かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:入れ歯

綿子さんにもお茶を出しているとまたもリビングの方が賑やかに。
梅ちゃん一家がやって来たようだ。
ひとまずかつおさんがリビングに向かった。
綿子さんだけ台所に一人にするのも忍びないのでわたしは残った。
ハルちゃんが台所に来たのでバトンタッチしてわたしもリビングへ挨拶に行った。
梅ちゃんは仏壇を参ったあと茂造さんと「兄さんひさしぶりやなぁ~」と話をしていた。
茂造さんも「梅ちゃんか!」と分かっている様子。
おっ!やるやん!
今日は絶好調じゃん。

一通り挨拶が終わったようなので
「お母さんは車いすなんで台所から動けんのや。良かったらあっちにも顔出してあげてくれる?」と頼んだ。
梅ちゃん一家は快く台所へ向かってくれた。

梅「うわ~義姉さん久しぶりやなぁ。元気?」

綿「梅ちゃん、ありがとなあ」

またも涙ぐむ。
ここから梅ちゃんにナゾのスイッチが入ってしまった。
かいがいしく綿子さんのお世話を始めた。
綿子さんの横の椅子に座り何かと世話を焼く。
「義姉さん、お茶飲みなよ」
「ティッシュいる?」
ちょっとびっくりしてしまった。
わたしの中で梅ちゃんはどちらかと言えば世話を焼いてもらう方の人と言うイメージだった。

そうこうしていると翔ちゃんがいぶきの森から戻って来た。
ようやく入れ歯が入るとブドウはあっという間に平らげてしまった。
なのでちょっと早いけどお昼ご飯にしよう。

続く


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昨日の続き

そこへかつおさんがやって来た。

「うわ~やってもうた~。まいったが~。入れ歯忘れてきてしもうた」

「えっ?茂造さん入れ歯入ってないん?」

「そうなんや~。すっかり忘れとったわ。じいさんが歯くれって言いだして気が付いたんや」

「そしたらブドウ食べれんの?」

「そうなんや。今、翔平がいぶきの森に走っとる」

あちゃ~。
茂造さんブドウを前にしてお預け状態かい。
お気の毒。

そしてかつおさんが「さっきびっくりしたんや~」といぶきの森での出来事を話し始めた。

今までこうやって二人を家に連れて帰る際は先ず綿子さんを連れ出し、車に乗せてから茂造さんを迎えに行くという手順を踏んでいた。
「私がここに居る事じいさんには言んといてくれ」という綿子さんのためだ。
けど今回はそんな面倒くさいことは止めたそうだ。
このところちょくちょく綿子さんを連れて茂造さんの面会に行っているが、茂造さんはいつも綿子さんだと分からず「綿子と違う」と言い張っている。
なので一緒に2階へ行っても大丈夫だろうと考えたそうだ。
もしもの時はここまで迎えに来てくれたんやぞとかなんとか言って丸め込めると踏んだそうだ。

ということで車椅子の綿子さんを連れ、2階の茂造さんのもとへ。
詰め所の前で外出届を記入している間に数くんが部屋から茂造さんんを連れ出してきてくれたそうだ。
で、エレベーター前で綿子さんとご対面。
すると茂造さん「おお綿子か!」と言ったそうだ。
マジ⁈
ビックリだ。
今日はすこぶる調子がいいのね。
で、綿子さんは感激したのか涙を流したそうだ。
自分の事を分かってくれて嬉しかったのね。
いつもは「これ誰や?」とか「綿子と違う」と言われても笑っていたけど本心ではやはり悲しかったのね。
で、涙を流す綿子さんを見て茂造さんも涙ぐんだそうだ。
そしてその二人を見た畑田マネージャーもまた涙ぐんでいたそうだ。
へ~そんな事があったんや~。
見てみたかったなぁ。
感動のご対面となっていたそうだ。

けれど、その後数分もすると茂造さんは「アレ誰や?」と言い出したそうだ。
綿子さんも綿子さんで「じいさんはわたしがここにおる事知らんのやろが。言わんとってくれよ」だって。
さっきの涙は何やったんやー!

かつおさんがこの話をしている時、綿子さんはすぐ傍にいたんだけど、ほとんど聞こえてないようで何の反応もなかった。
やはりかなり耳が悪くなっているようだ。
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昨日の続き

入れ歯が入り、ようやく綿子さんもとうもろこしを食べ始めた頃、茂造さんの相部屋のおじいさんが部屋に入ってきた。
そして二人がとうもろこしを食べているのを見て「ええもん食べよるやないか。わしにもくれ」と言った。
ひえ~。
困ったなぁ~。

「ごめんね。おじいさんにあげることは出来んのや」

爺「そんな事言わんと、一つくれ!」

「家族以外の人にはあげたらイカンことになっとるからな」

爺「ようけあるのに一つくらいええやないか」

しつこい。
しばらく押し問答が続いた。
ボケ老人にいくら説明しても納得する訳もなく…。
かつおさんがスタッフさんに助けを求めに行った。
かけつけたスタッフさんがおじいさんに「〇〇さん、向こうに行ってジュース飲もうよ」と連れて行ってくれた。
今日は3時のお茶の代わりに自家製の梅シロップで作った梅ジュースが振る舞われるそうだ。
施設の庭で取れた梅を漬けてシロップを作ったんだそう。
施設でジュースなんてほとんど出ることないので、おじいさんはジュースと聞いていそいそとデイルームに行ってくれた。
ほっ。

それにしても相方がやって来て押し問答している間、茂造さんは全く気にせずパクパク食べていたが、綿子さんは食べづらそうだった。
そりゃあ普通はそうなるよね。
せっかくのおやつタイムが楽しめないじゃないか。
なるべく他の人の目に触れないように部屋で食べているのに、相方がこれじゃあどうしたらいいのやら。
茂造さんを綿子さんの部屋に連れて行くわけにもいかないし。
まいったなぁ。
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2階に着くと目の前に畑田さんがいた。
綿子さんを見て

畑「今日も茂造さんに会いにきてくれたん?茂造さん喜ぶわ~」

いやいや、誰か分からんのに。
けど、誰か分からなくても会いに来てくれる人がいるってだけで喜ぶのかな?

畑田さんは嬉しそうにガラス扉を開けてくれた。
本当に茂造さんのことを思ってくれているのが伝わってこちらも嬉しい。

茂造さんはデイルームにいたので部屋に誘導する。
で、やっぱり綿子さんのことは誰か分からず。
しゃあないな。

今日のおやつはとうもろこしだ。
先々週、二人ともとても喜んで食べてた。
綿子さんなんか特に名残惜しそうにしてて、また持って来るからと約束してたからね。
今日のとうもろこしもさっき買って茹でたばかりのものだ。
1本を8等分に切って、一人4切ずつをタッパーに入れて持って来た。
ちなみに8等分したのはかつおさん。
そんなに小さくせんでええやんと思ったが切ってしまった後なのでしょうがない。

二人に「はい、どうぞ」とタッパーを渡したら

「歯がないが~」

あちゃ~、忘れてた。

「ごめん、ごめんすぐもらってくるわ」

急いで詰め所へ。
入れ歯をもらって部屋に戻ると早速かじりついた。
けれど綿子さんは食べない。
茂造さんを待っていたのかと思っていたのだが、茂造さんが食べ始めたのに食べない。
???
すると綿子さんが

綿「私も歯がないんや」

えっ?
綿子さんはいつも入れ歯を入れっぱなしなのでそんな事とは思いもよらなかった。
さっき寝てたからか?
それにしてももっと早く言えよ!

急いで4階まで入れ歯を受け取りに行った。
入れ歯を受け取り戻ってくると茂造さんはもうすでに半分以上食べ終えていた。
ま、これが茂造さんだよね。
相手に合わすって考えは一切ないよね。

綿子さんに入れ歯を渡し、ようやく綿子さんも食べる事ができたのだった。
やっぱり歯がないって不便だよね。
二人を見ると歳をとっても自分の歯で食べられるようにしっかり歯磨きしようと思うのだった。
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「そしたら部屋に行こう。部屋でおやつ食べようで」

ぞろぞろとみんなで部屋に移動した。
今は相方がいないので一人部屋だ。
気を遣わなくてすむのでありがたい。

茂造さんはベッドに腰かけ、向かいの椅子に典さんが腰かけた。
茂造さんは典さんが手に持っている袋が気になってしょうがないようだ。
そう、バーバーの手提げだ。
こういう時なぜか食べ物だって分かるのよね。
野生のカン?

本当は茂造さんに会う前に包みを開けて2個だけ持って入る予定だったんだけど、畑田さんが早々に茂造さんのもとに連れて行ってしまったので1箱丸々持って来てしまっていた。
仕方なく茂造さんの目の前で箱を開けた。
典さんは包装紙が破れないように丁寧に開ける。
こういうところもかつおさんとは真逆だ(笑)
茂造さんは早く食べたくてうずうずしながら典さんの手元をジーーーッと凝視していた(笑)
そして1個取り出して茂造さんに渡すと「美味いのぉ~」を繰り返しながらご機嫌で食べた。
が、食べている間も目線はずっとハーバーの箱だ。
久しぶりの息子の顔よりハーバーの箱の方が気になるようだ。
あっという間に食べ終わり「美味かったが~。もっと欲しいのぉ」と箱をじっと見ながら言う。
「そしたら後1個だけな」ともう1個渡し、箱を閉じて手提げ袋に戻した。
それをまたもジーーッと見る。
怖い怖い。

2個目を食べ終わるとさすがにもう一つくれとは言わなかった。
が、いつものように入れ歯を外して舐め回す。
ね、典さん、こんな人を外食には連れて行けないでしょ。
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