かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:寝たきり

8月22日 木曜日

今日もいぶきの森へ行き二人の洗濯物を回収した。
綿子さんはちょうど食事中でこちらに背を向けていたため気付かれなかった。
ラッキー!!
そそくさと部屋へ行き洗濯物を回収したのだった。
そして茂造さんの洗濯物もとっとと回収しエレベーターに乗った。
そうそう、茂造さんの洗濯物はこの間から綿子さん同様、部屋のタンスの上に置かれるようになった。
今までは相部屋の人が茂造さんのタンスの物を勝手に触るからという事で洗濯物は別の場所で保管してくれていて、わたしが取りに行くとスタッフさんが出してくれていたのだが、相方が替わったので他の人と同じようにタンスの上に置くことになったのだ。
この方がいちいちスタッフさんの手を煩わせないし、わたしも楽だ。
しかしなぜかタンスは今も壁を向いている。
これも直してもいいんじゃない?と思うがまだ確認できていない。
今度聞いてみようと思う。

一階に着きエレベーターを降りたところで黒田さんにバッタリ会った。

「こんにちわ~」

黒「あら、お疲れ様です~。いや~綿子さん本当にすごいわ~!!たいていの人は骨折したらそのまま寝たきりになるのに」

「何回骨折してもそのたびに復活するんですよ~。とにかく歩くんや!!って気持ちが強いんでしょうね」

黒「ホントに!」

「でも体は驚異的に復活するんですけど頭の方がねぇ。この1ヶ月で大分進んだような気が…」

黒「やっぱり1カ月近くも寝たからどうしても進んじゃいますよね。あの歳になったら1週間寝たら取り戻すのに1カ月はかかるって言いますから」

「えっ?戻ることってあるんですか?」

黒「多少は良くなることもありますよ」

「へぇ~」

黒「1カ月近く寝ていたから取り戻すには何倍もかかるでしょうね」

「でしょうね」

黒「あのまま寝たきりになった方が良かった?」

「えっ?」

う~ん難しい質問だ。

黒「ホントどっちがいいんでしょうねぇ。うちも同年代の親がいるから考えさせられるわ~」

本当、どっちがいいか結論は出ない。
成り行きにまかせるしかないなと思う。
それを淡々と受け止めるのみかな。
でも施設の人からしたらどっちが楽なんだろう


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11月24日 金曜日

今日は金曜日。
いつものように仕事帰りにスーパーに寄り、綿子さん用の食料品を買った。
家に帰ると6時前だった。
もう辺りは真っ暗だ。
庭に車が1台止まっているのが見えた。
中に誰か乗っているようだが暗くてよく見えない。
誰だろう?と思いながら車から降りてその止まっている車の横を通ると、中の人が会釈をした。
????
とりあえず玄関を開け、カバンを放り込み、買い物してきたものを取りにもう一度車へ戻った。
その時気が付いた。
あっ!!麦さんの旦那さんだ。
「こんにちわ」
挨拶をしていると納屋の方から麦さんが走って来た。

「好子さん帰って来たんな~。あ~良かった~」

???

「今、綿ちゃんちに行ったんやけど居らんのや。どうしようかと思うとったんや。好子さんが帰って来てくれて良かったわ」

「えっ?綿子さん居るやろ?」

「チャイム押しても出てこんし、裏に回ってみたけど真っ暗やったで」

「あぁ、綿子さんはいつも電気消してテレビ見るんや。電気つけとったら変な人が入って来るかも知れんって言うてな。なので電気がついてなくても居るはずやで」

「えっ?そうなん。もうええわ。好子さん、悪いけどこれ預かってくれん?」

「何?」

「これを綿ちゃんに届けに来たんや。すずさんから綿ちゃんとこに持って行ってって頼まれてな。なんで本当は明日来ようと思うてかつおちゃんにも連絡しとったんやけど、急に用ができて明日来れんようになったから、今日来たんや」

そう言いながら段ボール箱に入ったミカンと油揚げを渡された。
油揚げは10枚入っているそうだ。
この油揚げはすずさんの家の近くの産直で売っているもので、綿子さんが前に好きだと言っていたそうだ。
そして綿子さんの大好きないもパンも渡された。
これは麦さんからだそうだ。

麦さんは車の運転免許をもっていない。
なのでいつも旦那さんが連れてきてくれている。
旦那さんも80代だ。
こんな暗い時間の運転は避けたいだろう。

「わざわざありがとうございます」

「ほんまにすずさんはいつも私に頼んでくるんや。となりに子どもが居るんやから、子供に頼んでくれたらええのに」

麦さんの本音だろう。

すずさんは綿子さんや麦さんの実家の跡取りのあきらさんの奥さんだ。
あきらさんは今年の春に亡くなった。
綿子さんの実家は兄弟が8人と多いし、姑はかなり難しい人だったそうなのでとても苦労しただろう。
綿子さんが母親の事を良く言っているのは聞いたことがない。
そしてこの母親も晩年、ボケ&長期間寝たきりだったそうだ。
そしてあきらさんも亡くなる前の数年はボケて手がかかっていた。
本当に同情する。
が、このすずさんもこのところかなり怪しい感じだ。
麦さんが「綿ちゃんとこは茂造さんも入所して居らんし、綿ちゃんはもう全然炊事をせんようになっとんや」って言っているのに、今回もミカン1箱&油揚げ10枚を届けて欲しいと言う。

「すずさんもちょっとボケてきよるようなんや」

「そういえばかつおさんもそんなこと言うとったわ。夏頃やったかな、あきらさんの仏壇参りに行った時にすずさんと話したら、とんちんかんな返事ばっかり返って来て話がかみ合わんかったって言うとったわ」

「そうなんやがな」

みんなそういうお年頃なのかな。
麦さんは今のところしっかりしている。
みんなから頼りにされているからボケる暇がないのかな?
麦さん、ボケたりしないでね。
わたし達も頼りにしてますから!
そのままでいてね


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大掃除の続きの前にちょっとフネさんの晩年のことを。

フネさんは晩年、徐々に足腰が弱っていった。
一度家の中で転んでからは這って移動するようになり、そのうちほぼ寝たきりに、そして寝たきりになった。
お風呂はデイサービスに行って入っていた。
トイレは部屋にポータブルトイレを置くようにしていたが、それも徐々に使えなくなりオムツ生活となった。
そのお世話は綿子さんがほぼ一人で行っていた。
わたしやかつおさんは仕事や子育てに忙しくほとんど手伝うことはなかった。
茂造さんも全く手伝ってなかったと思う。
それに茂造さんの兄弟も全く手伝うことはなく、フネさんの娘の梅ちゃんも時々フネさんに会いに来たのだが、オムツを替える訳でもなく「姉さん、ありがとうな」と礼を述べるのみだった。
しかも「ばあちゃんを施設に入れるんだけは止めてな」と毎回言っていた。
口を出すなら手も出せよ!と思うのだが綿子さんは何も言わなかった。

一度梅ちゃんにフネさんを預けたことがある。
フネさんがまだ自分でトイレに行って用を足せていた時の事。
農繁期は忙しいので5日ほどショートステイに預けていた。
けれど結構お金がかかる。
そこで梅ちゃんちでフネさんの面倒をみてもらったのだ。
久しぶりに親子で過ごせていいだろうと思ったが、なかなか大変だったようだ。
二度と預かってくれなかった。
そりゃ歪む

そんなことがあったので綿子さんも梅ちゃんには何の期待もしなかったようだ。
そしてこの頃から綿子さんの性格と言うか顔つきと言うかなんと言ったらいいのか雰囲気が変わっていった。
しょっちゅう、うちに来てフネさんの悪口や茂造さんの悪口を言うようになった。
わたしやかつおさんがいないと孫の翔ちゃんやハルちゃんを相手にグチを垂れ流していた。
「こうすればいいんじゃない?」とか「これを使ってみれば?」と少しでも楽になりそうな提案をしてもなんだかんだ言って自分のやり方を変えない。
「そんなに大変なら施設にお願いしたらどう?」と言っても「お金がようけ要るが」と言って却下された。

わたし達もだんだん足が遠のいてしまった。
フネさんの様子を見に行きたいが綿子さんがいい顔をしないので行きづらくなった。
普段の生活と違うことがあるとペースが乱れ、介護する人はかえって大変になる事は実家の両親を見ていて知っていた(昔、介護保険も無かったころ、家で寝たきりの祖母の介護をしていた)のでどうしても遠慮してしまった。
なので今でもこのことは少し後悔している。
綿子さんに遠慮したためフネさんは寂しい最後だったんじゃないだろうか?
もっともっと顔を見に行けばよかった。
そしてもっと二人の間を取り持つことはできなかったのか?
今更後悔しても遅いが悔いが残っている。
だからこそ茂&綿の介護は悔いが残らないよう、できることはやっていきたいと思う。


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