かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:ポケット

さあ帰ろう。
茂造さんも喋り通しで疲れただろう。

4階まで綿子さんを送って行く。
エレベーターを降りたところでもうひと仕事だ。
ポケットに隠し持っている栗饅頭を回収しなくては。
茂造さんが喋り倒している間にそっと食べかけの饅頭をポケットに忍ばせたのを見逃さなかった。
最後の1個を半分こして袋ごと渡したのがあだとなったのだ。
勘弁してよね。

好「綿子さん、ポケットの中の饅頭食べてよ。食べんのやったら持って帰るから」

綿「いや~」

驚いた顔をしたが急いで素知らぬ顔をし、なんとか誤魔化そうとする。

好「ポケット入っとるやろ」

綿「楽しみに取っときたいんや」

ハ「だからそれはイカンのやって」

綿「そんなん言わんでええが」

いつになく強情だ。
けれど見逃して帰る訳にはいかない。
あんなにポロポロ崩れる饅頭をこっそり見つからないように食べられる訳がない。
食べた後はベッドの上も下もあんこの欠片だらけになるだろう。
それにここでOKすると今後にもかかわってくるし。
こちらも頑として譲らずにいたので押し問答が続いた。

好「ほら、さっさと食べてよ」

綿「いや~」

好「そんなことするんやったら今度からおやつ持って来れんで」

こんなことまで言いたくないのだが。
すると近くにいたスタッフさんが「どうしたんですか?」と寄ってきた。

好「ポケットに饅頭を入れてるので食べるように言ってるんですが食べてくれなくって」

ス「あら綿子さん、それはダメよ。置いとくことは禁止なの。ルールだからね」

綿子さんはムッチャ不服そうな顔をして黙り込む。

好「食べんのやったら持って帰るで」

綿子さんはようやくポケットから饅頭を取り出し渋々食べたのだった。
今日の栗饅頭はよっぽど美味しかったんだろう。
けどこんなことして後味がムッチャ悪くなったじゃないか。
茂造さんを見習って美味しいものは美味しくいただく。
食べられるときに食べる。
そうしてください。
お願いだ。

はぁ~疲れた。
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夕方、持ち帰った洗濯物を洗おうと外に出た。
ナイロン袋を開け、洗濯機に放り込む。
ちゃんとポケットは確認しとかないと、時々ティッシュが入ってるからね。
今日もズボンのポケットからティッシュが出てきた。
やはり確認作業は省けない。

そして2個目の袋を開けた。
すると強烈な便臭が!!
取り出すとべっとり便が付いている。
下着だけじゃなく長袖のポロシャツにもズボンにも靴下まで便まみれだ。
嘘でしょ!!
袋の外側を確認したけど便汚染とは書いてない。
え~、ちゃんと書いといてよ~。

それよりコレどうしよう。
戦意喪失するくらい便まみれ。
もうええんちゃう。
捨てても。

かつおさんを呼んできた。

好「これどう思う?捨ててもええかな?」

か「ええ!ええ!こんなん全部捨てよう!」

明日はゴミの日。
捨てることに決定した。

それにしても久々だ。
しばらく汚染が無かったので油断してた。
よく考えると今日、洗濯物が出てることがおかしかったのだ。
これっきりで落ち着きますように。
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今日持って行った花はルドベキア。
もちろんこれも庭に咲いていたのを摘んできた。
鮮やかな黄色が夏ぽくっていいよね。
綿子さんもいつも通り「キレイや~」と喜んだ。

で、おやつはビワとスモモを用意した。
洗ってタッパーに2個ずつ入れて持って行った。
それを見てすかさず「1個ずつ置いとく」と言い出す綿子さん。
それはダメです!
で、渋々食べ始めるといういつものルーティンをこなす(笑)

ビワは上手に剥いて食べたのだが、スモモは大惨事となった。
ボタボタと汁をこぼし、せっかくお風呂から上がって着替えたばかりの服の胸元が真っ赤っかに染まった。
ギャーマジかー!
実は今回、茂造さんは上手く食べられないだろうと予想して他のおやつを用意してきた。
けど綿子さんは大丈夫だろうと思って持って来たのだが、失敗だった。
やはり少しずつ衰えているのね。

しかし悪知恵は衰えない。
今回も綿子さんは人の目を盗んでスモモを1個ポケットに入れた。
そんな一瞬で食べられる訳ないやん!
見てなかったけどすぐ気付いた。

好「アカンで。今、ポケットに入れたやろ」

綿「あら、見とったんな」

バツが悪そうにポケットからスモモを出した。

綿「晩に食べたいんや」

好「ほな持って帰るわ」

綿「いや、いや、今食べるわ!」

慌てる綿子さん。
いい加減にしてほしい。
そしてやっと食べたのだが、またも胸元に赤い汁が大量にかかることとなった。

こんな状態なのに夜にこっそり食べる事なんでできる訳ないやん!
それに皮や種の処分はどうするつもり?
どうせ何も考えて無いんやろ!
まったく‼

ようやくスモモを食べ終わったので服を着替えさせて真っ赤に染まった服は回収した。
家に戻ったら急いで染み抜きしないと。
あと一応おせんべいも用意していた。
果物だけだと満腹感が薄いかと思ってのことだったのだが、疲れたので出すのをやめた。
綿子さん、自分で自分の首を絞めているんだよ。
気づいてる?
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暫くすると茂造さんはスタッフさんにキレイに整えてもらい部屋に戻って来た。

茂「お~来てくれたんか」

久しぶりのハルちゃんやゆうくんを見てもいつもと変わらない反応だ。
時間の感覚もよく分からくなっているのかな?
けどゆうくんの名前だけはちゃんと覚えていた。
ハルちゃんやかつおさんの名前は分からないんだけどね。

茂造さんにも新しいゆうくんの写真を見せた。
アルバムに追加しようと思いベッドの手すりに取り付けたウォールポケットを見るとアルバムが無かった。
ひょっとしてと思い茂造さんのズボンのポケットを見るとアルバムが。
ちゃんと見てくれているようだ。
先日「ここに写真があるから見てな!」とウォールポケットからアルバムを出して見せた効果があったという事だ。
やっと覚えてくれたようだ。
けどやっぱりポケットがパンパンだ(笑)
だからウォールポケットを用意したんだけどなぁ。

ハ「じいちゃん新しい写真持って来たで!」

茂「おお~」

1枚1枚じっくり見ている。
そして

茂「これどこや?畑か?」

ハ「これは公園や」

茂「これはわしの家か?」

ハ「そうや」

茂「お~やっぱり。見覚えがある!」

どうも場所が気になるようだ。
そしてまたも「温室は?」が始まりいつものループに突入していくのだった。
もうええって!!

一通り見たら「ん、ありがとう」と写真を返してきた。

ハ「いやいや、これはじいちゃんのやで。アルバムに入れとくわな」

茂「ほんまか!ありがとうございます」

これでアルバムは5冊目に入った。
お願いだから見る分だけを取り出すようにして、あとはウォールポケットにしまっておいてください。
そうじゃないと5冊もポケットに突っ込んだらポケットに穴が開きそうだ。

その後おやつのカステラをこれまたとっても美味しそうに食べ、ゆうくんを見て喜び、楽しくひと時を過ごした。
そして今日は割とあっさり別れることができた。
いつもこうだといいのにな。
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綿子さんの相手はハルちゃんたちに任せて、わたしは今のうちにと4階へ着替えを片付けに行った。
ついでにアルバムを取ってきた。
今日持ってきた写真を追加するためだ。

1階に戻ると一通り説明が終わっていた。
が、綿子さんはまだ熱心に写真を見ていた。

好「写真はいつでも見れるんやから、せっかく本物のゆうくんが来とるんやから写真見んとゆうくん見なよ」

綿「そやなぁ」

綿子さんから写真の束を受け取り、アルバムに追加していった。
かなりの量だ。
ちなみに茂造さんに渡しているアルバムは写真1枚分の大きさのもので何とかズボンのポケットに入るサイズ、綿子さんはポケット入れるわけではないし、基本部屋で見るのでもう少し大きく1ページに2枚入るサイズのもので厚さも結構あるものなのでかなりの写真が入る。
けれど今回の写真を追加したらパンパンになってしまった。
次は2冊目のアルバムを用意しないとね。

写真を入れ終わり「はい、どうぞ」と綿子さんに渡した。
綿子さんはびっくりしたような顔をしている。

綿「これ、くれるん?かまんの?」

さっきまでの会話は何だったんだ?
はじめっから「これどうぞ」って言うてあるやん。
茂造さんのもちゃんと用意しとるって言うたやん。
それでも自分にくれたとは思ってなかったのか?

好「そやで。これは綿子さんにってハルちゃんが持って来てくれたんやで」

綿「うわ~~!嬉しいわ~~!ありがとなぁ」

やっと理解したのね。
ま、喜んでくれてなにより。
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