昨日の続き

その後、持って来た柿を出した。
柿は綿子さんの大好物だ。
1個を剥いて茂造さんと半分こだ。
タッパーには4切入っていた。
綿子さんは柿を見ると「うわ~柿か~私大好きなんや~」と喜んだ。
1切食べると「うわ~美味しいわ~」と感激している。
そして

綿「あとはみんなと食べるわ。いやな、隣の部屋の人に世話になっとるんや」

また始まった。

「だから!他の人に食べ物は絶対にあげたらいかんのやって!綿子さんも貰ったことないやろ」

綿「ほうな」

とても残念そうな顔をする。
困ったもんだ。

「もう食べんの?」

綿「そしたらもう一つ食べようか」

そして残りは2切。

綿「これ置いといて明日食べるわ」

「いや、それは」

綿「今、全部食べてしまうのはもったいないわ。明日の楽しみに置いとくんや。ここはこんなん全然出んから」

結局今回も2切の柿を置いて帰った。
隣の部屋の仲良しさんにあげたりしないだろうか?
一抹の不安が残ったが仕方ない。
今度からもっと少ない量にしよう。

「ところで綿子さん、手押し車出てきたんやな」

綿「えっ?」

「ほら、これ綿子さんのやつやろ」

綿「ああこれな。どこにあったんか知らんけど出てきたんや」

「良かったな」

綿子さんはシルバーカーが出てきて喜んでいるというより、なかなか見つからなかったことが不服な様子だった。
ま、何はともあれ元通りになったんだからしばらく無かったことは忘れて欲しい。
スタッフに対する不信感も忘れて欲しい。
けどこういうことは忘れないのよねぇ。
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