かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

カテゴリ: 茂造家

10月19日 土曜日

今日、明日は地元のお祭りだ。
土曜日は各家を獅子舞が回る。
茂&綿を家に連れて帰って見せてあげたいが、あいにく我が家に獅子舞が来るのは夜7時前になるのでちょっと無理だ。
せめてお祭り気分を味わってもらおうと考えた。

祭りと言えばお寿司だ。
綿子さんの実家の近くの産直に『押し寿司』がある。
田舎の家庭の味がするちょっと甘めの酢飯が美味しい。
この押し寿司は茂&綿もお気に入りで昔からよく食べていたのでそれを持って行ってあげようと思い買ってきた。
N寿司

それともう一つ。
一つ身を着せたゆうくんを見せてあげようと思った。
わたしたちの地方ではお祭りの時にお宮参りをするのが慣例だ。
普段、お宮さんに宮司さんはいらっしゃらなくてお祭りの時やお正月くらいしか来ないからだ。
赤ちゃんが生まれたらお祭りの前日、金曜日の夜にお宮参りをして氏子につけ、祈祷してもらうのが習わしだ。
わたしたちも昨日の夜、ゆうくんを連れてお宮参りに行ってきた。

お宮参りと言えば一つ身の着物だ。
はるか昔、翔ちゃんをお宮参りに連れて行く時にも一つ身を着せた。
それはかつおさんが赤ちゃんの頃に着たものだった。
綿子さんが「かつおの着物があるから」と出してくれたものだった。
きっとどこかに仕舞ってあるはず。
今まで綿子さんちの大掃除をしたけど綿子さんの古いタンスには手を付けていなかった。
普段着の入っているタンスは整理させてもらったが、着物が仕舞ってある方はそのままにしていた。
そのタンスに入っているに違いない。
探してみると大当たり!
古い一つ身の着物が出てきた。
鷹の柄でカッコいい。
かつおさんによるときっと元は典さんの物だろうとのことだ。
そりゃ次男のためには作らないよね。
けど、ということはこの一つ身は約70年前の物なのか!
広げて見るとけっこうシミがあるが黒いので目立たない。
虫くいはない。
一度クリーニングすれば使えそうだ。
一つ身ってまず1度くらいしか着ないので買うのはもったいない。
レンタルするかこれを洗うか。
クリーニング代も結構かかるだろうけどせっかくならこの着物を着せたい。
そう思ってクリーニングに出したんだけど、染み抜きなし丸洗いのみで5000円だった。
けれどずっとしまい込んでゴワゴワだったのが滑らかな肌触りに戻り満足な仕上がりだったのでOKだ。
ということでゆうくんは昨日、この代々の男の子が着た一つ身を着てお宮参りをしてきたのだった。

続く


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その後、茂造さんをいぶきの森まで送り届けやっと終わったのだった。
とても楽しかったがとても疲れた。
一番のダメージの元は綿子さんのまさかの行動だ。
あんなに家と食べ物に執着するとは思いもよらなかった。
つきっきりで見ていないと何をするか分からない。
やっちゃいけない事をしそうで怖い。
こりゃあ次回は当分先だな。
じゃないとこちらがもたない。

わたしとかつおさんだけで茂&綿を見るのは不可能だ。
またハルちゃん達に手伝ってもらわないとどうしても目を離す時間が出来てしまう。
毎月手伝いをお願いするのも悪いしやっぱりムリだな。
茂造さんだけなら二人でも全然余裕なんだけどなぁ。

かつおさんも「ばあさんを連れて帰るのはもう無理!!」と言い出した。
「もしまた連れて帰るとしたらアニキが帰って来た時やの」
こりゃまたずい分先になりそうだ。
けれどその方がいいかも。
度々帰って来てたら家への執着が抜けないかも。
茂造さんだって3月に入所して初めて家に帰って来たのは10月の終わりだったっけ。
初めはいぶきの森でも「家に帰る!!」とスタッフさんを困らせていたが、半年も経つと帰れないことを理解したようだった。
綿子さんはやはりしばらくは面会だけにしよう。
その方がいい気がする。
セパレートだ


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その後かつおさんが綿子さんをいぶきの森へ送って行った。
車内ではさっきのことは無かったかのような様子だったそうだ。
飴を叩きつけた時の様な険しい顔ではなく、穏やかになっていたそうだ。
そしていぶきの森に戻ることも特に嫌がる様子もなく、むしろ嬉しそうに戻って行ったそうだ。
やれやれ。
長い一日だった。

今回、反省点がいっぱいある。
茂造さんはまた連れて帰っても大丈夫だと思うが、綿子さんは目を離したらダメだ。
何をするか分からない。
しかも悪知恵が働くようだし。

さっきの飴の話に戻るが、後から翔ちゃんに詳しく聞いた話によると綿子さんは最初かつおさんに咎められて飴をテーブルに戻した後、飴を袋に戻したり、ゴミ(飴の包み紙)を集めるふりをしてそっとポケットに入れていたそうだ。
正にテレビで流れているマジックのようにゴミと本物を混ぜ手から手へ移し、両方のポケットに分けて入れていたそうだ。
翔ちゃん曰くチェンジと呼ばれる技らしい。
そして2度目に咎められた時、ポケットを触られる前に自ら片方のポケットの分だけを出して叩きつけたんだそうだ。
何て小賢しい。
痴呆老人とは思えない。

それにしても翔ちゃん良く気付いたなぁと感心していたら

「なんで気付いたと思う」

「なんで?」

「俺が卑怯者だからだ」

名言が飛び出した。

「卑怯者には同じ卑怯者の行動は読めるのさ」

「蛇の道は蛇ってことね」

それ得意そうに言っていい事か?
でもとにかく助かったわ。
ありがとう。
超ウケる


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また座敷へ戻り片付けをしながら

「いや~やっぱりやったな!やると思っとったわ」

「なんかな、嫌な予感がしたんや」

「それにしてもお母さん凄いな!ガサガサで気が付くとは。それに引き換えお父さんは!なんで袋ごと渡したんや!間違いの元やん!」

かつおさんは小さくなっていた。
でも寸でのところで回避できたから良かった。

そう思っていたのだがこれで終わりではなかった。
翔ちゃんからハルちゃんの携帯にLINEが届いた
『なんと哀れなり』
翔ちゃんは寝たふりをしていただけでちゃんと見ていたのだ。
『おれはもう片方のポケットにも飴が隠されていることを見ている』
ええっ!!マジか⁈
かつおさんの出番だ。
翔ちゃんから届いたLINEを見せ、上手に回収するようにミッションを与えた。

「ばあさん!まだ持っとるやろが!」

全然上手じゃない…。

綿子さんは「持ってないわ」と言い張ったが「そしたら見せてみ」とかつおさんに言い寄られ「ちょっとくらいええやないか!」と逆切れしながら飴をテーブルに叩きつけた。

「ええこと無いわ。ばあさんが施設に飴を持って帰って人にあげて、その人が死んだらどうするんや!」

綿「これは私が一人で食べるからええやろが!」

「そんなん無理やろが!イカンって言うたらイカンのや!そんなことしてバレたら追い出されるぞ!」

綿「バレんようにするわ」

ああ言えばこう言う。
困ったもんだ。
けれど翔ちゃんのおかげで阻止出来てよかった。

ホッとしていたらまたも翔ちゃんからLINEが
『反対のポケットにまだ入っとるで』
さっきは全てを回収されないために片方だけ早めに手放しただけだったのだ。
詐欺師のやり口である。
FullSizeRender
またまたかつおさんの出番だ。
今度は上手くやれよ!
帰り際に立ち上がったタイミングで冗談めかして「もう持ってないやろのぉ」と言いながら綿子さんのベストのポケットを叩く→「あれ?なんか入っとるぞ」→ポケットから飴を取り「なんやこれは!」と回収する。
細かに指示を出した。

ここまで台本を用意したらさすがのかつおさんでも上手くやれた。
スムーズに飴を見つけた。

綿「ちょっとくらいええやないか!」

「ええこと無い!」

ふぅ~。
なかなかのバトルだった。
最後の最後にこんなことになるなんて。
それもこれも考えなしのかつおさんのせいだ。
ほんとしっかりしてください!


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会もお開きとなり麦さんも帰って行った。
わたしは洗い物をしたり片付けをしたりしていたので後からハルちゃんに聞いた話。

リビングのソファーに綿子さんとハルちゃんと翔ちゃんが居た時のことだ。
かつおさんは隣の畳の上でゴロンと横になってスマホをいじっていた。

ハルちゃん達が「施設に仲のええ人居るん?」とか「どんなことしよん?」などと話題を振ったそうだ。
すると綿子さんは「あそこではあんまり甘いものが食べられんのや。仲のええ人が5人くらい居るんやけど、みんなと居る時に飴とか分け合って食べたりしたいんやけどのぉ」と言い出したそうだ。

「でも食べ物の持ち込みは禁止されとるんやろ?」

綿「でも飴ちゃんくらい~~」

「いやいや、誤嚥も怖いし、人にあげてもし事故が起きたらどうするん」

そう言っていたらかつおさんが「なんや、飴が食べたいんか」と話に入ってきた。
それでハルちゃんが経緯を説明したら「それはアカン!今ここで食べるんやったらええけど」となり、かつおさんがわたしに飴あるかな?と聞きに来た。

今回お昼が多かったのでおやつは出さずにおこうと思い用意していなかった。
が、たしか家に黒飴があったはず。
綿子さんが入院後に綿子さん家から回収したものだ。
「ちょっと待っとって。取ってくるわ」
自宅に戻り飴を見つけ持って行こうとしているところにかつおさんが追いかけてきた。
ちょうどいいい、「これ持って行って。わたしちょっと洗濯物を取りこんでから行くわ」とかつおさんに飴を託した。

用を済ませてわたしが茂造家に戻るとリビングのテーブルの上に飴の袋が置いてあった。
袋ごと渡したのね。
かつおさんはまたも隣の部屋でゴロンと寝転がっている。
翔ちゃんもソファーでウトウトしていた。
綿子さんとハルちゃんはテレビのマジックのショーを見ていた。
わたしは大丈夫かなと思いながら座敷のテーブルの片付けをした。
ハルちゃんも手伝ってくれた。

しばらくするとリビングの方からガサガサと音が聞こえた。
もしかして⁈
急いでリビングへ行くと綿子さんが手にいっぱい飴を握っていたように見えた。
わたしの顔を見ると飴が見えないようにもう片方の手で包み込み、手をそっとテーブルの下に隠した。
目が泳いでいる。
情けねえ

どうしよう?
ハルちゃんと顔を見合わせた。
一旦座敷に戻りどうする?と打ち合わせ、とりあえずかつおさんに報告することにした。
かつおさんをそっと呼び出し今見たことを説明する。


「たぶん結構握りこんどるで」

「ほんまか!ホンマにばあさんは!!」

かつおさんはいきなりリビングへ行き

「ばあさん!アカンぞ!」

と叱りつけた。

綿「何がや」

「飴持って行くつもりやろが!イカンって言うたやろが」

綿「ちょっとくらいかまんやろが!」

「何を言うとんや!アホか!」

観念した綿子さんは飴をテーブルに放り投げた。
やれやれ。

それにしてもかつおさんだ。
いきなりお怒りモードでストレートに叱りつけるとは。
こっそり報告した意味が…。
もうちょっと上手いやり方ってものを考えて欲しい。

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