かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:帰宅

昨日の続き

大井さんとの話を終えた頃には、帰りたい病のおばあさんはいなくなっていたので、いつも通りガラス扉から中へ入った。
茂造さんはデイルームにいたので「おやつ食べよう」と部屋に誘導した。

今日のおやつは上用饅頭だ。
かつおさんが「じいさんはこれが一番好きなんや」と選んだものだ。
しかし今日は茂造さんの口から「美味い!」は一度も出てこなかった。
なんで?
一番好きなんじゃ?
もしかしてかつおさんの思いこみ?

「これ食べたら温泉やろが」

温泉?
何を言い出したのか困惑していたら

「温泉言うてもほんまは風呂や」

あっ!
今日がお風呂の日だと勘違いしてるのね。

「今日は風呂の日と違うぞ」

「ほんまか?」

「ほんまや」

「ほんだら寝よか」

「そうせえ」

今日は「家に帰る」がなくあっさり。
いつもこうだといいのにな。

そうそうこの日、茂造さんの隣が空っぽになっていた。
またお亡くなりになったのかしらと思っていたら違っていた。
自宅に帰ったそうだ。
初めから家に帰る目的でリハビリを頑張っていたそうだ。
で、1ヶ月頑張ったので晴れて帰宅となったそうだ。
けれど隣の方は大型の車いすを使っていたし、耳も悪いようだしかなり介護度が高いように見えたんだけど。
少々リハビリをしたところで自力で歩けるとも思えないし、家の人は大変だろうなぁと思う。
わたしには絶対できないな。
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1月11日 日曜日

今日はいよいよ茂造さんを家に連れて帰ってくる日だ。
お正月に予定していたのだが、みんな体調不良でダウンしてしまい今日にリスケしたのだった。
今回の帰宅のための準備等はかつおさんに任せていた。
わたしはまだまだ体調不良が続き、それどころでなかったもので。
けど昨日ゆっくりしたおかげで今日はだいぶ楽になった。

朝からかつおさんと昼食用のお弁当とノンアルビールを買いに走った。
前回、かつおさんはビールを欲しがる茂造さんに麦茶を入れたビール缶を渡したのだが、しっかりバレていた。
そりゃさすがにバレるやろ!
そこで今回はノンアルビールを用意することにしたのだ。

その時の話はこちら

これも昨日までに買ってきとけばいいのに買ってきてなかったので朝から買いに走ることとなったのだ。
やはり、あれこれ指示しとけばよかった。

そして10時半過ぎ、かつおさんが茂造さんを連れて帰ってきた。
こんな日に限って最大級の寒波が押し寄せ、超~寒い。
なのに茂造さんはいぶきの森で過ごしている時のままの格好で上着も羽織らず帰ってきた。

「寒いが~」

そりゃそうでしょ。
かつおさんもちゃんとジャンバーを持って行けよ!
いちいち言わないと気付かないのか?

家の中はエアコンをフル稼働で温めておいたが、やはり寒い。
古い家だから断熱材は入ってないし、隙間風が入るから。
茂造さんは何度も「寒い、寒い」と言い続けた。
一定の温度に保たれているいぶきの森での暮らしに慣れてしまっているので、もうこんな寒い家で暮らすのは無理でしょ。
いぶきの森がどれだけありがたいか少しは分かってくれたらいいのに。
それより風邪をひいたりしないように気をつけなければ。
この気温差は体にこたえそうだ。

震えながら部屋を見回した茂造さんは「この家どうしたんや?大きな家やのぉ~。借りとるんか?」だって。
はあ?
茂造さんの家やん。
もう、それも分からないのか?
あんなに帰りたがっていた自分の家が分からないなんて。
本当に痴呆は恐ろしい。

しかしこんな状態なら家に連れて帰る意味あるのだろうか?
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今回のお弁当は近くの定食屋さんに頼んだものだ。
このお店、こちらの希望を色々取り入れたお弁当を作ってくれるので助かっている。
基本魚メインの店なのだが、茂&綿は生ものはNG。
なので刺身は入れないでほしいと頼んでいる。
それと量より質でお願いしますと伝え、後はお任せだ。
今回のお弁当もなかなか良かった。
メインはハマチの塩焼きに海老天。
副菜も豊富でどれも手作りで美味しかった。
ちゃんと量より質になっていたのだが、これでも茂&綿の二人にはかなり多い。

「これ多いから残してええからな。無理して全部食べんでええから」

いぶきの森からは、たくさん食べさせないでくださいねと注意を受けている。
なのでそう声をかけたのだが、二人ともキレイに完食してしまった。
マジかー!
絶対食べすぎやろ。
案の定、茂造さんは胃が痛いと顔をゆがめていた。
ま、美味しそうなものを前に、途中で止めることなんかできないよね。
次回からもっと少なくしなくては。

しばらく台所で皆で談笑していたが茂造さんが「もう寝るわ」と言い出したので部屋に連れて行った。
そしていつもなら横になるだけで眠ることはないのだが、今日は本当に寝てしまった。
いつもの独り言が聞こえてこないので間違いなく寝たと思う。
いっぱい食べたし、いっぱい頭を使って疲れたのかな?
けど助かるわ~。
綿子さんにも淡い期待を込めて「少し寝る?」と声をかけたが「せっかく皆がおるからええわ」と言う。
う~ん残念。
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ようやく皆が戻ってきた。

「さあ!ご飯や!」

待ってましたとばかり食べ始めた(笑)

「ちょっと待って。皆で乾杯しようで」

急いで皆に麦茶を配る。
翔ちゃんはビールだ。
で、綿子さんにもコップに半分くらいビールを注いだ。
茂造さんにはかつおさんが缶ごと渡した。
実はコレ、かつおさんがビールの空き缶に麦茶を入れておいたものだ。
皆がビールを飲んでいたら茂造さんも欲しがるのは容易に想像できたが、茂造さんには飲ませたくない。
なのでかつおさんが前もってフェイクのビールを作っておいたのだった。

「さすがにバレるやろ」

「いや大丈夫やろ。じいさんやったら分からへんわ」

そう上手くいくとは思えないけど…。

「ほれじいさん、ビールやぞ」

「おっ!ビールか!ええのぉ」

嬉しそうな茂造さん。
乾杯後、一口飲むと

「これビールか?」

「そうや」

「違うやろが」

ほらやっぱり。
茂造さんのことなめすぎやろ。

結局、茂造さんにも少しだけビールを注いであげたのだった。
次回からはノンアルを用意しておこう。
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8月14日 木曜日

今日はいよいよ茂&綿に二人を家に連れて帰る。
前に連れて帰ったのは1月だったから7カ月ぶりだ。
すっかり間が空いてしまった。
以前は月に1度は連れて帰ってあげたいと思っていたが、負担が大きくて無理だと悟った。

とにかく目が離せない。
段差だらけの家なので移動するときは付き添ったり見守ったりが必須だ。
普段段差のないフラットな施設で生活しているので、いくら我が家とはいえ心配だ。
本人たちはそんなこと思ってもないだろうから勝手に動こうとする。
なので目が離せない。
その上、綿子さんは隙あらばこっそりポケットに何やら忍ばせて施設に持ち帰ろうとするしね。

それと綿子さんは相変わらず茂造さんに自分が同じ施設に入所していることを知られたくないというのでその事にも気を遣わなければならない。
色々、面倒でついつい連れ帰るのを先送りにしてしまう。

今日は二人を一緒に車に乗せて連れ帰ることにした。
二往復なんてしてられないもの。
まずは綿子さんを連れ出し車に乗せて待っていてもらい、その後で茂造さんを連れ出して車に乗せる計画だ。
そして今回、綿子さんは『風車の丘』に入所しているという設定にする事にした。
『風車の丘』は以前茂造さんがショートステイで何度かお世話になった事がある特養だ。
そう設定した方が話しがしやすいだろう。
これまで茂造さんには綿子さんは病院に入院してるとか色々誤魔化してきたけど、家にはいないという事だけは理解してもらいたい。
家に帰っても誰もいないって分かったら帰りたいと言い出すことも少なくなるだろうと思うから。
なので積極的に綿子さんは施設に入ってるって言いたい。
もし「どこに?」って聞かれた時、スッと答えられるよう設定を明確にしたのだ。
かつおさんが迎えに行ったのだが、計画通り先に車に乗せた綿子さんに「ばあさんは風車の丘に入所しとることになっとるからの。じいさんと一緒なとこに居ることがバレたらイカンのやろが。」と伝えた。

それから茂造さんを迎えに行き、車に乗せたのだが、茂造さんは綿子さんを見ても誰だか分かっていなかったそうだ。
知らない人だと思っている様子だったそうだ。
やっぱりね。
綿子さんは自分の事が分からない茂造さんにショックを受けているようだったそうだ。
茂造さんを嫌って会いたがらないくせに、忘れられるとショックだとは複雑な女心だね。
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