4月13日 土曜日

今日は梅ちゃんご夫婦が仏壇をお参りしたいとやって来た。
お彼岸に来られるかな？と思っていたんだけど、来ることは無く連絡もなかったので、茂＆綿が入所して家が留守だと分かっているので遠慮してくれたのかなと思っていたのだが違ったようだ。
実は正月早々、自動車事故に巻き込まれ、車が修理中だったため来れなかったんだそうだ。

梅ちゃんは免許を持っていないので車の運転をするのは旦那さんなのだが、そのおじさんも80代後半とかなり高齢だ。
けれど免許を返納すると生活に困るので昨年も免許を更新したそうだ。
一応、高齢者が免許の更新をするには高齢者講習を受けたり、認知機能検査を受け合格ししないといけないそうだがちゃんとクリアしたそうだ。
今回の事故というのも目の前で右折車と直進車が事故を起こし、はずみで事故車が自分の車に飛んできて当たったというものだった。
おじさんの過失は０(ゼロ)だ。
おじさんの車はかなり古く、部品の手配に時間がかかり、なかなか修理が終わらなかったそうだ。
その間、代車を貸してくれてはいたが、慣れない車で遠方に出かけるのは怖いから、お彼岸には来られなかったんだそうだ。
こうやって無茶はせず、自分でちゃんと判断ができているようなのでまあ安心な気もするが、何と言っても80代後半、そろそろ限界では？
色々話をしていると、先日、一旦停止の標識を見落として反則切符を切られたんだそうだ。
長年、無事故無違反の優良運転手だったのに、とても久しぶりに反則金を払ったと言っていた。
普段通らない道でうっかり標識を見落としてしまったそうだ。
運悪く後ろにパトカーがいて、即行で捕まってしまったそうだ。
いくら認知に問題が無くてもやはり状況判断とか反射神経とかは衰えてきているのだろう。
やはりそろそろ免許を返納した方がいいのでは？と思う。
しかし梅ちゃんちの近くにはスーパーもないしコンビニもないし路線バスも走ってないそうだ。
なので車に乗れなくなるとたちまち買い物に困る。
高齢者にとって買い物は生活に必要なだけでなく楽しみでもあるようで、なかなか諦められないのだろう。
本当に難しい問題だ。


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3月16日 土曜日

やはり今日は綿子さんの面会は出来ない。
なので暇かといえばそんな事はない。
午前中はいつも通り実家の両親を買い物に連れて行く。
そして立ち寄った産直で仏花を買った。
明日が彼岸の入りなのでお墓の掃除に行かないといけない。

両親を家に送り届け自宅に戻り、かつおさんに「さあ、お墓に行くで」と言うと「なんで？」と言う。
「彼岸やん」
「あっそうか。わし、全然あたまに無かったわ」
やっぱりね。

ところでこの時期の仏花は高い。
なのでゴージャスなのは買えない。
そこそこのを買い、庭の花や畑のしきびを足すことにしている。
今なら黄色い水仙がたくさん咲いている。
そしてしきびとは、あのしきびだ。
昨年の正月に刈りこんだら綿子さんに文句を言われたあのしきびだ。
　
あの時、結構刈り込んだのだが、すでにしっかり復活している。
なのでいくらでも取り放題だ。
スッと上へ伸びたきれいな葉がついている枝を数本取り家に戻っていたら、向かいの家のおばさんに声をかけられた。

お「しきび取って来たんな？」

好「そうなんです。お墓にあげようと思って」

お「そらええわ。ところであそこのしきびやけどな、前に綿子さんが「いつでも取ってよ」って言うてくれたんで、時々もらっとんや。息子さんとこにも一応言うとかなと思うて」

好「そうなんですか。どうぞ、どうぞ、しっかり取ってください」

お「そしたらまた取らせてもらうわな」

どんどん取ってください。
じゃなきゃまた近いうちに刈りこまないといけなくなりそうだ。
綿子さん、綿子さんが高野山で買ってきたしきびは元気ですよ。
安心してください。


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そして日曜日はひろこさんが仏壇を参りにやって来た。
ひろこさんは茂造さんの弟の秀夫さんの奥さんで茂造家の親せきの中で断トツに気遣いができて常識のある人だ。
なので前もってかつおさんに「日曜日の10時頃お参りに行きたいと思っとるんやけど大丈夫かな？」と連絡してくれていた。
なので迎える準備も余裕をもってできる。
ひろこさんはお参りに来ても絶対マスクを外さない。
そのためお茶や茶菓子には手を付けない。

ひ「こんなご時世やからな。みんな高齢者やからマスクはしとかないと。だから気を遣わんでええよ」

出来た人だ。

なので持って帰ってもらえるようペットボトルのお茶と個包装の茶菓子を用意したのだった。
しかし、ひろこさんに出したペットボトルのお茶をなんの躊躇いもなく茂造さんが飲んでしまったため持って帰ってもらえなかったのだが....。

ちなみに梅ちゃん一家は家族三人全員ノーマスクでやって来て小一時間おしゃべりし、綿子さんが出したお茶や果物を「美味しいわー」としっかり食べる。
茂＆綿もノーマスクなので見ていて非常に恐ろしい。

話は戻るがひろこさんは今回も家族のグチが止まらなかった。
息子の達ちゃんが何もしてくれんとか
秀夫さんがわたしを女中の様に使うんやとか
田んぼの除草が大変なんやとか言いだしたら止まらない。
きっとグチをこぼす相手もいなくてストレスがかなり溜まっているのだろう。

ひろこさんの話によると秀夫さんは歩行器を使ってやっと歩ける状態なのだそうだ。
なので自分で動かず、あれ取ってくれ、あれ持って来いとか他人を使う。
しかも偉そうに言うそうだ。
介護認定は受けたのだが頭の方はしっかりしているからと要介護①しかつかなかったそうだ。
そして週に1回だけ機能訓練の施設に通っているそうだ。
ひろこさんとしてはもっと通って欲しいのだが訓練は疲れるらしく本人が行きたがらないので週1回のみなのだそうだ。
そしてそこでは入浴介助は行わないのでお風呂は自宅でひろこさんが介助して入れているそうだ。
聞けば聞くほど大変そうだ。
ひろこさんの方が倒れないか心配になる。
そりゃあストレスも溜まるだろう。

そしてひろこさんに言わせると茂造さんと秀夫さんと梅ちゃん兄弟はあの悪名高い為五郎さんに性格がそっくりなんだそうだ。
どうも茂造家の血筋はろくなものじゃないようだ。
嫁の立場の綿子さんとひろこさんはこの親子のクズエピソードを話し始めるととても話がはずむ。


散々グチって大分スッキリしたようだ。
たまにはいいよね。
どこかでガス抜きしないと。


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