かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:会いたくない

昨日の続き

その後またも綿子さんから茂造さんの話題が出た。

綿「じいさん元気か?この後行くんやろ?」

「おう、そうや。どうや、ばあさんも一緒に行くか?」

綿「いいや、行かん!私がここにおるんが分かったら押しかけて来るようになるが」

だからそれは無いって!
顔を見ても誰か分からないのに。

「だったらわたし達と一緒に面会に来たんやって事にしたらええやん。それならここに居るとは分からんやん」

綿「いや、ええわ」

「どうせ会うても名前も分からんやろのぉ。じいさんはみんなの顔と名前が一致せんのや。わしやっていつも「秀夫」って言われるんや」

「そうやで。分かるのはゆうきだけやんな」

綿「へえ~ゆうきは分かるんや」

「そうや。けど他は全然分からんのや。わしはかつおやって教えて「おおかつおか!」って言うても、1分後にはまた「秀夫」って言われるし。それに同じ話ばっかりするんや」

か「わしはかつおやっ言うたら「秀夫はなにしよんや?」「秀夫はどこでおるんや?」「温室は?」つぶしたって言うたら「つぶしたんか!」それで「誰がつぶしたんや?」じいさんやって言うたら「お金にならんからのぉ」この繰り返しや」

「そうそう。たいてい話すこと決まっとるよな」

綿「へぇ~」

綿子さんはニコニコ笑いながら聞いていた。

「どう?一緒に行ってみようで」

もう一度誘ってみた。

綿「いや、ええわ」

キッパリ断られてしまった。
やはり会うのは抵抗があるようだ。
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上手く事が運び達成感を感じながら4階へ向かった。
みんなは綿子さんの部屋にいた。
おやつは食べ終わったようで談笑していた。

ここでもチーズタルトはポロポロ崩れて大変だったそうだ。
やはり二度と持って行くまい。
あとで聞いた話によると今日もまた「これ置いといて明日食べるわ」「それはイカン!!」という小競り合いがあったそうだ。
もうルーティンになっている。

かつおさんに茂造さんの牛乳の件の交渉が上手くいったことを伝えると喜んだ。
「さすがよっちゃん!」
本当はかつおさんにやってもらいたいところだが褒められて悪い気はしない。

茂造さんの話をしていたら綿子さんが「今からじいさんのとこに行くんか?」と聞いてきた。

「いや、今日は先にじいさんのとこに行ったんや」

綿「じいさん元気な?」

おや?少しは茂造さんのこと気になるようになったのか?

「おう、元気や。会いたいんか?」

綿「いや、会いとうない!」

すかさず言った。
少しは気になるけど会うのはゴメンという事かな?
まだまだ拒否感が強いようだ。

そして綿子さんが翔ちゃんに言った。

綿「翔ちゃんはええ人おらんのか?」

「うわ!またや!」

わたしもかつおさんも爆笑だ。
今日これで3発目だ。
やはり今日は翔ちゃん厄日のようだ。
お気の毒さま。
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昨日の続き

いぶきの森へ着くと綿子さんはスタッフさんに付き添われ4階へ戻って行った。
かつおさんはそれを見送った後、草野マネージャーからここ一週間の綿子さんの様子を聞いた。

草野さんの話によると、綿子さんは「家に帰りたい」とは言わず、穏やかに過ごしているそうだ。
そして米さんとは再会し、二人とも喜んでいたそうだ。
その事はさっき車の中で綿子さんからも聞いていたそうだ。
綿子さんは米さんのことを「ちょっと痴呆が進んできたみたいや」と言ったそうだ。
ちょっとどころでないはずだ。
もうかなり進んでいると聞いている。
数年前のこと、まだ米さんが自宅にいた頃、かつおさんが綿子さんに「米さんボケとるって噂に聞いたけどほんまか?」と尋ねると「そんなことないぞ。ボケとらへんわ」と言っていた。
米さんちはすぐ近所なので綿子さんはしょっちゅう顔を合わせていた。
綿子さんは本当に気付いてないのか、それとも認めたくないのかよく分からなかった。
デイサービスでさくら苑に通うようになって、入所していた米さんと再開した時も米さんがボケているとは言わなかった。
が、とうとう気付いたのか?認めたようだ。
やっとかい!

そして茂造さんとはやはり会おうとしないそうだ。
が、茂造さんのことを物陰からこっそり見ていたそうだ。
なので草野さんは「お父さんに会ってみる?」と声をかけたそうだ。
すると明らかに不機嫌そうな顔になり「ええ!!」と首を横に振ったそうだ。
そして急いで立ち去りながら後手でしっしっというように手を振ったそうだ。
あちゃ~。
よっぽど嫌なんだろうなぁ。
けど気にはなるという事かな。
茂造さんも嫌われたものだ。
そして茂造さんは綿子さんが同じいぶきの森にいる事を知らない。
ちょっと可哀そうな気もする。

とにかく綿子さんはいぶきの森で生活すると覚悟を決めたようだし、わりと楽しく過ごしているようだ。
大勢いるから夜、怖いという事もなくなっただろう。
なんとかなじんでいるようで一安心だ。

覚悟ができたのなら綿子さんも時々面会したり、家に連れて帰ったりできそうだ。
けど二人一度にという訳には行かないようだ。
めんどくさいなぁ。
倍の時間が必要になるじゃないか。
仲良くしてくれたらいいのに。
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昨日の続き

看「いぶきの森に入所したらご主人の茂造さんも居らっしゃるから、会えるようになるし、ちょうどいいですね」

ゲッ!
何を言うんだ!
かつおさんは焦ったそうだ。

「いえ、会いたくないそうなので別のフロアにして欲しいと頼んでいるんです」

すると綿子さんが

綿「じいさんはどこに居るんや?」

「はぁ?どこに居るか知らんのか?いぶきの森やないか」

綿「私、知らんかったわ~。息子が全然連れて行ってくれんからどこに居るかも知らんし、長いこと会うてないんや」

「何を言うとんや!会いたかったら連れて行ってやるぞって言うても絶対行かん!って言うとったやないか」

綿「そんなこと言うてない」

二人の会話を聞いているソーシャルワーカーの方と看護師さんは笑い転げていたそうだ。
傍から見ると漫才でも見るように面白いのだろうが、かつおさんは笑ってなんかいられない。
よくもまあそんなに流ちょうにウソがつけるもんだとムカムカする。
けどこの間ゆきちゃんが言っていたことが本当だとすると、本人はウソをついているつもりはなく、本気でそう思っているのかもしれない。
そうは分かっていても自分を悪者にされて気分が悪いじゃないか。
勘弁してほしい。

続く
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