かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:家に帰る

部屋で茂造さんにおやつを渡した。
もちろんもみじ饅頭だ。

「お~!これはええ!!これは美味い!羊羹か~!」

いやいや!まだ食べてないし!
羊羹ちゃうし!
しかし食べ終わった後も「羊羹美味かった~」と言っていた…。

茂造さんは今日もかつおさんに向かって「秀夫」を連発していた。
何度訂正して「お~そうか」と言って分かったような顔をしても、しばらくするとまた「秀夫」が復活する。
とにかく秀夫が気になるようだ。
ま、でも今日は「家に帰る!」と言わないだけましだ。

わたし達が「そろそろ帰るわ」と立ち上がると「見送りに行くわ」とついてきた。
いつもなら「そしたらわしはもう寝るわ」と言って横になるのだが、今日はやっぱり何か違う。
そしてガラス扉の前まで来た。
スタッフさんが詰め所の中にあるスイッチを押せばロックが解除される仕組みだ。
ガチャっと音がして解除された。
素早く外に出て急いで扉を閉める。
またもガチャっと音がしてロックがかかった。
わたし達に続いてスルッと外に出ようとした茂造さんは扉が開かなくなってしまい「ちょっとくらいええやないか!」と文句を言ったが、スタッフさんが「ここから出たらダメよ」と言うと「ほうか」と素直に返事をしたのだった。
本当今日は優等生じゃん!
いつもこの調子で頼みますよ茂造さん!
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その後、綿子さんと別れ2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんは寝ていた。
どうしようか迷ったがせっかくおやつを持って来たことだしと起こすことにした。
そしてかつおさんとハルちゃんに茂造さんの相手を任せ、その間に4階の綿子さんの部屋へ着替えを片付けに行った。
ついでにエリクシールの写真を撮っておこう。
同じ化粧水でもさっぱりタイプとかしっとりタイプとかあったはず。
写真に撮っておけば間違わずに同じものを買って来れる。
ボトルを取り出して確認したらどれも3分の1程度残っていた。
まだあるやん!
これだったら急いで買いに行かなくて良さそうだ。

それから引き出しの中や棚を確認しゴミを回収した。
使用後のマスク等がけっこう入っているのだ。
あと、大判のバスタオルも持って帰ることにした。
このタオル入所してから一度も洗ったことがない。
綿子さんに「これ一度洗濯してくるわ」と言うと「いや汚れてないからええわ」と断られ続けていた。
こっそり持って帰って洗ってしまおう。
案外気付かないかもだし。

用事を済ませ2階へ降り茂造さんの部屋に入るとなんだか不穏な空気だった。
茂造さんがまた「家に帰る!」とごねていた。
うわ~、やっぱり寝た子を起こすんじゃなかったー。
失敗したなぁ。
かつおさんとハルちゃんが必死でなだめたり、言い聞かせようとしていたがまるで効果なし。
二人の声は全然茂造さんに届かない。
結局茂造さんが落ち着くことは無く、逃げるように帰ったのだった。
スタッフさんごめんなさい。
後をよろしくお願いします。
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帰り際詰め所で「綿子さんの洗濯物を持って帰りたいのですか」と声をかけた。
先日、土曜日以降なら持ち帰ることができると聞いていたからだ。
すると応対してくれたスタッフさんが「洗濯物ならお部屋に置いてありますよ」と言うではないか。
???
部屋は立入禁止では?
どういうこと?

「部屋まで行ってもいいんですか?」

ス「はい。もう大丈夫ですよ」

何だって!いつの間に!
そんなこと聞いて無いんですけどーー!

そういえば今日は面会者が多いのか駐車場が結構いっぱいだった。
それにエレベーターを呼ぼうとしたら4階に止まってたっけ。
やっと4階の制限が解けたのでみな面会に来たのだろう。
みんなのところには連絡が来たのだろう。
うちに連絡が来なかったのは単なるうっかりミスか、そうか、先日3日後の土曜日から洗濯物の持ち帰りがOKと聞いた時に面会もOKになると伝えたつもりだったのだろうか?
そうか、かつおさんが聞きのがしたか。
まあそんなとこだろう。

とにかく4階まで行って回収しないといけないという事だ。
けどやはり4階に行くのは怖い。
今日はゆうくんを連れているし、コロナの2人目の感染者が綿子さんと同室のおばあさんだったし。
それに会えると思ってなかったのでおやつも持って来てないし。
なのでかつおさんに一人で取りに行ってもらうことにした。
かつおさんは「ささっと行って取ってくるわ」とエレベーターに乗った。

わたしはゆうくんと2階のエレベーターの前でかつおさんを待っていた。
なんだか2階のデイルームの方が騒がしい。
振り返ると茂造さんが出入り口のガラス扉の向かって歩いてくるのが見えた。

「家に帰るんやー!」

ス「いやいや、帰れんよ」

「いや、帰る!歩いてでも帰るんや!」

『家に帰る病』絶賛継続中のようだ。
わたしは急いで茂造さんから見えない場所に移動した。
見つかったら大変だ。
一緒に連れて帰ってくれ!と言うだろう。
幸い見つからなかったのでそっと成り行きを見守った。
茂造さんはスタッフさんになだめられても「帰る!」を連発してガラス扉をガタガタいわせていた。
しばらく扉と格闘していたが開く訳もなくやっとあきらめて部屋に帰って行った。
ほっ。
スタッフさんは大変だろう。
ほんと申し訳ありません。

茂造さんが部屋に戻りやっと静かになった頃かつおさんが4階から戻って来た。

「さっき茂造さんがそこまで着て「家に帰る!」って騒いどったんや」

「ほんまか!よわったじいさんや」

「それにしても遅かったなぁ」

「いや、せっかくやからばあさんの顔見て帰ろうと思ったんや。けど、ちょうどトイレに行ったとこやったからしばらく待っとったんや。けどなかなか戻ってこんからもうええわと思って降りて来たんや」

なんやそれ。
せっかくならもう少し待って顔を見てから降りてきたらよかったのに。
けどまあそれで良かったのかも。
今はまだ潜伏期間かもしれないもの。
念には念を。
用心に越したことは無い。
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1月13日 月曜日 祝日

かつおさんとゆうくんを連れていぶきの森へ。
今日も茂造さんのところだけだ。
綿子さんの方はまだ制限が解除になったとの連絡は無い。

実は昨日、スタッフさんから電話がかかってきた。
茂造さんがまたまたパウチを除けてしまい大惨事となったそうだ。
毛布まで汚れてしまったので替えの毛布を持って来て欲しいとの事だった。
茂造さんの便は普通の人の様な便ではない。
水様性の便なのだ。
なので袋から漏れると汚れる場所は広範囲になるのだ。
ひえ~まいったなぁ。
茂造さんが使っている毛布はアクリルの2枚合わせのやつなのでかなりかさばるものだ。
茂造さん専用の5キロの洗濯で洗えるだろうか?
汚れが酷かったら捨てようかしら?
とにかく替えを持って行かないと。
新しく買おうかと思ったが、たしか茂造さんちの押入れにまだ毛布があったはず。
見に行くとやっぱりあったのでそれを持って行くことにした。
この毛布もかさばるタイプのものだし、ゆうくんも連れているので大荷物だ。

茂造さんの部屋に入り早速毛布を掛けてあげると「おお~これはええ~」と喜んだ。
汚れた毛布はすでに大きなナイロン袋に入れられていた。
昨晩は寒かっただろう。

そしておやつに持って来たいちご大福を渡した。
以前いちご大福を持ってきたらとても喜んだので今日もいちご大福にしたのだ。
しかし今日は以前ほど喜ばなかった。
今日の茂造さんは『家に帰る』ことで頭が一杯のようで、おやつで機嫌が取れるほど甘くなかった。
「家に帰らしてくれ!」を連発する。
なだめてもすかしてもダメだ。
とにかく帰りたいモードで手が付けられない。
早々に帰ることにした。
今日はダメだ。
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あと、かつおさんが30日に綿子さんを連れ出すそうだ。
以前から会うたびに「正月に家に帰ったら姉さんの仏壇を参りに行きたいんや」と言っていた。

今、米さんの位牌はかっちゃんちにあるそうだ。
米さんの家は今空き家で誰もいない。
そこに置いておくのも可哀そうだからということらしい。
まあそうなるよね。
なのでお参りに行くとしたらかっちゃんちなのだが元旦早々訪問するのも憚られる。
それで30日に綿子さんだけ外出させて連れて行くことにしたそうだ。
かっちゃんにもアポをとったそうだ。
そしてお参りをした後、JAに連れて行くそうだ。
そこで定期を解約して普通預金に入れる目論見なのだ。

半月くらい前、いつものようにハルちゃんとゆうくんと一緒に面会した時のこと、綿子さんがこれまたいつものように「私の年金からこの子に何か買うてやって」と言った。
このセリフ毎回言うのだが、この日はそれに続いて「まだ年金残っとるやろが。ところでかつお、ここの支払いはどのくらいいるんや?」と言った。
かつおさんがどう答えようか?というような目でわたしを見る。

「毎月だいたい10万やな」

すると綿子さんは顔色が変わった。

綿「えっ!10万!そしたら私の年金では足りんやないか!」

綿子さんボケてもお金に関することは割と覚えている。
自分の年金が9万だということは覚えていたのだ。

綿「そんなにいるんか⁉」

いやいや、かなり安い方やで。

「じいさんの年金から補填するから大丈夫や」

綿「けどそんなにいるんやったら家に帰ろうか」

おいおい、何を言い出すんだ。

「何を言うとんや。家で居っても同じくらいいるやろが。ここやったらエアコンがきいて暑くも寒くもないし、風呂も入れてくれるし、食べる事も心配せんでええやろが。10万で全部してくれるんやで、ありがたいもんや」

綿「けど...10万...」

10万という額にかなりショックを受けたようだった。
毎回「私の年金からこの子に何か買うてやって」と言うけど綿子さんの年金は残ってませんから。
茂造さんが生きていて茂造さんの年金があるから何とかなってるんだからね。
「私の年金」はありませんから!

とまあこんなことがあったのだが、次の週にはすっかり忘れたのか、またも「私の年金からこの子に何か買うてやって」と言うのだった。
おいおい。

しかし少しは頭の片隅に残っているだろう。
なので「少しづつ貯金を崩していってるから定期では困るんや」と言って普通口座に移す作戦なのだ。
定期の解約は本人を連れて行くのが一番手っ取り早い。
うまくいきますように。
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