かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:名前の確認

昨日の続き

そして2階、茂造さんのところへ。
早く行かないと昼食が始まってしまう。
茂造さんはもうすでに入れ歯を入れた状態でデイルームの指定席に座っていた。
いつも届けている牛乳を飲んでいた。
こういうものは部屋で飲んでるのかと思ってたけどここで飲んでるのね。
ま、茂造さんの席はデイルームの隅っこだから大丈夫なのかな。

おやつ持って来たから部屋に行こうと声をかけた。

「もう飯やろが」

「その前におやつ食べようで」

茂造さんなら食事前におやつを食べても満腹中枢がイカレてるので余裕でご飯も完食するだろう。

部屋に着きおやつのとうもろこしを出すと

「うわ~!!美味そうや!」

喜んでかぶりついた。

「美味い!甘いのぉ~」

そして食べながらいつもの名前の確認が始まった。

「あんた誰な?」

「好子や」

「よしお?男か?」

「違う!好子!」

「よしお?」

なんでそうなる?
ちょうど紙と鉛筆があったので書いて見せた。
するとようやく理解して

「あっ、好子さんな」

「そうやで」

「よっちゃんか」

おっと、初めてよっちゃんて呼ばれたわ。

「よっちゃんはどこから来たんな?」

「えっ?✕✕市からやで」

「✕✕市?」

「そうや」

「ほなやっぱり好子ちゃうやないか!」

「えっ?」

どうも姪のよし江さんと間違えてたようだ。
道理で。
よし江さんは昔、茂造家に数カ月住んでいたことがあるそうだ。
やはり茂造さんの記憶の中心は若い頃なのね。
ブログアイコン
↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村
































5月2日 木曜日

今日はいよいよ茂造さんとの面会だ。
昨年の12月依頼だから5か月ぶりだ。
痴呆は進んでないだろうか?
以前とあまり変わりないといいのだが。
わたしのことは分からくてもいいのだが、かつおさんのことは覚えているといいのだが。

面会は11時の約束になっていた。
10時半過ぎ、翔ちゃんがやって来た。
一緒に茂造さんに会いに行くためだ。
けれどまずは甥っ子との初対面だ。

「どう?可愛いやろ?」

「なんかスゴ!」

「抱いてみる?」

「ええわ、ええわ!」

初めて見る新生児に腰が引けていた。
ニャンズと一緒じゃないか(笑)

しかしゆっくりしてはいられない。
早く茂造さんのところに向かわなくては。

今回、茂造さんにおやつを差し入れるのは止めた。
茂造さんの状態がよく分からないからだ。
おやつを食べたことをみんなに内緒に出来るかしら?
それが分からないので今回は持参しないことにした。

いぶきの森に着き、面会の受付をしていると茂造さんの声が響いてきた。
茂造さんは耳が遠いので声がとても大きい。
ホールからでもよく聞こえる。

「ええ?誰か来たんか?そっち行ったらええんか?」

ス「こっちやで」

スタッフさんに手を引かれ、ホールの隅に向かっている。

「すいません!できれは外へ散歩に行きたいんですが」

ス「散歩ですか?ちょっと確認します。お待ちください」

茂造さんは歩けなくはないがあまり長くは歩けない。
シルバーカーは綿子さん専用になっているので無い。
転んだら危ないという事で先生かマネージャーに確認をとっているようだった。

しばらく待つとOKが出た。
そしたらこちらへと茂造さんをロビーの方へ連れてきてくれた。

ス「息子さん達が会いに来てくれたで」

「えっ?何?」

ス「息子さん達が来てくれたんやで!!」

茂造さんはかつおさんを見て「誰かのぉ?」と言った。

「かつおや。じいさんの息子や」

「ほうか。こっちは誰や?」

「翔平やが。孫や」

「ほうか。お前は秀夫か?」

出た!!
また『秀夫』だ。
茂造さんの頭の中は『秀夫』しか無いのか?と思うくらいいつも『秀夫』が出てくる。
ちなみに秀夫とは茂造さんの弟の名前だ。

「かつおやが!」

またまた名前の確認作業が始まった。
5か月前とちっとも変わらない。
まったく一緒やん!
これっていい事なの?
よく分からない。
ブログアイコン

続く

↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村




昨日の続き

綿子さんの入院用品を集め、お昼ご飯の準備をしているとハルちゃんと数くんが来てくれた。
もう11時が迫っていた。
そこで茂造さんの迎えはハルちゃん達にお願いし、わたしはお昼の準備を続けることにした。
ご飯は炊飯器ごと綿子さんちの台所へ運ぶ。
粕汁の入ったお鍋も、カワハギの煮付けが入ったフライパンもそのまま運んだ。
その方が温めやすくていい。
けど一度に運べないので何度も往復した。
食器は綿子さんちの物を使うことにしたのだが、一度洗い直さないといけない。
綿子さんや茂造さんが使うだけなら洗い直さなくてもいいが、ハルちゃん達が使う分には洗い直さないと、気持ち悪くて使えない。
茶椀や汁椀、小皿やお箸など探していたら茂造さんが帰って来た。
なんとか綿子さんの入院手続きも終わったそうでかつおさんも一緒に帰って来た。
茂造さんは早速「腹が減ったが-」と言っている。
椅子に座らせ、急いで食器を洗った。
そしてとりあえず茂造さんにお昼ご飯を出した。
すると「みんな揃うまで待つわ」と言った。
そんな常識人のようなことを言うなんて!
ビックリした。
今までそんなことを言ったことも、待ったこともないのに。
施設の暮らしで出来るようになったのだろうか。
が、そうは言ったものの30秒後には勝手に食べ始めていた。
やっぱりかよ。
茂造さんはカワハギの煮付けが気に入ったようで一心不乱に食べていた。
が、その様子を見て後悔した。
骨を外してあげればよかった。
のどに骨が刺さったら大変だ。
きっと施設では骨のないものしか出なかっただろう。
骨のある魚を食べるのは久しぶりな気がする。
急いでかつおさんに身をほぐしてあげてと頼んだ。
幸い骨が刺さったりはしなかったのでホッとした。

茂造さんは煮魚や粕汁を残すことなくしっかり食べた。
「あ~旨かった~。腹がいっぱいや~」
満足そうだった。
良かった~。
喜んでくれてなによりだ。

そして食事が終わるとまた他人の名前が気になり始めたようだ。

「お前は秀夫か?」

「かつおや」

「あんたは誰な?」

「好子や」

「・・・・・。分からんが~」

そしてハルちゃんに向かって

「うめちゃんか?」

「チョコやで」

ハルちゃんは前回と同じトレーナーを着ていた。
が、茂造さんはちんぷんかんな顔をしている。
そりゃ前回のことを覚えているわけがない。

「ハルちゃんや」

「おお、ハルちゃんか!」

そして数くんに向かって

「お宅は誰かな?」

「ハルちゃんの夫です」

「お~ハルちゃんの旦那か!」

「あんた誰かな?」

「ハルや!」

また前回同様のループが始まった。
しかし一度も「綿子は?」とは言わない。
茂造さんの口から出てくるのは「秀夫」「うめちゃん」「為五郎」「フネ」だけだ。
やはり子供の頃の記憶が一番強く残っているのだろうか。
「かつお」どころか「綿子」も出てこないとは。
ちょっと悲しい。

続く
ブログアイコン

↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村






↑このページのトップヘ