かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:お参り

おやつを食べ終わると3時半頃だった。
そろそろいぶきの森へ送り届けよう。

「ほなそろそろ帰るぞ。送って行くわ」

綿「その前に仏壇参りたいんや」

マジで?
この間いぶきの森でも「家に戻って仏壇参りたいんや」と言っていたが、家に帰る口実だと思っていた。
だって仏壇の中の人は綿子さんの嫌いな人ばっかりだし、家にいた頃から仕方なく世話をしていたように見えていたからだ。
なのでまさか仏壇を参ると言い出すとは思ってなかった。
いや、普通に歩けるなら好きにしてくれたらいいんだけど、台所と座敷とは結構大きな段差がある。
車いすだからみんなで担がないと行けないんですけど。
それに車いすで畳の上を移動するのにはちょっと抵抗が。
だって車いすって外も中も区別ないもの。
施設の廊下や家の庭で使ったままのタイヤで畳の上を通るなんて。
けど綿子さんは気にならないのか、それともそこまで気が回らないのか?
ま、綿子さんの家だし本人がいいならいいか。
で、またも男手を集めて段差を担いで座敷に連れて行ったのだった。

これで一応満足したのか、まだ帰りたくないとか、一泊したいと言うことなく帰って行った。
やれやれ。
疲れたーー!!
もう当分はご遠慮願いたい。

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昨日の続き

茂造さんの仏壇のお参りはあっという間だ。
線香やろうそくを付けることもせず、リンを鳴らして手を合わせて拝んだら終わり。
もうちょっと時間を稼ぎたかったんだけど…。
仕方なくリビングに連れて戻る。
またも「腹減ったが~」を連発。
そこへゆうくんを連れたハルちゃんや翔ちゃんがやって来た。
ナイスタイミング!
良かった~。
ハルちゃん達に茂造さんの相手を頼み、急いで台所へ。
お茶と少しだけブドウを洗って茂造さんに持って行った。
これでしばらく持たせてください。
よろしく。

そしてかつおさんと数くんが綿子さんを連れて帰って来た。
翔ちゃんも手伝って車いすごと台所へ。
30㎝を超える段差は担ぐしかないよね。
台所に入ってきた綿子さんは感激して泣いていた。

綿「懐かしいわ~」

そりゃそうだよね。
長年暮らした家だもの。

「綿子さん、お帰り~」

綿「好子さん、ありがとなぁ」

ここまでは良かった。
その後に続いて出た言葉にひっくり返りそうになった。

綿「今晩泊まれんの?」

ムリ――!!
半日連れて帰るだけでも大変なんやで!
泊りは絶対に無理ですって。
この台所に運ぶだけでも何人の手を使ったと思ってんだ!
勘弁してよ。
思わずストレートに

「それはムリや!」

と言ってしまった。
言葉を選ぶ余裕はなかった。
綿子さんはとても残念そうな顔をして「はぁ~」とため息をついた。
そんな顔しないでよ。
半日連れて帰るだけでも大変なんだからこれで満足してよ。
いきなりやる気をそがないでください。
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8月14日 金曜日

明日はいよいよ茂&綿を家に連れて帰る日だ。
なので今日は茂造家の掃除や準備に大忙し。
先日ネットで購入したトイレの手すりを組み立てて設置しないと。
それに車いすがスムーズに通れるように余計な物を片付けないとね。

実は昨日、梅ちゃん(茂造さんの妹)ちから15日に仏壇を参りに行きたいと連絡があった。
ちょうど茂&綿が帰ってくると伝えると久しぶりに会えると喜んでくれた。
そうそう麦さんも綿子さんに会いに来てくれることになっている。
15日はにぎやかになりそうだ。

けど梅ちゃん一家が来るとなると仏壇や座敷もしっかり掃除しないと。
普段閉めきっている仏間はかなり暑くなるので花は造花だしお供えは干菓子にしている。
けどお盆だしそのままじゃあちょっとね。
なのでお供え用にブドウを買ってきた。
けどお供えするのは明日の朝にしよう。
ほんと1日で傷んじゃうもの。

掃除&片づけに精を出しているとかつおさんが何やらブツブツ文句を言い始めた。
トイレの手すりを組み立てていたんだけど、ネットに掲載されていたものと若干違っていたそうだ。
便座があたる部分にゴムが巻かれているはずだったのにゴムがない。
便器に固定させるパーツが写真と形状が違う。
小物が入れられるポケットが付属しているとあったが入っていない。
なにより説明書がない。
マジかー!!
まいったなぁ。
返品しようかとも思ったがそうすると明日手すりがないじゃないか。
一応、ぐらつきもなく安定はしているので泣く泣く使う事にした。
なんか悔しい。
もっと余裕をもって購入すべきだった。
後悔先に立たず…。
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昨日の続き

ホント長い時間かけてようやくパンを食べ終わった。
ふ~、疲れたー。

パンを食べ終わると綿子さんはまたも

綿「一度家に帰りたいんや。仏壇にまいりたいんや」

とかつおさんに訴えた。

「おう。またの。盆くらいにの。けど泊るんは無理やぞ」

綿「・・・」

それにしても仏壇を参りたいってその理由は無理があるでしょ。
仏壇の中には綿子さんの嫌いな人しかいないのに。
絶対、仏壇の事なんかどうでもいいくせに。

「仏壇や、おかんの嫌いな人しか入ってないのに参らんでええやないか」

綿「・・・」

またも無言になる綿子さんだった(笑)

ところで茂造さんの様子はどうだった?とかつおさんに尋ねると、割と元気だったそうで豆パンも爆速で食べたし、いつものように「家に帰る!」を連発していたそうだ。
けど声がガラガラ声になっていたそう。
かつおさんも自分に移ると嫌なのでさっさと引き上げてきたそうだ。
ま、そんなにダメージはないようで良かった。
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茂&綿を乗せた車が庭に入ってきた。
わたしは急いで介助に向かった。
綿子さんはシルバーカーも杖も持っていない。
かつおさんに聞くと「あつ!忘れとったわ」
おいおい。
それこそ綿子さんの家では必須アイテムなのに。
仕方なく手を引いて家まで連れて行った。

かつおさんは茂造さんに付き添った。
茂造さんはしきりに周りを見回して「ここはわしの家か?」と言う。
いつも思い浮かべている景色と違っているのだろう。
なんてったって茂造さんは今、自身が若い頃にタイムスリップしているんだもの。
ガラスの温室があった頃に。
そりゃあ景色は全然違っているだろう。

「こんなかったかのぉ?」

ずっと疑っている。

「そうやが、ここがじいさんの家やないか」

「ほうかのぉ?」

とにかく家の中に入り、リビングまで連れて行き、ソファに座らせた。
かつおさんはお弁当を受け取りにでかけた。
わたしは台所へ行き、お茶を汲んだ。
リビングに戻ると茂造さんと綿子さんが向かい合わせに座っているが会話は無い。
綿子さんは茂造さんと目を合わせようとしない。
なんだか重い空気だ。

「一息ついたら仏壇参るんな?」

「おう!そうや、仏壇参らないかん」

お盆ですものね。
茂造さんは立ちあがったが綿子さんは座ったままだ。
仏壇を参る気は無いようだ。

茂造さんを仏壇の前に連れて行くと

「南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~」

大きな声で3回繰り返す。
念仏は忘れないのね。
感心する。

「コレには見覚えがあるのぉ。おっ、ちょっと思い出してきたぞ」

仏壇を見て何となく自分の家だと感じてきたようだ。

茂造さんをリビングに連れて戻り、綿子さんに「綿子さんもお参りせんの?」と声をかけた。
すると「ほなしよか」と渋々な感じで立ち上がった。
結局行くんやったら一緒に行けよ!
面倒くさい!
初っ端からこれかよ、今日一日どうなることやら…。
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