かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:御礼

そして2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんはゆうくんがいなくても何も言わない。
特に気にならないようだ。
いたらいたで喜ぶんだろうけど。
この方がこちらは気が楽だ。

茂造さんはベッドで横になっていた。
かつおさんが声をかけると「メシか?」と言って起き上がった。

「ちゃう、ちゃう!メシはまだや!けどおやつ持って来たぞ」

「ほな座るわ」

そう言ってベッドに腰かけるように座った。

「はいどうぞ」

茂造さんのおやつはどら焼きとミルクティーだ。
あんまんは綿子さんの面会を終えてからだと冷めてしまうだろうと思ってやめた。

茂造さんは「美味いのぉ~」と言いながら喜んで食べてくれた。
そして「メシ食べたら家に帰れるんや」と言った。
「ほうな」
家に帰れるというのは茂造さんの妄想なので適当に相槌を打っておく。
いちいち訂正しても仕方ない。

けれど今日は何度も何度も「メシ食べたら家に帰れるんや!」と繰り返した。
見かねたのか隣のおじいさん(寝たきりで痰の吸引などが必要な方)のお世話をしていた大井さんが
言った。

大井「茂造さん、家に帰るのは検査してからやで。明日は日曜日でその次の日も祝日で休みやから火曜日やな。それまでは帰れんよ」

きっと火曜日に検査をする予定などないだろう。
とりあえずこの場を収めるための作り話だろうと思う。
茂造さんなら火曜日にはというか明日にはこの会話のことは忘れているだろうから。

茂造さんは「ほうな。分かりました」と素直に受け入れた。
そして

「ここにおったら金になるからのぉ。おらな損や!」

はぁ?
何を言い出したんだ?
お金になるだって?
そんな訳ないやん!
ん?
けどこれはラッキーかも。
ここに居る、いい理由になるじゃないか!

「そやなぁ」

すると大井さんが「ここにおってもお金にはならんよ」と言い出した。
ギャーやめてー!!
急いで違う話を振って誤魔化そうとした。
大井さんもすぐ理解してくれたようだ。

大井「そうや。ここにおったらええがな。家に帰ったらお金にならんからな」

ナイス!大井さん!

「そうや。家におったって1円にもならんからな。ここにおったらお金になるんや!」

そうだ!そうだ!
いいぞ!
そのまま素敵な勘違いのままでしっかりお金儲けしてください!

その後、そろそろ帰ろうとわたし達が立ち上がると茂造さんが御礼を言ってくれた。

「今日は美味しいまんじゅう食べさせてもろたし、美味しいコーヒーも飲んだし、ありがとなぁ」

どれもビミョーに違ってるんですけど(笑)
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その後エレベーターに向かっているとデイルームで草野マネージャーに会った。
草野マネージャーがこの時間にいるのは珍しい。
しかも介護スタッフと同様に入居者さんのお世話をしている。
急に介護スタッフが休んだかなんかでピンチヒッターなのかな?
非常に珍しいことだ。
けど久しぶりにお会いできて良かった。

草野「綿子さんとっても喜んでましたよ」

初め何のことか分からなかった。
あっ、この間家に連れて帰った時のことか!
土曜日のことなのでまだ1週間も経ってないのに、今週は母の付き添いやらしたせいかすっかり忘れていた。

草野「なんべんもその時のことをおっしゃってましたよ。すっごく嬉しかったみたいです」

「そうですか。孫や妹さんとかも来てくれて賑やかだったんですよ~」

草野「またお願いします」

「はあ」

せっかくお会いできたのだが普段の様子を聞くことは出来なかった。
この時間スタッフさんの人数も少ないし、綿子さんに急ぐんやと言った手前、長話も出来ないから。
ちょっと残念。

その後、2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんは食事を終えた後ですでにベッドに横になっていた。
タンスに着替えをしまっていると布団がぐしゃぐしゃなのに気付いた。
キレイにかけ直してあげると

「どうもありがとうございます」

絶対スタッフと間違えてるよね。
ま、それでいいし。
けどちゃんと丁寧にお礼を言うところが可愛いよね。
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10月17日 木曜日

今日もかつおさんが洗濯物の回収に行った。
まずは綿子さんのところへ。
ありがとのぉと感謝してくれるのはいいがエレベーターの前まで見送りに来るのがちょっと鬱陶しいとかつおさんは言っていた。
かつおさんもわたしと同じことを思っているのね。
見送りはいいってば

そして茂造さんのところへ。
茂造さんは今日も独り言をずーーっと呟いていたそうだ。
かつおさんは洗濯物を入れ替えた後、声をかけたそうだ。

「じいさん、どんなんや?」

「いつもありがとうございます。美味しかったです」

とんちんかんな返事が返ってきたそうだ。
スタッフさんと間違えてるのかな?
けどちゃんと御礼を言うところがかわいい。


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ひき続き10日のこと

その後2階へ。
今日も茂造さんには会わずにアルバムだけ言づけて帰ろうと思っていた。
エレベーターを降りると詰め所の前にちょうどスタッフさんが二人いた。
よく見るとそのうちのひとりは綿子さんの担当マネージャーの草野さんだった。

「いつもお世話になっております」

「いえいえ、こちらこそテレビをお持ちいただいたり、お茶をお持ちいただいて助かります」

「いや~あのまま一人でボーっと部屋で過ごしていたらボケが進みそうで。テレビでも見る方がいいかと思いまして」

「その方がいいと思います。そうそう昨日は娘さんが赤ちゃんを連れて来てくださって、綿子さんすっごく喜んでました」

「そうみたいですね。娘も今は育休中なので時間がありますので。それに日中赤ちゃんと二人きりだと煮詰まるようで、ここに来るのは気分転換にもなるからって言ってくれてるんで、またちょこちょこ寄ると思います」

「ありがたいです!やっぱり刺激になりますからね」

「赤ちゃんはやっぱり珍しいんですかね。昨日も1階で大勢の人に囲まれたって言ってました(笑)。みんなが可愛いって言うてくれたって。デイサービスの方ですかね」

「そうですね。1階ならデイの利用者さんだと思います。いや~でもほんと可愛いわぁ~」

みんなゆうくんにメロメロのようだ。
これでみんなが元気になれるのなら喜ばしい。

「娘があんまり赤ちゃん連れてきたら迷惑なんじゃないかと気にしてまして」

「全然!!また連れてきてあげてください」

だって。
ハルちゃんそういう事でよろしくお願いね!
お邪魔します



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7月31日 月曜日

今日はいぶきの森へ茂造さんの洗濯物を取りに行く日だ。
かつおさんからいぶきの森へ行ったら保険証を受け取ってきて欲しいと頼まれた。
先日の茂造さんの誕生日に施設に行った時、預けたのだが返してもらうのを忘れていたそうだ。

施設に着き、事務所を覗くとちょうどケアマネの川上さんがいた。
「保険証を受けとってくるように主人からことづかったのですが」と伝えると、マネージャーの畑田さんを呼んでくれた。

「どうもすみません。こないだうっかり保険証をお返しするのを忘れてしまって」

「いえいえ」

「先日はありがとうございました」

「えっ?」

「茂造さんにケーキを用意していただいて」

「いえいえ、こちらこそ色々ご配慮いただいて、本当にありがとうございました」

今日は畑田さんに会ったら御礼を言おうと思っていたのに先を越されてしまった。
まさか畑田さんから御礼を言われるとは思っても無かった。

「茂造さん、とっても喜んでました。本当に幸せそうだったんですよ~」

「そうなんですね。よかったです」

「次の日には忘れるんですけどね。でもその時の幸せな気持ちは残ると思うんです」

畑田さんは自分の事のように嬉しそうに話してくれた。

本当にいいマネージャーさんだ。
畑田さんに担当してもらえてよかった。
茂造さんのことをよく見て、理解して、考えてくださっている。
このままいぶきの森でずっと畑田さんに担当してもらえたらいいのに。
そんな事を考えずにはいられなかった。

畑田さん、本当にありがとうございます。
もうしばらくお世話になると思いますがどうぞよろしくお願いします。
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