かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:おめでとう

次に2階の茂造さんのもとへ。
入り口横の詰め所には看護師の大井さんと黒田さんがいた。

「いつもお世話になります。コレ茂造さんの牛乳です。お願いします」

大「はい、ありがとうございます」

「今日はちょうど茂造さんの誕生日なんですよ~」

大「あら、そうだったのね」

黒「今からパーティー?(笑)」

「いえいえ」

二人と話して分かったが、やはりいぶきの森では誕生日だからといって特別なことはしないのね。
誕生日を把握して無いもの。
ちょっと寂しい気もするが仕方ないよね。

茂造さんはデイルームの指定席にいた。

「こんにちは」

「腹が減ったがー!」

おっと、いきなりかい!
相変わらずだなぁ。

部屋に連れて行き北海道チーズ蒸しケーキを渡した。
一応、名前に『ケーキ』とついてはいるがやはりケーキ感は薄い。
やはり生クリームたっぷりのショートケーキにすればよかった。
今日は時間がなくて買ってくることができなかった。
実は近所のひいきにしていたケーキ屋さんが閉店してしまい、今ケーキ屋難民なのだ。
美味しくって小ぶりなショートケーキを売っている店を開拓しなくては。

で、今日はすでに入れ歯が入っていた。
もう少しでお昼ご飯だからかな?
といってもまだ1時間は先なんだけど。

茂造さんは相変わらず食べる前から「美味い!」と言う(笑)
夢中でチーズ蒸しケーキを食べている茂造さんにかつおさんが話しかけた。

「じいさん、今日は何の日か分かるか?」

「今日か?知らん」

「今日は7月27日やぞ」

「知らん」

食べている茂造さんに話しかけても無駄では?
茂造さんはすぐに食べ終わった。

「じいさん、じいさんの誕生日っていつやったかのぉ?」

「わしの誕生日は昭和16年12月・・・」

「ちゃう、ちゃう!じいさんの誕生日は昭和7年7月27日やろが。今日やないか」

どうしたんだ⁉
いつも大声で自分の個人情報を垂れ流している時はバッチリだったのに、今日に限って間違えるなんて。
今日は調子悪いのね。

「ほうか。わし誕生日か」

「そやで、今日が誕生日やで。今日で93歳や」

「わしの誕生日は昭和7年7月27日、92歳!」

おしい!93や。

「違うで、93歳やで」

「ほうか」

ようやく理解したかと思ったが、1分後には

「わしの誕生日は昭和7年7月27日、92歳!」

「だから!93歳やって」

「ほうか」

このやり取りは何度も繰り返された。
が、茂造さんはまだ92歳だそうだ。
やっぱ調子悪いな。
ダメだこりゃ。

何はともあれ、お誕生日おめでとう茂造さん。
めざせ100歳!
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昨日の続き

そして普段は入れない、茂造さんの部屋に入った。

「じいさん、今日は誕生日やろが。おめでとう!これ、ケーキ持って来たで」

「ほぉ~こらええ!」

と目を輝かせた。
「せっかくなら写真を撮ってはいかがですか」と畑田さんに勧められ、写真を撮った。
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待ちきれずにそわそわしていた茂造さんが

「もう食べてもええか?」

「おう、どうぞ」

「ありゃ~困ったが~。入れ歯が無いが~、下に忘れてきたが」

「取ってきます」

畑田さんが急いで取りに行ってくれた。

「もう食べてもええか?」

「入れ歯を取りに行ってくれとるから、ちょっと待てよ」

「そやの」

けれど10秒後には

「もう食べてもええか?」

「もうちょっと待てよ」

また10秒後に

「もう食べてもええか?」

この繰り返しだったそうだ。
そしてようやく入れ歯が届いた時には、ケーキの上のチョコのプレートはなくなっていたそうだ。
いつの間にか食べてしまっていたのだ。
歯も無いのに・・・。
待てなかったのね。
とにかくとても喜んでくれたそうだ。

そしてしばらく話をする時間を頂けた。

「綿子は何しよんや?」

「おかんは退院して家で居るわ。けど、まだあんまり動けんからここには来れんのや」

かつおさんは優しいウソをついた。
さすがに「行きとうない」と言っているとは言えない。

だんだん調子の出てきた茂造さんは

「私の名前は茂造。誕生日は昭和7年7月27日。91歳!」

と語り始めた。
そして

「私の嫁はフネ、父は為五郎、妹はうめ」

おいおい、フネは母親やないかい!
かつおさんが訂正しても何度も「私の嫁はフネ」と繰り返していたそうだ。
やはり認知症は進んでいるなと感じたそうだ。

「そろそろ下に降りてお昼ご飯を食べましょうか」

この部屋に入って20分は経っていた。
普段面会時間は10分までの決まりだ。
本当に特別扱いで対応してくれていた。

3人で1階に降り、茂造さんは元いた席に戻って行った。
別れ際に「お前も元気でやれよ!」と声をかけてくれたそうだ。
かつおさんはこの間のように「連れて帰ってくれ!」と言い出さないかとびくびくしていて、そんな言葉をかけられるとは思っても無かったのでとても驚いたそうだ。
そして席に戻った茂造さんが隣の人に「息子が来てくれたんや」と嬉しそうに話しているのを見て、本当に今日は来て良かったと思ったそうだ。

畑田さんによるとだいぶ理解できてきて、落ち着いてきたとのことだった。
けど今日はいつもよりずい分調子がいいようだとのことだった。
でもこの様子ならちょくちょく会いに来れそうだ。
ちょっと希望が出てきた。

こんな機会を特別に許可してくださり、いろいろ配慮してくださった畑田さんはじめスタッフの方々に本当に感謝だ。
ありがとうございました。


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7月27日 木曜日

今日は茂造さんの91回目の誕生日だ。
昨年は誕生日プレゼントにお寿司とケーキを買って届けたっけ。
お寿司よりなによりケーキを喜んで食べたよね。
なめるように食べたっけ。
とっても嬉しそうだったよな。

 ※昨年の様子はこちら
  

でも今年は入所している。
そしていぶきの森は食べ物の差入れは禁止だ。
どうしよう。
甘い物以外で何を持って行ったら喜ぶだろう?
先日からずっと考えていたが何も思いつかない。
そこでかつおさんと相談し、マネージャーの畑田さんに聞いてみることにした。
やはり誕生日でも食べ物の差入れは不可なのか?
他の方はどういったものをプレゼントしているのか?

「もうすぐ父の誕生日なんですが、去年はケーキを買ってきたらとても喜んだんです。今年も誕生日くらいはケーキとか甘いものを食べさせてやりたいんですがだめですかねぇ?」

「食べ物はやっぱり無理ですね。う~ん、でしたら連れて帰って・・・」

「それはムリです!」

「ですよね~」

「はぁ、他の物を考えてみます」

やっぱりだめか。
で、他の方がどうしているのかは聞くのを忘れたそうだ。
あまり喜ばないだろうけど、花でも買って届けるかと話し合った。

すると次の日、畑田さんから電話がかかってきて
「昨日の件ですが上の者と相談したら、特別に許可が出ました。なので27日の11時頃持って来てください。たくさんは持って来ないでくださいね」と伝えられた。

良かったー!!
畑田さんありがとうございます!

という訳で近所のケーキ屋さんでイチゴショートに『おたんじょうびおめでとう』と書いたチョコのプレートを乗せた物を作ってもらい、かつおさんが届けに行った。

いぶきの森へ着くと1階の広間に大勢の入所者さんがいて、茂造さんもその中にいたそうだ。
畑田さんの案内でかつおさんと茂造さんと畑田さんは2階の茂造さんの居室に向かったそうだ。
要は昼食の時間のため入所者が1階に降りている隙に部屋でこっそり食べさせようという事だったのだ。
他の入所者さんに見つかると不平不満が出るだろうから。
本当に特別に配慮してくれたのだった。
なんてありがたい事だ。
運び屋カツオ

3人で部屋に向かっている途中、畑田さんが茂造さんに「この人誰か分かる?」と尋ねたそうだ。
茂造さんは「分からん」と答えたそうだ。
「息子さんやがな」と言うとまた「分からんが」と言ったそうだ。
しばらく会わない間に、とうとうわしの事も忘れてしまったのか、終わったーとかつおさんは思ったそうだ。
けっこうショックだったそうだ。
けれどしばらくすると「おう!かつおか!」と言ったそうだ。
ほっとして嬉しかったそうだ。

続く


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6月8日 木曜日の続き

今日はかつおさんの誕生日だ。
なので仕事帰りにケーキを買った。
ケーキと言ってもショートケーキだが、一応、3つ買った。
ひとつは綿子さんにお裾分けだ。

じつは今朝、かつおさんが綿子さんにゆで卵を持って行った。
しかし、綿子さんは誕生日のことなど忘れているようで何も言わなかったそうだ。
「わしの誕生日はいつも忘れとる!」とかつおさんはブツブツぼやいていた。

そう、ここ近年、いつもかつおさんの誕生日は忘れられている。
翔ちゃんやハルちゃんやわたしの誕生日は覚えていて、毎年小遣いをくれるのだが、かつおさんには無い。
ま、三人は誕生日が近いから一人思い出すと他も思い出すのだろう。
かつおさんは「わしにはおめでとうの一言もないんや」とすねている。

「かつおさん、もうええ歳なんやから綿子さんに祝ってもらうんでなくて、生んでくれてありがとうって感謝する日やで」

「そっか。それもそうや」

こんなやりとりをした。
なので綿子さんにもケーキを買ったのだ。

かつおさんがいそいそと届けに行った。
ケーキを見れば思いだすだろう。

「おかん、これ食べてくれ」

綿「ありがとのぉ。もう晩御飯食べたから明日の朝、食べるわ」

「おかん、今日は何の日か知っとるか?」

綿「知らん」

かつおさんはがっかり。

「わしの誕生日やが」

綿「ほうか」

ほうかの一言で片づけられてしまったそうだ。

「わしを生んだ日やろが。忘れたんか?生んでくれてありがとのぉ。まあ、これ食べてくれ」

綿「ありがとのぉ」

最後まで小遣いはもらえず、おめでとうの言葉も無かったそうだ。
憐れ、かつおさん…。
一度で済んじゃう


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