かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:スムーズ

昨日の続き

茂造さんをベッドに座らせおやつを渡そうとしていたら茂造さんがスッと横に寄った。

「お前も座りな」

気遣ってくれたのだ。
ちょっと感動した。

「じいさん、ほら、これ食べな」

おやつを差し出すと

「おぉ~美味そうやのぉ~」

パクリとかみつき「美味いのぉ~!」と言った。
「これは美味い!」ご機嫌だ。

「もう一ついるか?」

「おぉ、くれ!これはええ!」

とても美味しそうに食べているがよだれがボタボタ落ちている。
急いでタンスからタオルを取り出し渡した。

「おぉ~これはええタオルや!ありがとのぉ」

何でも最高に褒めるじゃん!
こういうところがスタッフさん達にも人気の秘訣なのだろう。
幸せ茂造の一生

おやつを食べ終わり落ち着いたので話題はゆうくんの写真へ。
今日もポケットにミニアルバムが入っていた。
茂造さんはそれを取り出し可愛いのぉと眺めていた。

「じいさんに似とるやろが(笑)」

「おう!わしに似とる!」

相変わらずだ。

そして

「今日はわしが生まれたとこには帰れんのやろ?」

「そうや」

「また今度な。茂造さん、おやつ食べたらのどが渇いたやろ?もうお茶の時間やから席に戻ろうか」

「そやの」

こうしてまたさっきの席まで戻ったのだった。
ちゃんと座布団を持って。
なんてスムーズ。
本当に茂造さんの相手は世話ない。

「そしたらまた来るからな」

「へぇ。ありがとう」

またちょこちょこおやつを持って面会に行こうと思う。
家に帰るのはもうちょっと待ってね茂造さん。


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ひき続き12月9日のこと

綿子さんの入所はどうなるか分からないことになってしまった。
けど、入所できないことが決まった訳ではない。
まだ望みはある。
気を取り直して名前つけを続けた。

しばらくすると茂造さんが起きてきた。

「腹減ったが~」

かつおさんが見るとストーマ袋がパンパンに膨らんでいたそうだ。
トイレに連れて行き、中の便を捨てる。
が、そんなに便は溜まってなかった。
パンパンの原因はガスだったそうだ。
今、施設ではストーマ袋の中の便を捨てたり、交換するのは全てスタッフさんがやってくれているそうだ。
定期的に便を出してくれるので、茂造さんが自分でやらなくていいのだ。
なので服を汚すことがグッと減ったのだ。
今は滅多に便汚染の洗濯物はない。
自分でやっていた頃は捨てるときにこぼしたり、うっかりパンパンにして溢れさせたりという事があったが、スタッフさんがやってくれるようになって汚すことがなくなったのだ。
それに勝手に外すこともしなくなったそうだ。
今日も大人しくされるがままになっていた。
いい傾向だ。
だがかつおさんは久しぶりにストーマ袋を触ったので開け方は覚えていたが閉じ方を忘れてしまっていた。
どうするんやったっけ?と悩んでいたら数くんが手際よく閉じてくれたそうだ。
さすが医療従事者!
とても頼もしい。
実際、茂造さんに対する声掛けもとても上手だ。
茂造さんの無理な要求をうまくかわす。
かつおさんにも見習ってほしい。

ストーマ袋の中を捨ててスッキリした茂造さんはまたも「腹減ったが~」と言う。
食べさせてあげたいが、あまりたくさん食べさせないで下さいと施設から言われている。
おやつの時間にはまだ早いので散歩に連れ出すことにした。

「じいさん、ちょっと散歩に行かんか」

「おう、ええのぉ」

うまく気をそらすことができた。
散歩には数くんも同行してくれた。
シルバーカーを押しながら近くの出水まで行き、戻って来たそうだ。
今回の茂造さんは結構色々なことを覚えていたそうだ。
「あそこは〇〇さんの家やの。それは✕✕さんの田んぼや」といった具合だ。
前回は「あれは誰の家や?」など質問攻めだったのだが、ちゃんと覚えていたようだ。
すごいじゃん茂造さん!
なんだかんだずっと喋りながら出水に着いた。
数くんが「おじいさん、しんどくないんな?」と声をかけると「しんどない!」と元気に返って来たそうだ。
だが、その5秒後には「しんどいのぉ。帰ろうか」と言ったそうだ。
さすがの数くんも面食らったそうだ。
ついさっきしんどくないって言ったとこやん!
MB5

そして家に戻って来たら2時半過ぎだったのでおやつにした。
今回もショートケーキを用意していた。
この時も一番に茂造さんの前にケーキを出すと「みんな揃てからや」と言ったが、気付くと食べていた。
そしてあっという間に食べてしまった。
ヤバい。私たちも早く食べなくては。
ハルちゃんだけはゆっくり食べていた。
すると茂造さんがジーーーーーっとハルちゃんのケーキを凝視した。

「むっちゃ食べづらいんですけど~」

だからさっさと食べないかんのやで。

「食べかけやけど要る?」

「いかん、いかん!食べさせ過ぎたらいかんのや」

「いかんのやって。ごめんな」

ハルちゃんは食べづらそうに残りを急いで食べたのだった。
次からはさっさと食べるべし。

そして今回も施設に連れて戻るのは至って簡単だった。
「腹が減ったが~」という茂造さんに
「じいさん、そしたらいぶきの森に戻ったら晩御飯や。ほな戻るか」
と声をかけると「おう!行く」と素直に車に乗ったのだった。
いぶきの森に着くとまたも「腹が減ったが~」を連発している。
スタッフさんに「茂造さんはいつも腹ペコさんやからな」と言われていた。
なんだかかわいい響きだ。
「もうちょっとしたら晩御飯やからな。それまで部屋で横になっとくんな」
「へえ。そうしようか」
さすがスタッフさんは茂造さんの扱い方を心得ている。
「じゃあ、次は正月に迎えに来るわな」
「へえ」

こんなにスムーズにいくなら茂造さんの一時帰宅はもっと頻度を上げてもいいかもしれない。
今回の帰宅ではかなり色々なことを覚えていたし。
一時帰宅はいい刺激になっているのだろう。
綿子さんが居ないので気を使わなくて済むからずい分楽だし。
またね茂造さん。


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