かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:ウナギ

結局、麦さんが上手く言い聞かせてくれて綿子さんはウナギを施設に持ち帰ることはあきらめたのだった。
さすが麦さん!

そして食事が終わり、ちょっと落ち着いたところでみきさんにビデオ電話をかけることにした。
みきさんは綿子さんの妹で九州に住んでいる。
8人兄弟も、もうこの3人だけとなってしまった。
麦さんは時々みきさんと電話で話をししているそうだが、綿子さんとはこういう時でないと話が出来ない。

「みきちゃん元気?今な、綿ちゃんと一緒におるんや。綿ちゃんに代わるわな」

み「綿ちゃん久しぶり~。元気?」

綿「みきか?元気なんか?」

そう言いながら泣き出してしまった。
そういえばかっちゃんちに米さんのお参りに行った時も何度も泣いたそうだ。
かっちゃんに会って泣き、仏壇を参って泣く。
そして光三さんが亡くなった事を初めて知りまた泣いた。

綿「義兄さん亡くなったんか⁉いや~知らんかった~」

そりゃ伝えなかったからね。

綿「義兄さんには世話になって~」

しばらく悲しみに浸っていたそうだ。
が、話題が変わるととたんにケロッとしていたそうだ。
あまりの変わり身の早さにかつおさんはびっくりしたそうだ。
すぐ気持ちが切り替えられるって素晴らしい。
これもボケたからこそなのか?
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そしてお昼ご飯の用意が整った。
あとは翔ちゃんが到着するのを待つばかり。
11時頃には来る予定だったのだが、寝坊したから遅れると連絡があった。
もう11時半だし、冷めないうちに食べてもらおう。
リビングへ声をかけに行った。
と同時に翔ちゃんがやって来た。

「こんちは!」

「兄ちゃん遅いやん!」

「すまん、すまん」

よかった、これで皆揃った。
が、綿子さんはポカンとしている。

綿「あれは誰?」

は?
誰ってあなたの大好きな翔ちゃんやん!!

「アニキやん。翔平やで」

綿「ええっ!!翔ちゃんか!」

かなりビックリしているが、こっちはそれにビックリだ。

綿「いや~ハルちゃんの旦那かと思うたわ~」

いやいやどう見ても翔ちゃんやん。

まあとにかくお昼にしよう。

「そしたら私はお暇するわ」

「えっ⁉いやいや、一緒に食べて行ってよ。もう用意しとるんや」

おいおい!前もって案内して無かったんかい!
まったくかつおさんは!

麦さんは悪いなぁと言いながらも残ってくれた。
良かった。
麦さんがいると楽しいし頼りになる。
話も弾み楽しく賑やかな食卓となった。
綿子さんも麦さんもどれも美味しいと喜んでくれた。
けれどやはり量が多かったようだ。
綿子さんにはウナギ半身を出したのだが、その半分を残して「これ持って帰って食べるわ」と言い出した。
そんな無茶な!
それを施設に持って帰っていつ食べるん?
食事の時に自分だけそれを出して食べるん?
それとも部屋でこそっと食べるん?
そんな事無理でしょ。
そもそも食べ物の持ち込みは禁止だ。

「アホ言うな!それは持っていけんぞ!」

綿「そんなこと言わんと」

やれやれまたこのやり取りかい!
勘弁してくれー!!
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1月25日 土曜日

今日はいよいよ綿子さんが外出して家に戻ってくる。
ついでに茂造さんも連れて帰ろうかとチラッと考えたが、今、茂造さんは『家に帰りたい病』が酷いので下手に連れて帰って悪化したら困ると思いやめた。
それに綿子さんも茂造さんがいない方が喜ぶだろう。

10時前、かつおさんがいぶきの森へ迎えに行き、そのままかっちゃんちへ米さんの仏壇のお参りに連れて行った。
わたしはいつもより早めに実家へ行き、両親を買い物に連れて行き、10時半ごろ戻って来た。
かつおさん達が戻る前にお昼ご飯の用意をしておかないと。

結局、今日のメニューのメインはウナギにした。
綿子さんの大好物だし、やはりごちそう感が出る。
他にごちそう感があるものとして思いつくのはお刺身やお寿司だが、生ものは施設の方からNGが出ているので出せない。
なのでやはりウナギにしようということになったのだ。
他にもかつおさんが得意料理のエビとアボカドのマヨネーズ和えとザク切りキャベツの豚肉巻きを作っていた。
わたしは粕汁を作った。
それと綿子さんの大好きな柿を使ってカブと干し柿の甘酢和えも作った。
あと一応白米も用意した。
うな丼とかうな重にして食べたいなら白米がいるから。

これらをどんどん綿子さんちに運び、小皿に取り分け食卓に並べた。
そうこうしているうちにかつおさんが綿子さんを連れて戻って来た。

「綿子さん、おかえり」

綿「あ~好子さん、ありがとなぁ~」

「食事の用意はまだできてないからリビングでゆっくりしとって」

ちょうどそこへハルちゃんがゆうくんを連れてやって来た。
ナイスタイミング!
綿子さんの相手はハルちゃんとゆうくんに任せ、わたしとかつおさんは台所へ。
せっせと準備をしているとリビングの方が賑やかになった。
麦さんが到着したようだ。
麦さんは出来立てほやほやの栗おこわを持って来てくれた。
この栗おこわ本当に美味しいのよ。
大きくて立派な栗がこれでもかってくらい入っている。

「いつもありがとうございます」

「いやいや、これしか出来んのや~。アホの一つ覚えでな~」

よく言うわ。
麦さんの料理はとても美味しい。
それに麦さんはかなり潔癖症なので安心して食べることができる。
昔は綿子さんの手料理もとても美味しくてお裾分けをもらったら喜んで食べていたのだけれど、だんだん恐ろしくて食べられなくなってしまった。
まな板はカビて黒ずんでいるし、雑巾のような台ふきんを使っているし、お皿や調理器具を洗う時に洗剤を使わないのを見ると気持ち悪くて食べられなくなってしまった。
麦さんもわたし達に「綿ちゃんには言えんけど、ここで出されたもんは食べとうないんや」と言っていた。
ハルちゃんと翔ちゃんも「ばあちゃんの作った唐揚げとポテトサラダは絶品やったよなぁ。もう二度と食べられんのか~」と嘆いている。
ほんとあの頃のポテトサラダがもう一度食べたいなぁ。

続く
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1月20日 月曜日

今日もかつおさんがいぶきの森へ茂造さんの洗濯物の回収に行った。

茂造さんはかつおさんの顔を見ると「お!わしの息子や!」と言ったそうだ。
かつおさんはおっ!今日は調子ええやん!と喜んだのだが、

「息子の秀夫や!」

ガックリ。
ちゃうやん!秀夫はじいさんの弟やないかい!
そして今日も便汚染。
さらにガックリ。

かつおさん、今日は週末の綿子さんの外出に向けて動いたそうだ。
かっちゃんに電話をかけアポをとったそうだ。
そして麦さんにも電話し、綿子さんを25日に家に連れて帰る予定だと伝えたそうだ。
麦さんは栗おこわを持って会いに来てくれるそうだ。
これでバッチリだ。
けど栗おこわか~。
栗おこわは麦さんの得意料理でとっても美味しい。
だけどこの週末のメニューは正月の茂造さんの時と同様ウナギにしようと考えていたのだ。
メニューを見直さないと。
う~んどうしよう。
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1月1日 水曜日

今日は令和7年1月1日元日。
久しぶりに茂造さんが家に戻る。
綿子さんは残念ながらコロナの感染対策のため今回は我慢してもらった。

ハルちゃん&ゆうくんそして翔ちゃんも駆けつけてくれた。
翔ちゃんは帰宅するのは茂造さんだけと聞いて「何やじいさんだけか。それならわざわざ来るんじゃなかった」とぼやいた。
年末に急きょ予定変更になったので翔ちゃんには綿子さんが帰って来ないことが伝わってなかったのだ。
けどそんな事を言うとは思ってなかったのでわざわざ伝えなくてもいいかと思っていた。
でも翔ちゃんもひろ子さんと一緒で茂造さんに会うのはもういいかという心境なのだろう。
そりゃ自分のことを忘れてしまっている人に会ってもしょうがないよね。
気持ちは分かる。
だってわたしも同じだもの。
茂造さんの中にわたしの存在はない。
だからといって面倒を見ないという事はできないが。

朝、10時過ぎかつおさんがいぶきの森から茂造さんを連れて戻ってきた。
帰ってきた途端、賑やかだ。
「ここわしの家か?」「あっここは覚えとる!」「こんなんやったかのぉ?」「やっと帰ってこれたがー!!」
ずーっと喋っている。

一旦ソファーに座らせると「あんた誰な?」と点呼が始まった。
答えてもすぐ忘れてエンドレスなので疲れる。

一休みしたら仏壇へ連れて行った。

「おーこれは覚えとるぞ!なんか思い出してきた!!」

それは何より。
それより早くお昼ご飯の用意をしなくては。
そうしないと無限ループが終わらない。

かつおさんとわたしとハルちゃんとで準備をした。
その間翔ちゃんが茂造さんの相手を務めた。
一人じゃ大変だろう。
急がないと。

とりあえず茂造さんの分は用意できたので食卓へ案内した。
今日のメインはウナギだ。
ウナギはフライパンで温めるのだけど一度に全部はできない。
温まったものから先に食べてもらう。
茂造さんの前にうな丼を出した。

「ウナギか!おお~こらええ!!」

全く躊躇なく食べ始めた。
前に家に戻った時は「皆が揃うのを待たないかんのや」と言って皆を驚かせたのに、やっぱり元の茂造さんだった(笑)
他の人の事は気にも留めず一人バクバク食べた。

「美味いのぉー!!」

それは良かった。
ウナギの他にもお正月っぽく数の子やなますや黒豆、あと茶碗蒸しも出したがペロッと食べてしまった。
凄い食欲だ。
食べすぎるとおなかが痛いと言い出すので全て茂造さんの分として小皿に盛って出している。
大皿で出すのは厳禁なのだ。
しかしまだ物足りないようだ。
第二段で温め終わったウナギを物欲しそうに眺める。

「おかわりいる?」

「おう!くれ!」

「そしたらちょっとだけで」

2切れほどをお皿に取ってあげるとても嬉しそうに食べた。

「まだそこにあるのぉ」

「あれはダメやで。あれはかつおさんの分やで」

「ほうか~」

あっさり引きさがった。
ホッ。

続く
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