替えたん?あ、それとズボン下なかったで」

「いや、忘れ物があって夕方にまたいぶきの森に行ったんや。風呂に入って着替えとったから洗濯物持って帰ったんや。あのズボン下は捨てたわ」

なるほど。
施設に戻って一旦着替えたわけじゃなく、入浴時に出た洗濯物な訳ね。
二つに分けてあったのはスタッフさんが気を利かせてくれたという事か。
それにしてもズボン下捨てたのは正解!

「ズボンは汚れてなかったって言うとったけど、結構臭かったで」

「いや、だって汚れてないと思わんかったら、はく物がないが」

という事は多少汚れてたってことね。

「えっ?だったら車は大丈夫?車いすの座布団やって汚れとるんじゃない?」

「大丈夫やろ。そんなんいちいち気にしとったらやってられん!」

それもそうか。
気にしないことにしよう。
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