昨日の続き

茂造さんの仏壇のお参りはあっという間だ。
線香やろうそくを付けることもせず、リンを鳴らして手を合わせて拝んだら終わり。
もうちょっと時間を稼ぎたかったんだけど…。
仕方なくリビングに連れて戻る。
またも「腹減ったが~」を連発。
そこへゆうくんを連れたハルちゃんや翔ちゃんがやって来た。
ナイスタイミング!
良かった~。
ハルちゃん達に茂造さんの相手を頼み、急いで台所へ。
お茶と少しだけブドウを洗って茂造さんに持って行った。
これでしばらく持たせてください。
よろしく。

そしてかつおさんと数くんが綿子さんを連れて帰って来た。
翔ちゃんも手伝って車いすごと台所へ。
30㎝を超える段差は担ぐしかないよね。
台所に入ってきた綿子さんは感激して泣いていた。

綿「懐かしいわ~」

そりゃそうだよね。
長年暮らした家だもの。

好「綿子さん、お帰り~」

綿「好子さん、ありがとなぁ」

ここまでは良かった。
その後に続いて出た言葉にひっくり返りそうになった。

綿「今晩泊まれんの?」

ムリ――!!
半日連れて帰るだけでも大変なんやで!
泊りは絶対に無理ですって。
この台所に運ぶだけでも何人の手を使ったと思ってんだ!
勘弁してよ。
思わずストレートに

好「それはムリや!」

と言ってしまった。
言葉を選ぶ余裕はなかった。
綿子さんはとても残念そうな顔をして「はぁ~」とため息をついた。
そんな顔しないでよ。
半日連れて帰るだけでも大変なんだからこれで満足してよ。
いきなりやる気をそがないでください。
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