かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

カテゴリ: 茂造さん

昨日の続き

そそくさとデイルームを抜けガラス扉の外に出た。
エレベーターの前まで来て4階に行かなければいけなかったことを思い出した。
綿子さんとは1階のホールで面会したので持って来た着替えをタンスに仕舞わないといけなかったのだ。
エレベーターの上がるボタンを押して待った。
が、なかなか来ない。
ずい分待ってやっと来たと思ったら車イスに乗った人たちで一杯だった。
どうも入浴が終わって4階に戻っている最中のようだ。
こりゃ当分待たないといけないなぁ。
なのでかつおさんが階段で4階まで登って着替えを片付けてくることにし、わたしはベビーカーにのったゆうくんとここで待つことにした。

はぁ~疲れたなぁ~と思いながらしばし休憩していると茂造さんの声が聞こえてきた。

「家に帰るんや!山田病院に行って腹が痛いのを診てもらうんや!」

声が大きいのでハッキリ聞こえる。
そして鍵のかかったガラス扉を開けようとガタガタいわせている。

ス「今日は土曜日やから山田病院は閉まっとるよ。月曜日まで待ってな」

「そんなことない!わし知っとるんや!前は開いとったわ!あんたが知らんだけや!」

ス「今は開いてないんよ」

「そんなことない!とにかく帰るんや!」

ガラス扉の前でまたも押し問答をしている。

ひえ~~!
わたしはベビーカーごと、茂造さんから見えない位置に移動した。
見つかったらややこしいことになりそうだ。

それにしてもスタッフさん達には本当に申し訳ない。
朝からずっとこの調子だったんだろう。
ああ言えばこう言う。
とにかく『家に帰ること』にとりつかれている茂造さんに何を言っても無駄のようだ。

茂造さんはガラス扉の前でかなり粘っていたが、疲れたのかようやく部屋へ戻って行った。
やっとやー。
見ているだけでも疲れる。
スタッフさん達、本当にご苦労様です。
我々は役に立たなくてすみません。
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昨日の続き

「じいさん、来たぞ」

「おっ!迎えに来てくれたんか!ほな靴履くわ」

「いやいや、違う違う!家には帰らんぞ」

「なんでや!」

「おやつ持って来たから食べようや」

「ほうか、これ食べたら帰れるんやの」

何を言っても『帰る』につながる。
こりゃ大変だ。

とりあえずなだめてベッドに腰かけさせおやつを食べさせた。

「美味いのぉ~~」

おっ?ちょっと気がまぎれたか?
と思ったがそんなに甘くはなかった。
お菓子を食べ終わるとまた「家に帰るんや」と言い出した。
一応理由があるようだ。

「腹が痛いんや。山田病院に行って診てもらうんや」

「何を言うとんや。ここはお医者さんやないか。ここは佐藤さんやが。ここで診てくれるわ」

「いや、違う!」

「違わへんわ。それに土曜日やから山田病院はもう閉まっとるわ」

「そしたら澤田医院に行くわ」

澤田医院?
そんな病院とっくの昔に閉院しとるわ。
もうかれこれ40年以上も前のことだ。
やはり茂造さんは今、小学生か中学生だった時代の中にいるようだ。

「澤田医院はもうないから。それに今日は土曜日やから下戸も月曜にならな診てもらえんぞ。それまで寝てじっとしとき」

「いや、帰るんや。帰ったら治る」

今日はゆうくんのことは眼中にない。
ひたすら「家に帰る」ことに執着している。
すみません、スタッフさん達。
わたし達の手には負えません。

この後も何度も何度も「帰る!」、「それはムリ」、「なんでや!」を繰り返した。
「なんでや?」に答えたところで全く理解しないし、話がかみ合わないので理論的な説明は不要だ。
ひたすら「ムリ」で押し通すしかない。

やがて押し問答に疲れたのかようやく「もう寝るわ」と言った。

やったーー!!
やっと終わったーー!!
ふぅーーー。

茂造さんがベッドに寝転んだらすかさず引き上げた。

部屋から出ると

ス「ありがとうございました」

やりとりは全部聞こえていただろう。

「いえいえ、全然納得していないのでまた帰るって騒ぐんじゃないかな。申し訳ありません」

ス「お疲れ様でした」

ホント疲れたーーー!!
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昨日の続き

そろそろ綿子さんのお風呂の順番のようなので綿子さんと別れ、2階の茂造さんのところへ向かうことにした。
エレベータに乗るとちょうど2階のスタッフさんと一緒になった。

ス「茂造さんの面会ですか?うわ~~良かった~~!!今日は帰る帰るってずーーっと騒いでるんですよ。これで少しは落ち着くかも」

「どうもすみません」

ひえ~~~!
こりゃかなりひどいようだ。
実はさっき、ここの駐車場でゆうくんをベビーカーに乗せ換えていると散歩から戻って来た入居者さんと付き添いのスタッフさんに会ったんだけど、そのスタッフさんからも「茂造さん、今日はすっごく調子が悪いんですよ~。ずーーっと家に帰るんやー!!って言い続けてるんです」と聞いていた。
全く同じことを2回聞いたのだ。
かなり手を焼いているのだろう。
まいったなぁ。

2階に着き、ガラス扉を開けて中に入ると、デイルームにいたスタッフさんからも「あ~~良かった~~。今日は凄いんですよ~」と言われた。
みんな同じこと言うじゃないか。
どんだけなんやーー!!

「おやつも持って来たし、ひ孫も連れて来たのでこれで少しでも機嫌よくなってくれたらいいんですけど…。自信はないです」

ス「よろしくお願いします!」

はたして大丈夫だろうか?

続く
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昨日の続き

茂造さんの部屋を後にし、4階へ行こうとエレベーターに乗ったらちょうどスタッフさんと一緒になった。

ス「もう、落ち着きましたか?」

米さんのことを差しているようだ。
が、落ち着くも何も米さんは伯母さんだから葬儀に出席するくらいであとは特に用は無いのだが。

「まぁ~」

なんと答えたらいいのか分からない。

ス「そういえば米さんが亡くなった日、茂造さんが米さんの話をずっとしてたんですよ。米さんがどうのこうの~、光三さんがどうのこうの~って。米さん、最後に挨拶に来たんですかねぇ」

「へぇ~」

不思議なこともあるものだ。
茂造さんは今だに米さんが亡くなったことを知らない。
伝えてもすぐ忘れるだろう。
それに同じフロアで生活していたけどお互い認識できてなかったし。
けど最後に挨拶に来てくれたんだとしたら嬉しいな。
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11月14日 木曜日

今日も洗濯物の回収にいぶきの森へ。
今週もかつおさんは出張で不在だ。

今日は買い物に寄ったのでいぶきの森に着いたのはちょうど6時頃だった。
まずは2階の茂造さんのところへ。
茂造さんは食事を終えベッドで横になっていた。
隣のベッドはうまっていた。
とうとう入ったのね。
今日も茂造さんは大声でひたすら独り言を喋り続けていたが、隣の人は寝ていた。
ふぅ~良かった~。
耳が遠いようだ。

着替えをタンスに仕舞っていると嫌でも茂造さんのおしゃべりが耳に入る。

「いったいいつになるんかのぉ?勝手に行ってもええけどたいがい鍵がかかっとるやろのぉ。仕方ないのぉ」

どうも家に帰りたいが扉に鍵がかかっているので帰れないという事のようだ。
ちゃんと分かってるやん!
けどまたまた帰りたい病が復活してきているようだ。
いい加減、あきらめて欲しいものだ。
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