かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:ショートケーキ

そして2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんはデイルームの指定席に座っていた。
このところよくここで座っているような気がする。
調子がいいのかな?

「こんにちは!ええもん持って来たから部屋に行こう」

「へえ」

部屋へ移動し、ベッドに座らせ、ショートケーキをお皿に出していて気付いた。
入れ歯をもらって来なくっちゃ。

「かつおさん、入れ歯もらってきて」

「OK」

かつおさんが部屋を出ようとしたところへ大井さんがやってきた。

大「すいません、茂造さんのことでお話があるんです」

「はあ何でしょう?」

大「実は茂造さん、今までずーっとビタミンB12のお薬を飲んでもらってたんです。茂造さんは胃を全摘されていて、胃がないじゃないですか。それだとビタミンB12が吸収できなくなるんです。それでずっとお薬を飲んでもらってたんですけど・・・」

やばい話が長くなりそうだ。
茂造さんの目の前にはお皿にのったショートケーキが。
歯がないのでお預け状態なのだ。
これはさすがに可哀そうだ。

「お話の途中すみません。ちょっと失礼します。茂造さんが待てないと思いますので」

大井さんの話はかつおさんが聞けばいいだろう。
わたしは急いで詰め所へ行って入れ歯をもらってきた。
茂造さんはその間、じーっとケーキを見つめながら待っていたようだ。

「はい、入れ歯もらってきたで」

「おう、ありがとう」

入れ歯をはめると速攻で食べ始めた。

「美味いのぉ~」

1週間遅れのショートケーキをとても喜んでくれた。

話の終わった大井さんも「茂造さん、お誕生日おめでとう」と言ってくれた。

「わし誕生日か?」

「そうや。先週が誕生日やったんや」

「わしの誕生日は昭和7年7月17日!」

おしい!17日じゃなくて27日だ。
けど先週よりは近くなったよ。

「17日じゃなくて27日やで」

「ほうか。わしの誕生日は昭和7年7月27日。92歳!」

「違うで。93歳やで」

「ほうか」

先週もこのやり取り何回もしたんだけどなぁ。
やはり年齢はなかなか上書きされないようだ。
ま、そのうち覚えるでしょ。

帰り際も問題なくすんなり別れることができた。
今日はとっても優秀だ。
いつもこの調子でお願いします。

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8月9日 土曜日

かつおさんと二人で茂&綿の面会に。
まずは綿子さんから。
1時半頃訪問したでまだ入浴前だった。
順番は当分先との事なので、まずは綿子さんと一緒に4階の部屋へ移動した。

今日持って来た花はランタナだ。
これも庭に咲いていたもの。
ランタナは地植えするともの凄く大きく増えるし、種が飛ぶのかあちこちで芽を出し、あっという間にほこってしまう。
なので一度全部刈り取ったのだが、復活してくる厄介な花なのだ。
もう生えて来なくていいってば。
そう思っていたのだが、今回、綿子さんに届ける花に困っていたので許そう(笑)
うちのランタナはピンクと黄色の小花が集まっているかわいい色味のものだ。
綿子さんは「うわ~キレイやなぁ~」と喜んだ。
このところ青もみじやコエビソウと地味な色の花が続いていたからかえらく喜んだ。
先週届けたコエビソウはまだ元気だったのでそのままにし、違う花瓶にランタナを活けた。
二つ並べてご満悦だ。

そして今日のおやつはショートケーキだ。
そう先週のリベンジだ。
今日は時間に余裕があったのでちょっと遠くのケーキ屋さんまで行って買ってきた。
茂造さんの誕生日ケーキなのだが綿子さんもね。

やはりケーキを見ると目が輝く。

綿「うわ~~」

そしてまたも

綿「いっぺんに食べるのはもったいないわ~。大きいし、半分残して晩に・・・」

「食べきれんのやったら残してくれたらええから。持って帰るから」

被せるように言ったら

綿「いや、食べるわ」

毎回、毎回、このやり取り、うんざりです!!

ところで気になっていたことを聞いてみた。

「隣の人とは話しよん?」

綿「隣な?ほとんど話さんな。朝起きた時にちょっともの言うくらいや」

やっぱりか。
ほとんど会話して無いのね。
やはりあの時は調子いい事言ってただけだったのね。

 ※あの時の話はこちら
 
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午後からかつおさんとハルちゃんとゆうくんとで茂&綿の面会に行った。
先週、綿子さんにコーヒーを持って行ったらとても喜んでいたので、今日は二人に飲ませるためインスタントコーヒーとお湯を用意して持って行った。
それともうすぐクリスマスなので二人の大好きないちごショートも用意した。

今日は施設の点検があるそうで綿子さんの入浴は前倒しで昨日になっていた。
なのでいつ訪問しても問題ないはず。
という事で2時過ぎに訪問した。
まずは4階から。

エレベーターを降りデイルームに向かったが綿子さんの姿はなかった。
近くにいたスタッフさんが「綿子さんならついさっき部屋に戻りましたよ」と教えてくれた。
それなら廊下の突き当りの談話スペースに連れ出そうかしらとハルちゃん達と相談していたら、さっきのスタッフさんが「今、同室の方はリハビリに行ってるので不在ですよ」と教えてくれた。
それなら部屋で話が出来る。
ラッキー!

部屋に行くと綿子さんはベッドで寝ころんでテレビを見ていた。

綿「お~来てくれたんか~」

いつも通りの反応だ。

「今日はケーキを持って来たで。もうすぐクリスマスやからな」

綿「うわ~~、嬉しい~!!ここではこんなん全然出んのや~」

このセリフ毎回聞かされる。
しかし、そんな事はない。
貼り出された献立表を見るとデザートが出ている日がちらほらある。
果物だって出ている。
けれど綿子さんは毎回このセリフを言う。
うそつけ!と思うがスルーしている。
けど毎回聞かされるとイラっとする。

「知っとるで。何回も聞いたがな。だから毎週おやつ持って来よるやろ」

毎週1回はおやつが食べられるんだからそれでいいじゃないか。
こっちだって何を持って行けば喜ぶだろう?とか、旬のものを持って行こうとか、取り置きできないものは?とか色々考えて持って来ているんだから。
結構面倒くさいんだから。
茂造さんなら素直に喜ぶだけだ。
その方が気持ちがいい。
どうしてちょこちょこネガティブな言葉を挟むんだろう?
勘弁してほしい。

そしてケーキを食べながら

綿「これ半分残しときたいけど無理やのぉ」

うんざりだ。
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ひき続き12月9日のこと

綿子さんの入所はどうなるか分からないことになってしまった。
けど、入所できないことが決まった訳ではない。
まだ望みはある。
気を取り直して名前つけを続けた。

しばらくすると茂造さんが起きてきた。

「腹減ったが~」

かつおさんが見るとストーマ袋がパンパンに膨らんでいたそうだ。
トイレに連れて行き、中の便を捨てる。
が、そんなに便は溜まってなかった。
パンパンの原因はガスだったそうだ。
今、施設ではストーマ袋の中の便を捨てたり、交換するのは全てスタッフさんがやってくれているそうだ。
定期的に便を出してくれるので、茂造さんが自分でやらなくていいのだ。
なので服を汚すことがグッと減ったのだ。
今は滅多に便汚染の洗濯物はない。
自分でやっていた頃は捨てるときにこぼしたり、うっかりパンパンにして溢れさせたりという事があったが、スタッフさんがやってくれるようになって汚すことがなくなったのだ。
それに勝手に外すこともしなくなったそうだ。
今日も大人しくされるがままになっていた。
いい傾向だ。
だがかつおさんは久しぶりにストーマ袋を触ったので開け方は覚えていたが閉じ方を忘れてしまっていた。
どうするんやったっけ?と悩んでいたら数くんが手際よく閉じてくれたそうだ。
さすが医療従事者!
とても頼もしい。
実際、茂造さんに対する声掛けもとても上手だ。
茂造さんの無理な要求をうまくかわす。
かつおさんにも見習ってほしい。

ストーマ袋の中を捨ててスッキリした茂造さんはまたも「腹減ったが~」と言う。
食べさせてあげたいが、あまりたくさん食べさせないで下さいと施設から言われている。
おやつの時間にはまだ早いので散歩に連れ出すことにした。

「じいさん、ちょっと散歩に行かんか」

「おう、ええのぉ」

うまく気をそらすことができた。
散歩には数くんも同行してくれた。
シルバーカーを押しながら近くの出水まで行き、戻って来たそうだ。
今回の茂造さんは結構色々なことを覚えていたそうだ。
「あそこは〇〇さんの家やの。それは✕✕さんの田んぼや」といった具合だ。
前回は「あれは誰の家や?」など質問攻めだったのだが、ちゃんと覚えていたようだ。
すごいじゃん茂造さん!
なんだかんだずっと喋りながら出水に着いた。
数くんが「おじいさん、しんどくないんな?」と声をかけると「しんどない!」と元気に返って来たそうだ。
だが、その5秒後には「しんどいのぉ。帰ろうか」と言ったそうだ。
さすがの数くんも面食らったそうだ。
ついさっきしんどくないって言ったとこやん!
MB5

そして家に戻って来たら2時半過ぎだったのでおやつにした。
今回もショートケーキを用意していた。
この時も一番に茂造さんの前にケーキを出すと「みんな揃てからや」と言ったが、気付くと食べていた。
そしてあっという間に食べてしまった。
ヤバい。私たちも早く食べなくては。
ハルちゃんだけはゆっくり食べていた。
すると茂造さんがジーーーーーっとハルちゃんのケーキを凝視した。

「むっちゃ食べづらいんですけど~」

だからさっさと食べないかんのやで。

「食べかけやけど要る?」

「いかん、いかん!食べさせ過ぎたらいかんのや」

「いかんのやって。ごめんな」

ハルちゃんは食べづらそうに残りを急いで食べたのだった。
次からはさっさと食べるべし。

そして今回も施設に連れて戻るのは至って簡単だった。
「腹が減ったが~」という茂造さんに
「じいさん、そしたらいぶきの森に戻ったら晩御飯や。ほな戻るか」
と声をかけると「おう!行く」と素直に車に乗ったのだった。
いぶきの森に着くとまたも「腹が減ったが~」を連発している。
スタッフさんに「茂造さんはいつも腹ペコさんやからな」と言われていた。
なんだかかわいい響きだ。
「もうちょっとしたら晩御飯やからな。それまで部屋で横になっとくんな」
「へえ。そうしようか」
さすがスタッフさんは茂造さんの扱い方を心得ている。
「じゃあ、次は正月に迎えに来るわな」
「へえ」

こんなにスムーズにいくなら茂造さんの一時帰宅はもっと頻度を上げてもいいかもしれない。
今回の帰宅ではかなり色々なことを覚えていたし。
一時帰宅はいい刺激になっているのだろう。
綿子さんが居ないので気を使わなくて済むからずい分楽だし。
またね茂造さん。


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10月28日 土曜日

いよいよ茂造さんが家に帰って来る日だ。
11時過ぎにかつおさんが、いぶきの森へ迎えに行くことになっていた。
かつおさんは朝のうちにケーキ屋さんに行って、茂造さんが大好きなショートケーキを買ってきた。
私は早めに実家へ行き「今日は11時までに家に戻りたいから、さっさと買い物してな」と言いながら両親を買い物に連れて行った。
両親も理解してくれ、10時半には家に戻ることができた。
なので二人で施設まで迎えに行くことにした。

11時前、車に乗り込み出発しようとしていると、綿子さんがこちらの方へ歩いてきているのが見えた。
気になるのだろうか?
けど一緒に行く気が無い事は明らかなので、さっさと施設へ向かった。

施設に着き、近くにいたスタッフさんに声をかけ、少し待っていると、畑田さんともう一人のスタッフさんに付き添われた茂造さんがやって来た。

畑「茂造さん、息子さんが家に連れて帰ってくれるんやで。よかったなぁ」

「ほうな~」

けれどかつおさんの顔を見て「秀夫か?」と言うし、わたしには「誰かな?」と言っている。

畑「息子さんと嫁さんやないの。迎えに来てくれたんやで。お家で美味しい物いっぱい食べて、夕方にはここに戻って来てよ」

「へえ」

「さあ、行くぞ、じいさん」

分かっているのか分かってないのかよく分からないが素直について来た。
車に乗り、家に向かっていると「わし、なんであそこに居ったんやろか?」と言い出した。
「何って言うとこに居ったんや?」疑問だらけのようだ。
そして窓から見える景色を見て
「こんな所、初めて通ったが」
「ここは見たことがある」
「これは学校かのぉ?」
「おっ!赤や」←信号を見ている
ひたすら喋る。
なんだか楽しそうだ。

「もうすぐ家に着くぞ」

「ほうか」

そして我が家の庭に到着した。
庭には綿子さんが立っていた。
ずっと庭にいたのだろうか?
30分以上は経っているのだが。

かつおさんは庭の奥まで車を入れた。
少しでも家に近いところに止めてやろうとの事だ。
車から茂造さんを降ろし、かつおさんが手を引いて家に連れて行った。
わたしは一旦自分ちへ、昼ご飯用に買ってきた物を取りに戻ろうとした。
そこへ綿子さんが寄って来て「あれ誰な?」と言った。
えっ?何を言ってるんだ?

「あれ、茂造さんやん」

綿「えっ?」

半年会わないと顔を忘れたのか?
マジか!?

続く
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