かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:光三さん

4月30日 日曜日

先週の土曜日に光三さんにミカンを届けたが、結局、電話はかかってこなかった。
一体どうしたんだろう?
心配なので電話をかけてみることにした。
午前10時くらいのことだ。
呼び出し音はなるが電話に出ることは無かった。
電話の近くにいないのだろうか?
何かしているのかもしれない。
そのうち折り返しがかかってくるだろうと思っていた。
が、結局かかってくることは無かった。
いよいよ心配だ。

昨日の昼間、麦さんがうちに来た。
「これかつおちゃんに渡しといて」とお茶を届けに来てくれたのだ。
その時に綿子さんや茂造さんの近況を話し、光三さんの話題にもなった。

ちょっと前までは麦さんにもしょっちゅう電話がかかってきていたそうだ。
一時は毎日夜の10時になると電話がきていたそうだ。
それがパタッとかかってこなくなったそうだ。
うちと一緒だ。
施設になじめず淋しかったのがようやく慣れて自分のペースが出来てきたのならいいが、なんだかそうじゃない気がする。
じゃなきゃお礼の電話はかけてくるだろう。
面会が解禁になったら一度会いに行ってみなくては。
あの二人とは違うからなゲフンゲフン


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引き続き土曜日のこと

洗濯機を引き取りに行く途中、産直に立ち寄った。
そこでミカンを買った。
久しぶりに光三さんに届けるためだ。

光三さんがサービス付き高齢者向け住宅に入所したのは昨年の11月。
もちろん面会はできない。
それどころか光三さんは入所直後からコロナが流行したため、部屋から出られない生活が続いていた。
それまで大きな家で自由に過ごし、たまには足腰が弱らないようにと外を散歩していたのに、いきなり狭い部屋にこもりきりの生活になってしまったのだ。
退屈で仕方ないのか、ちょこちょこかつおさんに電話がかかってくるようになった。
光三さんはガラケーを使いこなせるのだ。
(うちの茂造さんと綿子さんは無理だったが)
かつおさんも「おっさんも淋しいんやな」と心配していたのだが、次第に夜の11時とか、早朝4時とかに電話が鳴るようになった。
入所する前にはこんなことは一度もなかった。
なんかおかしい。
狭い部屋にこもりっきりで、ひょっとしてボケてきたのだろうか?
入所前はとてもしっかりしていて、全くボケの兆候などなかったのに。

そして「ミカンを買ってきてくれんか?お金はかつ子から貰ってくれ」と電話がかかってきた。
こんなことをかつおさんに頼むなんて考えられない。
それこそ娘のかっちゃんやゆきちゃんに頼めば済むことなのに。
本当に心配になった。
急いでミカンを買って光三さんに届けた。
けれど施設の中には入れない。
受付で職員さんに渡して、光三さんに届けてもらった。
するとすぐ光三さんからお礼の電話があった。
いつものしっかりした光三さんの声だった。

それから、ちょこちょこミカン(手で剥いて食べられるもの)を見つけると光三さんに届けている。
しかし近頃はミカンを届けても電話がかかって来なくなってしまった。
やはりボケてきているのだろうか?
本当に心配だ。
様子がおかしい



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翌日、かつおさんは光三さんに会いに行った。
そして光三さんの考えを聞いてきた。

光三さんは94歳。でも頭はしっかりしていて全くボケていない。
しかし、もともと心臓に持病がありちょこちょこ入院したりしていて足腰が弱くなってしまっていた。
2年前に奥さんの米さんが痴呆のためにグループホームに入所して以来一人暮らしを続けてきた。
近くに住む娘のかっちゃんとゆきちゃんが交代で食事を作ったり身の回りの世話をしに来てくれていた。
そんな状況だったのだが
「まだ動けるうちに入所しようと思う。娘たちにも負担をかけよるし」
光三さんはそう考えたんだそうだ。
そして以前から申し込みをしていたサービス付き高齢者向け住宅に空きが出たとの事で、今回を逃すとまたいつ空きが出るかわからないので決断したそうだ。
この施設は痴呆の人は入れないそうだ。
なので米さんと一緒には入れないんだそうだ。
なかなか難しい。
夫の出来が命運を分けたか

それにしてもかつおさんが訪ねて行った時、光三さんは日が入らない奥の部屋で明かりもつけずにいたそうだ。
ホットカーペットの上に椅子を置き電気毛布とその上からもう一枚毛布をかぶって座っていたそうだ。
そういうところを見たり聞いたりするとやはり一人で広い家に居るより、入所して少しはにぎやかなところで暮らす方がいいのではないかと思う。
しかし、今はコロナ禍で簡単に面会したり外泊できないのがつらい。
そんなことも全て考えたうえでこの決断をした光三さんはやっぱりすごい人だと思う。
わたしも光三さんのように年をとっても周りの人の事が思いやれる人間になりたいと思う。

光三さんちから戻ったかつおさんは

「やっぱりおっさんは凄いわ。ちゃんと後のことまで考えとる」

「けどもう会えんのかのぉ」

涙が光っていた。

はやくコロナが収まりますように。
そうすれば光三さんちに遊びに行くように施設に行けば顔も見られるんだから。


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昨日の続き


「わし、もう無理やと思うんや。
  もう入所させんとこっちがもたん」

「そやなあ」

「ほんだきん、かっちゃんに米子さんを入所させた時のことを聞きに行ったんや」

米子さんというのは綿子さんの実の姉で光三さんの奥さんなんだけど、2年前から施設に入所している。
かっちゃんは米子さんの娘さんでかつおさんの従姉になる。
米子さんも痴呆のため入所させたとは聞いていたが、どの程度だったのか?とか、決断の決め手は何だったのか?を聞きに行ったのだった。

米子さんの場合、夫の光三さんがしっかりしていたので、普段は光三さんがフォローして何とか生活できていたが、痴呆が進み外出すると家に帰ることができなくなったりしていたそうだ。
終いに光三さんが根を上げたため、かっちゃんとゆきちゃん(かっちゃんのお姉さん)が施設を探して入所させたそうだ。

かつおさんがこのところの綿子さんの様子を説明すると
「それは要介護①で無いよ。もっと上やわ」と言ったそうだ。
そしてやっぱり「もう施設入れた方がええんとちゃうかな」とも言われたそうだ。

それにしても綿子さんのエピソードの中で1番かっちゃんの印象に残ったのは昨日の野焼き事件だったそうだ。
「怖いなぁ。米子さんもいつもポケットにマッチが入っとったんや。姉妹やなぁ」
と言っていたそうだ。
放火姉妹

かっちゃんに相談し、背中を押してもらったかつおさんはとうとう決心した。
綿子さんを施設に入れよう!

続く


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