もひとつ続きます

とにかく綿子さんちは暑かった。
20分程の滞在だがＴシャツは絞れそうなくらい汗でビショビショだ。
台所だけでなく廊下も座敷もどこもかしこも暑い。
窓は一つも開いていないのだから風も入らない。
一応、廊下側の窓は網戸にしているのだがハッキリ言って意味がない。
この廊下の部分は昔は中庭だったのだが、廊下にし、屋根をつけてふさいでしまっていた。
なので網戸があるのだが、ここを網戸にしても風は入らないし抜けることもない。
しかも廊下の屋根には明り取りの天窓があるのでとても暑い。
温室のようなのだ。

高齢者はあまり汗をかかないと言うが、綿子さんの額には汗がにじんでいた。
言っても無駄だとは思うが言わずにはいられない。

好「綿子さん、エアコンつけなよ。こんな暑いところにおったら倒れてしまうで。そんなにケチケチせんでも電気代やしれとるわ」

綿「もうな、年寄りになったらそうは思うても出来んのや」

絶対にエアコンはつけたくないようだ。

好「そんなこと言わんとエアコンつけようで。テレビでも言うとるやろ。熱中症になるで」

綿「いや、でもな、年がいったらもったいないと思うて出来んのや」

エアコンをつける気は全くない様だ。
アカン。やっぱりムリや。

家に戻りこのやりとりをかつおさんに伝えると

か「ナンボ言うても聞かへんわ。言うだけ無駄や。死なな分からんのや」

と吐き捨てた。
私もさすがに匙を投げた。
もう、何も言わんからな！
知らんで！


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昨日の続き

すっかりそれどころでなくなっていたが、完成した廊下がこちら



クッションフロアを貼って角も仕舞いがされてキレイに仕上がっている。
これなら裸足で歩いても気持ちよさそうだし、汚しても掃除しやすそうだ。
だからといって完成直後からうんこを撒かれるとは.....
掃除のしやすさは早くも証明できてしまった。

しかしもう裸足で歩く気はしない...

裸足といえばこの大惨事の時、綿子さんはなぜか裸足になってウロウロしていた。
そして私たちが掃除を終えて、ついでに台所のゴミ箱を風呂場で洗っていたら
「ちょっと足洗わせて」と風呂場にやって来た。

綿「足がベタベタするんや。ほんまにーじいさんのせいや！」

か「いやいや、爺さんのせいちゃうやん。床がベタベタなんはいつもの事やん。ていうか汁をこぼすばっかりするばあさんのせいやろ」

綿「そんなことないわ」

か「なに言いよんや。ばあさんが入院しとる間はこんなにベタベタせえへんかったわ」

綿「いや、そんなことないわ」

綿子さんは悪いことは全て茂造さんのせいにする。
原因は自分だとは思いもしないようだ。
全く自覚がない。
恐ろしい....


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