いぶきの森へ着くと急いで綿子さんのもとへ向かった。
エレベーターで4階へ上がり、ドアが開くと目の前に綿子さんがいた。
デイルームには居ずらいから、ここに連れてこられたのだろう。
スタッフさんにも綿子さんにも申し訳ない。

気を取り直して、さあ、お店に向かって出発しようと思ったのだが、車いすのタイヤの空気が少ないことに気づいた。
空気入れは2階の詰め所にあるそうだ。
という事で2階へ向かう。
空気入れを借りて空気を充填しているのを待っている間、ふと見るとガラス扉越しに茂造さんが食事をしているのが見えた。
ムッチャ集中している(笑)
そして食べ終えたのかまたも入れ歯をはずして舐め回している。
毎回やってるのね。
その後、お皿も舐めていた。
やっぱり今日、一緒に連れ出さなくて正解ね。
茂造さんは今度また家に連れて帰って美味しいものを食べさせてあげようと思う。
家なら他所の人に見られることもないからね。

ようやく準備が整って車に乗り込む。
しかし車に乗るのに結構苦労していた。
足の力だけでは上れない。
どこかに掴まって腕の力も使ってどうにかって感じ。
だが、車いすに座った状態で握れるようなところが無く…。
ついスライドドアのレバーを握ろうとする。
ドアが閉まり始める。
危ない、危ない。
今度車に乗せる時は何か握りやすいグリップを用意するといいかも。
かつおさん、この間も車に乗せたやん。
その時気付かんかったんかい!
まったく!
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