かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:待てない

その後2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんにもショートケーキとコーヒーを持って行った。
茂造さんはケーキを見て目を輝かせた。

「お~!これは美味そうや!」

そして

「あ~歯がないが~」

おっといけない。
また入れ歯を受け取ってくるのを忘れていた。
急いで詰め所に行って入れ歯を受け取り、戻ってくると茂造さんはフイルムを剥がしてなめていた。
行儀が悪いがこれが茂造スタイルだ。
入れ歯を入れると待てないようにして食べた。

「美味いのぉ!!」

夢中で食べている。
コーヒーも入れてあげると喜んだが

「熱いが!」

そういえば家ではよく氷を入れて冷ましてたっけ。
すっかり忘れていた。

「ちょっと冷めるまで置いときな」

「おう」

そうは言うが30秒も経つとまた飲もうとして

「熱いが!」

待てんのかい!!
次回からは氷も持参しなくては。

ところで同室の方のご家族はやはりしょっちゅう面会に来ているようだ。
今日も部屋の隅に来客用の椅子が置いてあったし、その上に座布団がのっていた。
タンスの上にも同じ柄の座布団がのっていた。
きっと家から持って来て置いて帰ったのだろう。
やはりせっせと通ってきて、けっこう長い時間いるんだろう。
すごいなぁ。
わたし達にはできません。
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昨日の続き

そして普段は入れない、茂造さんの部屋に入った。

「じいさん、今日は誕生日やろが。おめでとう!これ、ケーキ持って来たで」

「ほぉ~こらええ!」

と目を輝かせた。
「せっかくなら写真を撮ってはいかがですか」と畑田さんに勧められ、写真を撮った。
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待ちきれずにそわそわしていた茂造さんが

「もう食べてもええか?」

「おう、どうぞ」

「ありゃ~困ったが~。入れ歯が無いが~、下に忘れてきたが」

「取ってきます」

畑田さんが急いで取りに行ってくれた。

「もう食べてもええか?」

「入れ歯を取りに行ってくれとるから、ちょっと待てよ」

「そやの」

けれど10秒後には

「もう食べてもええか?」

「もうちょっと待てよ」

また10秒後に

「もう食べてもええか?」

この繰り返しだったそうだ。
そしてようやく入れ歯が届いた時には、ケーキの上のチョコのプレートはなくなっていたそうだ。
いつの間にか食べてしまっていたのだ。
歯も無いのに・・・。
待てなかったのね。
とにかくとても喜んでくれたそうだ。

そしてしばらく話をする時間を頂けた。

「綿子は何しよんや?」

「おかんは退院して家で居るわ。けど、まだあんまり動けんからここには来れんのや」

かつおさんは優しいウソをついた。
さすがに「行きとうない」と言っているとは言えない。

だんだん調子の出てきた茂造さんは

「私の名前は茂造。誕生日は昭和7年7月27日。91歳!」

と語り始めた。
そして

「私の嫁はフネ、父は為五郎、妹はうめ」

おいおい、フネは母親やないかい!
かつおさんが訂正しても何度も「私の嫁はフネ」と繰り返していたそうだ。
やはり認知症は進んでいるなと感じたそうだ。

「そろそろ下に降りてお昼ご飯を食べましょうか」

この部屋に入って20分は経っていた。
普段面会時間は10分までの決まりだ。
本当に特別扱いで対応してくれていた。

3人で1階に降り、茂造さんは元いた席に戻って行った。
別れ際に「お前も元気でやれよ!」と声をかけてくれたそうだ。
かつおさんはこの間のように「連れて帰ってくれ!」と言い出さないかとびくびくしていて、そんな言葉をかけられるとは思っても無かったのでとても驚いたそうだ。
そして席に戻った茂造さんが隣の人に「息子が来てくれたんや」と嬉しそうに話しているのを見て、本当に今日は来て良かったと思ったそうだ。

畑田さんによるとだいぶ理解できてきて、落ち着いてきたとのことだった。
けど今日はいつもよりずい分調子がいいようだとのことだった。
でもこの様子ならちょくちょく会いに来れそうだ。
ちょっと希望が出てきた。

こんな機会を特別に許可してくださり、いろいろ配慮してくださった畑田さんはじめスタッフの方々に本当に感謝だ。
ありがとうございました。


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