かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:帰る

昨日の続き

「じいさん、来たぞ」

「おっ!迎えに来てくれたんか!ほな靴履くわ」

「いやいや、違う違う!家には帰らんぞ」

「なんでや!」

「おやつ持って来たから食べようや」

「ほうか、これ食べたら帰れるんやの」

何を言っても『帰る』につながる。
こりゃ大変だ。

とりあえずなだめてベッドに腰かけさせおやつを食べさせた。

「美味いのぉ~~」

おっ?ちょっと気がまぎれたか?
と思ったがそんなに甘くはなかった。
お菓子を食べ終わるとまた「家に帰るんや」と言い出した。
一応理由があるようだ。

「腹が痛いんや。山田病院に行って診てもらうんや」

「何を言うとんや。ここはお医者さんやないか。ここは佐藤さんやが。ここで診てくれるわ」

「いや、違う!」

「違わへんわ。それに土曜日やから山田病院はもう閉まっとるわ」

「そしたら澤田医院に行くわ」

澤田医院?
そんな病院とっくの昔に閉院しとるわ。
もうかれこれ40年以上も前のことだ。
やはり茂造さんは今、小学生か中学生だった時代の中にいるようだ。

「澤田医院はもうないから。それに今日は土曜日やから下戸も月曜にならな診てもらえんぞ。それまで寝てじっとしとき」

「いや、帰るんや。帰ったら治る」

今日はゆうくんのことは眼中にない。
ひたすら「家に帰る」ことに執着している。
すみません、スタッフさん達。
わたし達の手には負えません。

この後も何度も何度も「帰る!」、「それはムリ」、「なんでや!」を繰り返した。
「なんでや?」に答えたところで全く理解しないし、話がかみ合わないので理論的な説明は不要だ。
ひたすら「ムリ」で押し通すしかない。

やがて押し問答に疲れたのかようやく「もう寝るわ」と言った。

やったーー!!
やっと終わったーー!!
ふぅーーー。

茂造さんがベッドに寝転んだらすかさず引き上げた。

部屋から出ると

ス「ありがとうございました」

やりとりは全部聞こえていただろう。

「いえいえ、全然納得していないのでまた帰るって騒ぐんじゃないかな。申し訳ありません」

ス「お疲れ様でした」

ホント疲れたーーー!!
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昨日の続き

そろそろ綿子さんのお風呂の順番のようなので綿子さんと別れ、2階の茂造さんのところへ向かうことにした。
エレベータに乗るとちょうど2階のスタッフさんと一緒になった。

ス「茂造さんの面会ですか?うわ~~良かった~~!!今日は帰る帰るってずーーっと騒いでるんですよ。これで少しは落ち着くかも」

「どうもすみません」

ひえ~~~!
こりゃかなりひどいようだ。
実はさっき、ここの駐車場でゆうくんをベビーカーに乗せ換えていると散歩から戻って来た入居者さんと付き添いのスタッフさんに会ったんだけど、そのスタッフさんからも「茂造さん、今日はすっごく調子が悪いんですよ~。ずーーっと家に帰るんやー!!って言い続けてるんです」と聞いていた。
全く同じことを2回聞いたのだ。
かなり手を焼いているのだろう。
まいったなぁ。

2階に着き、ガラス扉を開けて中に入ると、デイルームにいたスタッフさんからも「あ~~良かった~~。今日は凄いんですよ~」と言われた。
みんな同じこと言うじゃないか。
どんだけなんやーー!!

「おやつも持って来たし、ひ孫も連れて来たのでこれで少しでも機嫌よくなってくれたらいいんですけど…。自信はないです」

ス「よろしくお願いします!」

はたして大丈夫だろうか?

続く
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昨日の続き

茂造さんは家に帰れないという事をなんとか納得してくれた。
しかし「ここに居るわ」と言った1分後にはまた「家に連れて帰ってくれー」と言い出した。
「それは無理やって。家には帰れんのやで」とまた言って聞かす。
けれどなかなか分かったと言ってくれない。
なだめたりすかしたり、いろいろ手を尽くす。
やっと「分かった」と言った。
が、またしばらくすると「家に帰る」と言い出す。
こんなことを3度も4度も繰り返した。
面会時間の10分はとっくに過ぎている。
これには困った。
実は隣の佐藤病院で綿子さんの薬を出してもらうよう頼んでいた。
11時過ぎに取りに行く約束になっていたのに思いっ切り過ぎてしまっている。
今日は午後休診日なので病院の方もヤキモキしているだろう。
なのでわたしだけ中座して佐藤病院へ向かった。
薬は準備してくれていたので支払いをし、5分もかからずにいぶきの森に戻ったのだが、わたしが席を外している間、茂造さんが怒り出して大変だったそうだ。
連れて帰ってくれと言っているのに置いていかれたと思ったようだ。
かつおさんが「わしが居るやん」となだめたが耳に入らない。
わたしが戻ってきて、ようやく落ち着いたそうだ。
しかし、それからまたも「帰る、帰る」が止まらくなった。
興奮して「なんで帰らせてくれんのや!」と怒り出した。

「しっこが出んのに家に帰るのは無理や」

「家に戻ったらしっこはじゃんじゃん出るようになるわ!うんこの袋も自分で替えれるし、なんちゃ問題ない!」

そんな訳ないやん。
けど、茂造さんはそう主張する。

「先生が帰ってええって言うまではいかんのや」

「先生やお前(畑田さん)らが勝手に言うとるだけで、家に帰ったらしっこは出るんや!なんで出んって決めつけるんや!」


本気で家に帰ればしっこも出るし問題ないと思い込んでいる。
帰らせてくれない先生や畑田さんが悪者の様な口ぶりだ。
興奮しているのでもう何を言っても耳に入らない。
お手上げだ。
話を逸らすしかない。

畑「茂造さん、お腹空いたやろ。もうお昼ご飯の時間やから部屋に戻ろう。な」

「家に戻って食べる」

いつもなら食べ物でコロッと釣ることが出来るらしいが、今日はそうはいかないようだ。
そしてどんどん声が大きくなる。

畑「息子さんの言う事は聞かないかんのやろ?」

畑「ごはん食べようで」

この二つを交互に伝え、終いには他のスタッフさんたちにも助けてもらい、ほぼ強引に二階へと連れられて行った。

やれやれ。
なかなかヘビーな時間だった。
こういうことが毎日のようにあるそうだ。
スタッフさんたちには本当に申し訳ない。

畑「茂造さんは地声が大きいのでちょっと怖いんですけど、手を出すことは無いので安心なんです」

精一杯のフォローだろう。
とにかく今回の説得は失敗に終わった。
申し訳ありません。
激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム

茂造さんが二階に戻った後、畑田さんから今後のことについて話があった。

「とりあえず6月に区分変更の申請をしようと思います。そして受け入れてくれる特養を探していこうと思っています」
との事だった。
わたし達としては親身になってくれる畑田さんのいるこの施設にずっといさせて欲しいが、ここは老健なのでそうもいかないのだろう。
今後のことは畑田さんにお任せするしかない。
よろしくお願いします。

そして、一度二階の茂造さんの所へ行って戻ってきた畑田さんから
「今、やっと落ち着いて、お昼ご飯を食べています。食べながら「これを食べたら帰らせてくださいねっ!」と言ってるそうです」と聞いた。
食べ終わったらまた怒鳴り始めるんじゃ?
いい加減、この状況を理解して受け入れて欲しい。
頼むからスタッフさんたちの手を煩わせないで欲しい。
スタッフの皆さん、本当に申し訳ありません、いつもありがとうございます。


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