かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:仏壇

8月15日 土曜日

今日、いよいよ茂&綿が家に帰ってくる。
10時にいぶきの森に迎えに行くことになっていた。
以前はかつおさんが一人で迎えに行っていたんだけど、綿子さんが車椅子になってからは一人では心許ないのでわたしが同行していた。
が、今回、数くんが「僕、行きましょうか?」言ってくれたのでお願いした。
その方が安心、安全だもの。
ありがとう数くん。
で、今回車2台で迎えに行った。
1台は軽自動車。
これが一番乗り降りがしやすいから。
それと軽トラックだ。
これには綿子さんの車いすを積むためだ。
ほんと二人を連れて帰るのは大ごとだ。

二人が迎えに行っている間、わたしは茂造家でお昼の準備だ。
コップやお皿を洗い直した。
半年以上使わずにしまったままだったので洗わないと使う気になれない。
古い家なので閉め切っていても虫が入るし埃がするから。
昨日も掃除をしていたら綿子さんの部屋でムカデが死んでいるのを発見した。
ヒエ~!
そんな家なのだ。

あと今日のお昼用のお弁当を受け取ったり、ゆうくん用の椅子を運んだりとバタバタしていたらかつおさんが茂造さんを連れて帰って来た。

「ちょっとじいさん見よってくれ~」

急いでリビングに行くとソファーに座らせようとしているところだった。

「茂造さんお帰り~」

かつおさんは急いで綿子さんと数くんのもとへ。
残されたわたしと茂造さん。

「腹が減ったが~」

「そうなんや~。けどお昼ごはんにはまだ早いからなぁ。そうや、仏壇参る?」

「そうやの。参ろうか」

少しでも気を紛らわせよう。

茂造さんの手を引き仏壇の前へ。

「おう!うちの仏壇や。覚えとる」

今回は結構覚えていたようだ。
さっきリビングでも同じことを言っていた。
前回は自分の家だと分からずにかつおさんに「この家どうしたんや?大きな家やのぉ~。借りとるんか?」なんて言ってたのに比べたら上出来だ。

  ※その時の話はこちら
  

続く
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昨日の続き

ホント長い時間かけてようやくパンを食べ終わった。
ふ~、疲れたー。

パンを食べ終わると綿子さんはまたも

綿「一度家に帰りたいんや。仏壇にまいりたいんや」

とかつおさんに訴えた。

「おう。またの。盆くらいにの。けど泊るんは無理やぞ」

綿「・・・」

それにしても仏壇を参りたいってその理由は無理があるでしょ。
仏壇の中には綿子さんの嫌いな人しかいないのに。
絶対、仏壇の事なんかどうでもいいくせに。

「仏壇や、おかんの嫌いな人しか入ってないのに参らんでええやないか」

綿「・・・」

またも無言になる綿子さんだった(笑)

ところで茂造さんの様子はどうだった?とかつおさんに尋ねると、割と元気だったそうで豆パンも爆速で食べたし、いつものように「家に帰る!」を連発していたそうだ。
けど声がガラガラ声になっていたそう。
かつおさんも自分に移ると嫌なのでさっさと引き上げてきたそうだ。
ま、そんなにダメージはないようで良かった。
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綿子さんはしばらくリビングでじっとしていたのだが、またも行動を開始した。
仏壇の前に行って何やらゴゾゴゾしている。
何をしているのかと思ったら、経机の引き出しを開けて中を物色していた。

「何しよん?」

声をかけるとビクッと驚いたようだった。

綿「いや、皆がいつ死んだんやったかと思うて」

???
さっきは仏壇を参るのを渋っとったくせに?
死んだ日なんか気になるの?

綿「為五郎さんが死んだん、いつやったんかいの?そこの位牌の裏みたら書いとると思うんやけど」

仏壇には位牌が4つ並んでいる。
わたしにはどれが為五郎の位牌か分からない。

「どれ?見てあげるわ」

綿「どれか分からんのや」

はぁ?
戒名も覚えてないんかい!
本当に死んだ日が気になっていたのかしら?
ひょっとして適当なことを言って誤魔化しているだけで、本当は引き出しの中にマッチや小銭がないか探していたのではと勘ぐってしまう。
やっぱり目が離せない。

そして麦さんが仏壇にお供えしてくれていたみかんゼリーを見て「コレ持って帰って、いつも世話になっとる人に配ろうと思うんや」と言い出す。
だから!ダメだってば!
食べ物をかってに人に配っちゃダメなんです!!
何回言うたら覚えるんや。

その後もまっすぐリビングに戻らず、隣の部屋へ。
この部屋は今、ほぼ物置と化していた。
綿子さんやフネさんの古いタンスや使わなくなったベビー用品が置いてある。
綿子さんはそのタンスを開けて中を覗く。
そこは変わってませんから。
サイズの合わない服しか入ってないよ。
そしてフネさんのタンスまで開けている。
フネさんの物なんか着ないでしょ。
何がしたいんだ?
けれど今回、自分の部屋には一度も行かなかった。
なんで?
隣の部屋で茂造さんが寝ていたからな?
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茂&綿を乗せた車が庭に入ってきた。
わたしは急いで介助に向かった。
綿子さんはシルバーカーも杖も持っていない。
かつおさんに聞くと「あつ!忘れとったわ」
おいおい。
それこそ綿子さんの家では必須アイテムなのに。
仕方なく手を引いて家まで連れて行った。

かつおさんは茂造さんに付き添った。
茂造さんはしきりに周りを見回して「ここはわしの家か?」と言う。
いつも思い浮かべている景色と違っているのだろう。
なんてったって茂造さんは今、自身が若い頃にタイムスリップしているんだもの。
ガラスの温室があった頃に。
そりゃあ景色は全然違っているだろう。

「こんなかったかのぉ?」

ずっと疑っている。

「そうやが、ここがじいさんの家やないか」

「ほうかのぉ?」

とにかく家の中に入り、リビングまで連れて行き、ソファに座らせた。
かつおさんはお弁当を受け取りにでかけた。
わたしは台所へ行き、お茶を汲んだ。
リビングに戻ると茂造さんと綿子さんが向かい合わせに座っているが会話は無い。
綿子さんは茂造さんと目を合わせようとしない。
なんだか重い空気だ。

「一息ついたら仏壇参るんな?」

「おう!そうや、仏壇参らないかん」

お盆ですものね。
茂造さんは立ちあがったが綿子さんは座ったままだ。
仏壇を参る気は無いようだ。

茂造さんを仏壇の前に連れて行くと

「南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~」

大きな声で3回繰り返す。
念仏は忘れないのね。
感心する。

「コレには見覚えがあるのぉ。おっ、ちょっと思い出してきたぞ」

仏壇を見て何となく自分の家だと感じてきたようだ。

茂造さんをリビングに連れて戻り、綿子さんに「綿子さんもお参りせんの?」と声をかけた。
すると「ほなしよか」と渋々な感じで立ち上がった。
結局行くんやったら一緒に行けよ!
面倒くさい!
初っ端からこれかよ、今日一日どうなることやら…。
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3月10日 日曜日

今日はかつおさんと茂造さんちへ空気の入れ替えをしに行った。
人が住まない家は傷むというし、せめて1週間に1度くらいは窓を開けて風を入れないとと思っている。

そして茂造さんちへ出向いた時は一応、仏壇を参ることにしている。
お花は造花だし、ご飯をあげたり、お水をあげることもほとんどない。
日持ちするお菓子などをお供えするぐらいだ。
せめて来た時ぐらいお参りをと思っている。

今日も仏壇を参っていたらかつおさんが「線香やろうそくはまだあるんかな?」と言い出した。
茂&綿が在住の時は電子ろうそく&線香にしていたが、今はわたし達がたまに参るだけなのでその時くらいは本物でと思い、火をつけている。
なので在庫が気になったのだろう。
「むっちゃあるで。そこの引き出しの中に線香がたっぷり入っとるし、この紙袋の中にはろうそくがいっぱい入っとるで」そう言いながら見せると「ようけあるな~」と驚いていた。
以前マッチを回収したときに線香やろうそくが大量にあるのを見つけたので、ある程度整理しておいたのだ。
線香は毎年土砂加地法要に行くとお寺さんがくれるのでどんどん溜まっていくのだ。
これもここ数年で知った事だ。
お寺さんのこととか仏壇のことなどほとんど知らなかったしかつおさんも知らなかったので茂&綿の二人がボケる前に教えてもらっておけばよかったと後悔した。

しかしきっとまだあると思う。
茂造家の仏間は前面に4枚のガラスのひき戸があるのだけれど、開けて両端に2枚ずつになっている。
仏壇の両側にはそのガラス戸の幅くらいのスペースがあるのだが、そこに何やら荷物が詰め込まれている。
ここは触ると大ごとになりそうで怖くて手を付けていなかった。
それにこのガラス戸がスムーズに動かないので放置していた。

「たぶんそこにも線香やろうそくがいっぱいあると思うわ。けど戸が開かんから取れんのや」

「うまいことしたら開くやろ」

けれど10センチくらいしか開かない。

「ほんまや。しゃあない、ちょっと戸を外してみようか」

かつおさんがガラス戸をガタガタ言わせながら外し始めた。
なかなか外れない。
が、なんとか外すことに成功した。
マジかー!
ちょっと絶望した。

続く
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